カリブ海バルバトス島マウントゲイ蒸留所ビジターセンター徹底ガイド!本場高級サトウキビのラム酒を求めて

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白い砂浜のカリブ海。その一番東端にある島国バルバドスには、ラム酒世界最古の蒸留所であるマウントゲイ蒸留所があります。バルバドス島の砂糖は高値で取引がされている高級品。そのサトウキビで造ったラム酒を味わってみませんか。

カリブ海バルバドス島

バルバドス島は北アメリカと南アメリカの真ん中、西インド諸島の一番東側にある島。南アメリカのベネズエラから北東の方角にあります。

17世紀には、サトウキビ、たばこ、綿が生産され、海外に輸出していましたが、1970年代からは観光業が盛んとなり、景観の美しいステキなホテルがたくさん建てられました。

サーフィン、スキューバダイビングの他にも、楽しめる場所がたくさんあり、世界各国から旅行者が訪れています。

隆起サンゴ礁の島

サンゴ礁というと、海の中にあるいろとりどりのサンゴを、思い浮かべるのではないでしょうか。バルバドスは、島全体がこのサンゴ礁でできているのです。

そもそもサンゴ礁とは、サンゴの石灰質の化石が積み重なって海面近くまで形成された地形のことで、上記の画像のようなサンゴの集まりのことではありません。

サンゴは、年間水温の平均が25~30℃、海水塩分濃度が3~4%、水深30m未満の海で多く繁殖するようです。

たくさん繁殖すればそれだけ石灰質の化石ができるので、長い年月をかけて積み重なって、サンゴ礁という地形ができあがります。

それがなぜ、島になるのか?

地殻変動です。火山活動が起こり、サンゴ礁が海面上へ隆起して石灰岩となり、島になりました。

2009年頃より、サンゴ礁の地盤調査をすることで、その海面の歴史を知ることができるようになりました。例えば何千年前のこの海の水面は、100m低かったなどのように。

サンゴ礁の研究は進められていますが、石灰岩の塊である、バルバドス島がどのくらいにできたのかは、まだわかっていません。

幻のコットン、生産地

「シルクのような光沢があり、カシミアのような肌触り」と評されるシーアイランドコットン。それだけではなく、強度もある、綿の中でも最高級品です。

現在は、西インド諸島のバルバドス、アンティグア、ネービス、ジャマイカ、ベリーズの、世界でもこの5地域でしか栽培されていない、希少なコットンなのです。

なぜ希少なのかというと、この地域でしか栽培ができないから。

ほかの地域へ種を持ち込み栽培を試みましたが、育ちませんでした。

この品種の生育条件は、発芽時期には雨が多く、開花の時期には乾期で、日照時間や気温も関係します。霜に弱いので、少しでも霜がおりる地域では育ちません。

それでも、この綿のもつ光沢やなめらかさを大量生産したい人類は、交配という形で、研究をしています。

実は、紀元前後から紀元700年に興ったペルーのモチェ文化や紀元前後から紀元800年に興ったナスカ文化に、シーアイランドコットンの原生種が栽培されていたようです。

綿を川の上流で栽培して漁に使う網を作り、海岸の村と物々交換を行っていたとされています。

その後、ゴシピウム属バルバデンセ(海島綿・シーアイランドワタ・ピマ綿・Gossypium barbadense)の栽培は、南アメリカ全域で行われるようになり、さらには西インド諸島にまで広がっていきました。

そして、クリストファー・コロンブスが、西インド諸島で栽培されている綿を発見したのです。

バルバデンセ綿は、サトウキビの栽培と同じように、強制的に連れてこられた奴隷たちのプランテーション作物となり、バルバドス島は、英国最初の植民地となりました。

シーアイランドコットンは、スビンコットン、ギザ45と並び、世界三大コットンの一つです。

三大コットンの中でも、繊維が一番長く、強度もあります。大昔のペルーで、漁の網にしていましたし、近代においてもパラシュートの素材としても使われていました。

綿の中で油分が一番多いため、光沢もでるのです。紡いだ糸を普通の綿糸と比べてみると、違いが一目瞭然。

昨今は日本でも、シーアイランドコットンを取り扱えるようになってきたので、まずはハンカチから、お試しになってみてはいかがですか?

