一生に一度は行くべき”美の迷宮”バチカン美術館を攻略しよう!

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世界最小の国・バチカン市国。見どころはサン・ピエトロ大聖堂だけではありません。歴代ローマ教皇のコレクションが一堂に会するバチカン美術館は必見!常に混雑している上、広大で「隅々まで見て回るには1週間かかる」とも言われるバチカン美術館のチケット購入方法から見どころまでお伝えします。

バチカン市国とは

出典: diamond.jp

ローマに行ったら絶対に訪れたいのがバチカン市国。カトリックの総本山であるバチカンは何と総面積がディズニーシーとあまり変わらないというから驚きです!
国全体が世界遺産になっている特別なこのバチカンはローマに隣接し、独立国家ではありますが入国の際パスポートコントロールはありません。

バチカン美術館/Musei Vaticani

バチカン美術館は総面積42,000㎡、7kmの展示コースを誇る巨大美術館。全部見て回るのは至難の業です。ダヴィンチやミケランジェロ、ラファエロなど超有名芸術家の作品を多く所蔵しており、これらは全て歴代の教皇のコレクションとのこと。絵画、彫刻、壁画などテーマ毎に分かれて展示されていますが館内は常にすごい人…絶対に見るべきポイントを押さえて効率よく回らないとヘトヘトになってしまうかも?
「美の迷宮」とも呼ばれるバチカン美術館を攻略しましょう!

チケットの入手方法

ネット予約が断然おすすめ

いつも大混雑のバチカン美術館は、チケットを入手するだけでも大行列!夏のハイシーズンは2-3時間並ぶのを覚悟しなければいけないので、限られた滞在時間を有効に使うためにも予約は必須です。
バチカン美術館予約公式ウェブサイトはイタリア語と英語の2か国語。"ADMISSION TICKETS"のページからアクセスし、"VATICAN MUSEUMS AND SISTINE CHAPEL"(バチカン美術館とシスティーナ礼拝堂共通券)を購入しましょう。

予約は60日前からなので、希望訪問日の2か月前から予約が可能です。日付だけではなく時間まで予約するので、遅れないように当日は余裕を持って到着してください!予約手数料は1人あたり4ユーロかかりますが、炎天下で大行列に加わる事を考えれば安いもの。メールで受け取ったバウチャーをプリントして当日持参してくださいね♪

当日購入するなら

旅のスケジュールをその場で立てたい派の方は、当日購入に挑戦しましょう!できるだけ混雑する時間帯と日差しの強い時間帯を避けるのがベター。土曜・祝日は混み合うのでおすすめは平日の朝一番か夕方16:00前。陽が強くない日ならランチタイムの13:00頃も狙い目です。

入館するとまず荷物検査があります。ここを通過し、館内2階にチケットオフィスがあります。バチカン美術館のチケットには名画がプリントされているので、良い旅の記念になります。

入館の際注意すること

①バチカン美術館に入館する人で、外は長い列ができています。左側がチケット購入希望者の列、右側がチケット入手済の人の列なので要注意!折角オンライン予約しても間違った列に並んでしまっては勿体ないので、ここは細心の注意を。

②バチカン市国は神聖な場所なので、服装に気を配りましょう。肩やひざ、太ももが出る服はNGです。鞄にさっと羽織れるものを用意しておくと安心ですね。

③館内は写真撮影が可能ですが、フラッシュは厳禁。素晴らしいコレクションを後世に残すためにも必ず守りましょう!

見どころを押さえよう☆

出典: www.his-j.com

バチカン美術館は大小合わせて25の美術館・博物館群でできている広大な美術館ですが、5つのセクションに絞って有名どころを鑑賞すれば2時間前後で回る事ができます。

ピナコテカ(絵画館)

中世からルネサンス期にかけて制作された絵画やタペストリーが収蔵されています。入口の階段を上り切った所にあるので、ここから鑑賞を始めると回りやすいですよ!

ラファエロ「キリストの変容」
1517年メディチ家の依頼によって描かれた祭壇画で、ラファエロの遺作となりました。主題はキリストが天から声を聞き、自分が神であることを示す場面です。この作品の両隣にもラファエロの「聖母の戴冠」、「フォリーニョの聖母」が並んでいます。光と影、鮮やかな色彩は生で見ると感動もの!

