高野山のおすすめランチ10選！名店の味を堪能しよう

世界遺産に登録された高野山は、標高800メートルの山上に位置し、1200年前に弘法大師によって開かれた真言密教の道場です。山上には壇上伽藍や、高野山の中心である金剛峯寺などの建物が建ち並び、奥の院に綱がる参道はまるで別世界にいるような厳かな気持ちになります。

そんな高野山ならではの食事と言えば精進料理です。宿坊で宿泊しなくても予約制でランチで味わうことができたり、手軽に精進料理が体験できるお店もあります。また、高野山では精進料理だけではなく、洋食、中華、蕎麦、おしゃれなカフェごはんまで豊富なグルメが楽しめます。

高野山で寺社以外で精進料理を食べたいなら、小田原通に位置する名店「花菱」はいかがでしょうか。明治創業以来高野山にお店を構え、厳しい修行の中から生まれた「高野山精進料理」を、季節感を生かして彩り豊かに仕立てているのが特徴です。

花菱の代表的なメニューとして三鈷膳、揚柳膳、摩仁膳があります。高級感のある花菱の料理の中で三鈷膳は比較的リーズナブルでランチにおすすめ。煮合わせ、ごま豆腐、田楽、中付、香の物、デザート、ご飯、味噌汁に食前酒がついたボリュームのある内容。

精進料理の他にも、肉や魚介を用いた季節の御膳や、四季折々の食材を使用した目でも楽しめる懐石料理、お寿司、気軽に楽しめる松花堂弁当もあります。冬季には、高野山の寒い冬にぴったりな温かい鍋物も味わえますよ。

高野山の精進料理には欠かせないごま豆腐。花菱のごま豆腐も人気の一品で、生のごまを手で練って作る胡麻豆腐は、色が美しく食感はなめらか。ほんのりとしたごまの香りに癒されます。高野山でぜひとも味わっておきたいおすすめのランチです。

海外からの観光客に特に人気のお店が、奥の院の参道沿いにある古民家カフェ「梵恩舎（ぼんおんしゃ）」です。世界各国を旅してきた、五か国語が話せるオーナーがフランス人の奥様と営むお店で、インターナショナルカフェと呼ばれるのも納得です。

木のあたたかみが感じられる店内には、高野山を拠点に活動する陶芸家の作品を展示するギャラリーも併設されており、ギャラリーをゆっくり鑑賞しながら充実したひとときを楽しむことができる落ち着いた空間が広がっています。

人気の玄米や豆を使った体にやさしいワンプレートランチや、ベジタリアンランチは、旬の野菜をイタリアやフランスの家庭料理風に仕上げたもの。精進料理よりも気軽に雰囲気を味わえるため、日本人のみならず外国人観光客も人気のメニューです。

ランチにはコーヒーまたは紅茶、そして奥さん手作りのケーキが付いており、ほっこりする時間が過ごせそうです。休憩タイムにも訪れて種類豊富なドリンクと、チョコレートケーキなどの手作りデザートをゆっくり味わいたいですね。

高野山の大門近くにお店を構える「つくも食堂」は、釜めしが名物になっているお店です。お店の看板にも釜めしと掲げられているほど、お店のメインとなるメニューです。精進料理よりもがっつり食事がしたい人におすすめで、平日でも行列ができるほどの人気店です。

高知のかつお節、地元のフキやワラビなど、一つ一つの素材にこだわって作られた釜飯が美味しいと評判。中でも四季折々の食材を使った釜めし定食が人気で、しめじ、肉、じゃこ釜めしのほか、紀州産もしくは宮崎産の地鶏釜めしや、高知県産のぜんまいと地元の山菜を使った山菜釜めしもおすすめです。

春にはタケノコ、秋には松茸を使って季節の味を炊き込んだ季釜めしも味わい深い高野山の味。蓋を開けた瞬間に、それぞれの素材のいい香りが広がります。全体的に優しい味で、釜めしの特徴のおこげも美味しいと評判です。

定食にはごま豆腐とだしの効いた味噌汁と手作りの漬物がついています。つくも食堂のごま豆腐は、歩いて5分ほどの角濱さんの作り立てごま豆腐を使っています。その他にも親子丼やうどんもあり、素朴な味が楽しめます。

「福智院」は、愛染明王をご本尊とする寺院で、作庭家、重森三玲のモダンで美しい庭園があることでも知られています。また、高野山で唯一の天然温泉を備える宿坊があり、地元産の旬の野菜を使った精進料理が味わえます。

ランチのみでも福智院の精進料理が頂くことができるプランが用意されています。基本プラン「基本の膳」から、品数の最も多い贅沢な「振れ舞い料理」まで4種類の精進料理があります。一つ一つ丁寧に作られた料理は見た目にも美しく、優しい味も魅力です。

季節限定で松茸などの旬の食材を盛り込んだ精進料理がお目見えします。ここだけでしが味わえない特別な味も見逃せませんね。日帰りプランには料理のみと、日帰り入浴付きプランがあり、温泉と食事の両方が楽しめます。

見た目以上にボリュームがありますが、その美味しさに女性でもぺろっと食べてしまうそうですよ。昼食は13時まで、11時30分から15時までの滞在と、時間は決められていますが、日常とは異なる風景と食事を存分に堪能できますよ！ランチは事前予約が必要です。

「光海珈琲（こうみかふぇ）」は、小田原通り沿い、高野山奥の院入り口近くにある古民家カフェです。店内は25席ほどのこぢんまりとしたカフェで、高野山の四季を感じられるカウンター席もあり、寛げる空間になっています。