マウントゲイ蒸留所

バルバドス島では、17世紀ころからラム酒造りが始まっていたとされていますが、免許をとって正式に蒸留所として開始したのが、1703年2月20日です。

ラム酒を造る蒸留所としては、このマウントゲイ蒸留所が最も古いメーカーとなります。

サトウキビ

イネ科サトウキビ属の、砂糖の原料となる植物。

C4型光合成と呼ばれる光合成によって葉の表面でブドウ糖を作り、それをショ糖に変化させて、竹のようになった茎に蓄えるのです。そのショ糖を結晶化させると砂糖のできあがり。

収穫は3月。気温が下がってくると、茎にショ糖がたまります。一番たまった!と判断されると、収穫が始まります。

刈り取ったあとは、すぐに工場で原料糖にします。サトウキビは放置しておくと、ショ糖が減ってしまうからです。

収穫も昔は人力で行っていました。倒し鍬(すき)と呼ばれる器具で1本ずつ刈り取り、穂先や枯れ葉などは取り除きます。

その枯れ葉を取り除く、脱葉鎌(だつようがま)という専用の器具までありました。

しかし現在は、機械で刈り取り作業を行っています。

竹のように見えるのが、サトウキビ。

このサトウキビマシンで、節を砕いて汁を取り出します。節の部分に主にショ糖があります。

この絞り汁をジュースにして飲むと、甘くて美味しいのです。その絞り汁から作ったバルバドスの砂糖(ブラウンシュガー)は高価で、海外輸出されるのがほとんどで、自国で消費されるのはラム酒用にとってあるサトウキビだけなのです。

甘いだけでなく、味に深みが出るとまで言われるバルバドスのブラウンシュガー。

そのサトウキビでつくったラム酒は、期待できますよ。

ラム酒の原料

ラム酒の原料はサトウキビの糖蜜ですが、この糖蜜が何かご存じですか?

砂糖を作るためにサトウキビを栽培し、収穫したあとは絞ってジュースにします。

サトウキビのショ糖は結晶化して砂糖になりますが、ジュースの成分はショ糖だけでなく、果糖やブドウ糖、ミネラルやビタミンなどさまざまなものが含まれています。

このさまざまなものの成分を総称して糖蜜や廃糖蜜と言い、これに酵母を加えて発酵させ、蒸留させたあと樽につめ、のちにボトリングすれば、ラム酒の完成。

ラム酒を使ったカクテルには、ダイキリやブルーハワイがありますが、マウントゲイラムは、強い甘さと甘い香りが特徴のラム酒なので、単体で味わっていただきたいラム酒です。

銅の単式蒸留機での2回蒸留と、連続式蒸留機での1回蒸留の2つのパターンを使い分けていて、蒸留後はアメリカンホワイトオーク樽で熟成させます。

オーク樽は3~4回再使用され、さらに味に深みを増していくのです。

サインツアー、カクテルツアー、ビッフェランチツアーとあります。

どうせなら、バルバドス島の風を感じながら、ランチとおいしいラム酒をいただくコースが、おすすめですよ。

マウントゲイ蒸留所ビジターセンター(Mount Gay Distillery Visitor Center)
住所:
Exmouth Gap,Brandons,Spring Garden Highway,St.Michael,Barbados
営業時間:
9:30~14:30
アクセス:
ブリッジタウンより車でPresident Kennedy Dr 経由12分
定休日:
日曜日
電話番号:
+1 246 425 8757
料金:
サインツアー大人1人USD$10.00、12歳未満無料、月~金9:30~14:30、土(季節営業)10:30~14:30、
カクテルツアー大人1人USD$50.00、子供は参加できない、月水金13:
30、
BAJANビッフェランチツアーUSD$62.00、12歳未満は半額、火木12:
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まとめ

マウントゲイ蒸留所は、300年以上の歴史をもつラム・メーカー。

バルバドス島の水、サトウキビ、熱帯の気候、いろいろな要素が組み合わさって、マウントゲイラムができています。

300年の歴史の中で、古いものと新しいものを調和させて作られていることに乾杯!

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