レオナルド・ダ・ヴィンチ 「聖ヒエロニムス」
ダヴィンチの未完の作品として知られる本作は、荒野での修行を耐える聖人ヒエロニムスとそれを見守るライオン(=神)を描いた作品です。顔や胸のあたりは完成しており、その他が未完成のまま展示されているので、ダヴィンチがどのように絵画を描き進めていたのかを知る手掛かりになりますね。

ピオ・クレメンティーノ美術館

「ベルヴェデーレの中庭」と呼ばれる八角形の中庭にヴァチカン博物館を代表する彫刻群が展示されています。

作者不明 「ラオコーン像」
コロッセオの付近で発掘された古代ギリシア時代の彫刻。トロイの木馬が敵の策略だと見抜いたラオコーンですが、木馬に槍を投げつけ正体を暴こうとした時、女神アテナに遣わされた海蛇に巻き付かれて殺されたシーンを表現しています。まるでそこに生きているかのような躍動感に注目してください。

地図のギャラリー

壁にはグレゴリウス13世が16世紀に描かせた当時のイタリアや教皇領の地図がびっしり。40枚の地図が120mものギャラリーの壁にフレスコ画で描かれ、天井は金をあしらった豪華な絵画で埋め尽くされている必見のギャラリーです。

当時のイタリアの領土や、地形のとらえ方等見ていて飽きることがありません。長い廊下の左右に展示されているので双方お見逃しなく!

ラファエロの間

ラファエロと弟子たちが16年かけて制作した作品を展示する4つの部屋です。ボルゴ火災の間、コンスタンティヌスの間、ヘリオドロスの間、署名の間のうち最も必見なのが署名の間。2枚の重要な絵画が展示されています。

ラファエロ 「聖体の論議」
ユリウス二世の命により制作された作品です。天上の聖人たち、地上の神学者たち、そして中心に描かれた聖霊を表す鳩で「三位一体」が表現されている本作はラファエロがわずか26歳の時に完成しました。中心の鳩の上にはキリスト、左にマリア、右には洗礼者ヨハネが描かれています。

ラファエロ 「アテネの学堂」
「聖体の論議」の向かいに展示されている本作は面白い仕掛けがいっぱい!描かれているテーマは古代ギリシアの有名な哲学者たちなのですが、ラファエロの身近な人々がモデルになっていると言われてます。中央の二人の哲学者はプラトン(左)とアリストテレス(右)。彼らのモデルはレオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ。

こちらを見ている黒髪の人物はラファエロ自身と言われています。沢山の登場人物の中から探してみて下さい!

システィーナ礼拝堂

何と言ってもバチカン美術館最大の目玉、システィーナ礼拝堂は外せません!バチカン市国で最も神聖な場所とされ、現代においてもローマ教皇選出の儀式「コンクラーベ」の会場となっています。
この礼拝堂は写真撮影が完全に禁止されています。私語も厳禁なので気を付けて下さいね。

ミケランジェロの天井画で有名なシスティーナ礼拝堂。一歩足を踏み入れれば言葉も出ない圧巻の景色が広がります。天井画のテーマは旧約聖書「創世記」から取った9つの場面から成り、特に「アダムの創造」は映画E.T.の有名なシーンのモデルとなりました。

出典: www.google.lv

礼拝堂正面にはミケランジェロの巨大フレスコ画「最後の審判」が展示されています。400名以上の人物が描かれているこの絵の中にはミケランジェロが登場していますよ!中央キリストの右足元には自身の皮を持つバルトロマイが描かれ、この皮がミケランジェロの自画像と言われています。
礼拝堂の壁面はボッティチェッリ、ペルジーノ、ピントゥリッキオらルネサンスを代表する芸術家の絵で飾られています。そちらにも注目!

以上、駆け足でお伝えしましたがバチカン美術館はまさに「美の迷宮」、広大で見どころに溢れています。1つ1つの作品はもちろん、館内の空気感も一緒に楽しんで下さい☆

バチカン美術館 (Musei Vaticani)
住所:
Viale Vaticano, 00165 Roma
営業時間:
9:00~18:00
※最終入場は16:
00、日曜定休日。休館日は毎年変動するので公式ウェブサイトでチェックを。
電話番号:
+39 06 6988 3332
アクセス:
地下鉄A線のオッタヴィアーノ駅が最寄り駅。テルミニ駅からA線で乗り換え無し。バッティスティーニ方面行きに乗り6駅目で下車。
memeri

ヨーロッパ在住です。
手仕事が大好きな視点から在住者ならではの情報をお届けします。

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