パキスタン・モヘンジョダロで必訪の遺跡特集!すべてが圧巻すぎる「死者の町」

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世界四大文明の一つ、インダス文明は紀元前2300年頃から1700年頃にかけてインダス川流域で栄えた。この文明を代表する遺跡として知られるのが、「死者の町」と呼ばれるモヘンジョダロである。世界史の教科書にも必ず載っている有名な遺跡だが、いまだに明らかになっていないことも多い。どのようなスポットなのか、紹介していきたい。

インドの古代史を覆す発見

モヘンジョダロが発見されたのは比較的最近で、1922年のことである。従来古代インド文明は、中央アジアから南下してきたアーリア人によって、紀元前1500年頃に始まったと考えられていた。しかしモヘンジョダロの発見によって、それ以前にこの地に高度な都市文明があったことが明らかになった。

最大で4万人が住んでいたとされるが、紀元前1800年頃まで繁栄した後、比較的短期間で滅びたとみられている。一体何がきっかけで滅びたのか、というのは今も解明されていない大きな謎である。

モヘンジョダロに潜む数々の謎

モヘンジョダロの遺跡についてはまだまだわかっていないことも多く、「世界で最も謎に満ちた古代遺跡」と言われている。

たとえばモヘンジョダロは、古い時代から新しい時代へと積み重なった7層の都市からできているが、下から上へと発展が見られるわけではなく、すべてそっくり同じ作りになっている。これは、都市が徐々に発展していったのではなく、最初から完成された形として「突然」この地に現れたことを示している。

また都市は碁盤の目状に綿密に設計されており、水洗便所に下水道、マンホールまで完備していた。これは、当時としては考えられないレベルの先駆的な技術である。

特定の地層からは、ガラスの層が発見されている。天然の土がガラス質に変化するには数1000℃の熱が必要であり、考えられるのは火山の噴火や核爆発であるが、この地域に火山はない。またモヘンジョダロから発見された人骨からは、通常の約10倍の放射能が検出されている。これらは、古代の核戦争の可能性を示唆しているのかもしれない。

それを裏付けるかのように、古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」と「ラーマーヤナ」には、核兵器としか思えない武器が登場している。

「それは太陽を一万個集めたほど明るく、輝ける炎と雲のそそり立つ柱となって巨大な死をもたらす鉄の稲妻と呼ばれる未知の兵器だった。(中略)死体は見分けがつかないほど焼きただれ、髪の毛と爪は抜け落ちてしまった。器は外から力を加えないのに壊れてしまった。鳥は白くなっていた。数時間後、食べ物はすべて腐ってしまった。」(マハーバラタより)

現在では、インダス文明の滅亡は大洪水によるとする説が主流ではあるが、古代核戦争による滅亡という説も捨てきれないのではないだろうか。

解かれないまま残る謎

実はモヘンジョダロの中でも、発掘が進んでいるのは一部分でしかない。他の部分は、発掘作業を進めると崩壊してしまう危険があるため、今のところこれ以上調査を続けることができないのだ。

モヘンジョダロの考古遺跡 Archaeological Ruins at Moenjodaro
住所:
パキスタン南部
アクセス:
カラチから飛行機でサッカルへ。サッカルからチャータータクシーで約90分。

「世界で最も謎に満ちた古代遺跡」として静謐の中にたたずむモヘンジョダロ。その謎めいた雰囲気にロマンを感じる人にはたまらない観光スポットだろう。

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