光海珈琲では高野山の湧き水や神谷山麓の野菜をふんだんに使った新鮮で美味しい料理が味わえます。ランチメニューは野菜たっぷりのカレーが人気で、季節ごとに異なる具材が楽しめます。口当たりはマイルドで後から辛さがくる「黒ごまカレー」「6種の野菜カレー」は、野菜の旨みとまろやかな味わいが楽しめる一品。

和歌山県橋本市のご当地メニュー・ひね鶏のもも肉が1本ゴロっと入った「ひねキングカレー」は、辛口で柔らかいので食べやすく、ボリュームがあり男性にもおすすめ。その他ヘルシーな「黒胡麻カレー」や「アボガド丼」などの洋食を味わえます。焼き魚やハンバーグなどメニューが豊富です。

ランチの後にスイーツと一緒に味わってほしいのが、高野山の湧き水で淹れた、香り高い光海珈琲のオリジナル焙煎。名物の「たまごコーヒー」は、コーヒーに金剛の生卵を加えるちょっと変わったもの。卵を混ぜることでまろやかな味に。光海珈琲焙煎珈琲は高野山のお土産にもぴったりです。

高野山で絶品の蕎麦が食べたいなら「十割そば 天宏」はいかがでしょうか。高野山大門近くの古民家を改装した趣のある建物で味わう、毎朝打つ十割蕎麦と、和歌山地産の食材を使った美味しい料理が評判のお店です。

土間や畳の部屋がある明治の日本家屋を残した建物は大変趣があります。週末と祝日のみの営業にかかわらず、ランチタイムにはその人気を聞きつけた人々が列を作るほどの人気。天宏の蕎麦は、そば粉のみを使用した手打ちの十割蕎麦で、蕎麦好きの人には嬉しいお店です。

お店おすすめの「天宏蕎麦」は、蕎麦と天ぷら、胡麻豆腐などのセットです。天ぷらやごま豆腐以外はその時の旬の食材が使用されます。天ぷらに使われる野菜など、食材はできるだけ地元産のものが使われており、地元の味を楽しめるのもポイント。

生胡麻豆腐と小鉢付きの「精進蕎麦」や、海老や旬の野菜の天ぷら盛が付いた「天盛蕎麦」など、蕎麦の種類が豊富です。紀州地酒飲み比べセットをはじめ、日本酒も各種揃っているので、地元和歌山の味をぜひゆっくりと味わってみてください。

高野山の精進料理に必ず入っている美味しいごま豆腐が食べたいなら「角濱ごまどうふ総本舗」へ行ってみましょう。高野山の大門と壇上伽藍の間のメインストリート沿いに店を構える老舗のごま豆腐専門店です。販売店にイートインエリアが併設されており、角濱ごまどうふを使った懐石料理が味わえます。

角濱ごまとうふ総本舗は、修行僧とともにごま豆腐作りに力を入れてきました。金剛峯寺をはじめ高野山内の各寺院に納めており、定番のお土産として、厳選したごまと高野山の湧き水を使って作られています。参拝者で混雑することなく、ゆっくりと食事が楽しめる空間です。

ごまとうふを使った懐石ランチやスイーツまで、幅広い味わいのメニューを楽しめます。中でも曼荼羅をモチーフにした2つの胡麻豆腐懐石が人気です。金剛曼荼羅をイメージした「金剛懐石」、胎蔵界曼荼羅をイメージした「胎蔵懐石」は、ぜひ写真を撮っておきましょう。

その他にも胡麻豆腐の天ぷらが美味しいうどんと天ぷらセットもおすすめ。宇治抹茶ごま豆腐に小倉あんを添えたデザートとしてのごま豆腐も絶品です。天気のいい日には、テラス席でのランチも気持ちいいですよ。冬季限定の朝しぼり豆乳を使ったごま豆腐鍋は体が温まります。

精進料理を手軽に味わいたい人には「中央食堂・さんぼう」がおすすめ。高野山中心部に位置し、観光や参拝の後にも利用しやすく、美味しい精進料理をリーズナブルに味わえる価格帯なのも人気の秘密でしょうか。

さんぼうでは、「五味五色五法五禁」を守って作られる精進料理のメニューが9種類あります。人気の「精進花篭弁当」は、花の形のお膳に、ごま豆腐をはじめ季節の野菜の天ぷらや湯葉、粟麩田楽、炊き合わせなど6種類の料理が盛り付けられた華やかなお弁当。麦の入った大豆ご飯と汁物が付いたこだわりの内容です。

肉や魚などを使用しない精進料理は健康にも良く、おすすめです。非常に低カロリーなのに美味しく、お腹いっぱいになります。さんぼうでは旬の素材を使い、手間ひまかけて調理しています。素朴な中に風味豊かでしっかりとした味が感じられます。

ごま豆腐をメインとした「ごま豆腐湯葉巻揚」、豆腐に餡をかけた「盛豆腐精進あん掛」「山菜湯葉ちらし寿司(小うどん付)」ほか、丼ぶりや麺類など種類豊富。精進料理では物足りないという人にも満足できるメニューが揃っています。

奥の院参道の静かな場所に佇む「みやま」は、本格的な精進料理をリーズナブルな価格で楽しめると評判のお店です。精進料理のほかにもうどんやそばなどの麺類や、天ぷらやとんかつ、丼物などもあり、気軽に入りやすい庶民的な店構えも魅力。

鰹などの動物系を使わず、精進出汁を使用した「精進料理」はボリュームたっぷりの一汁五菜。ごま豆腐、天ぷら、煮物など種類豊富でボリュームがあり、ご飯、汁物、香の物を合わせて見た目以上にお腹いっぱいになります。

味付けは全体的に薄味ですが、しっかり出汁が素材にしみこみ、高野豆腐からも出汁があふれ出ます。生麩田楽、煮物やサクサクの天ぷらは、地元の旬の野菜を使った季節感が感じられ、精進だしも国産の素材でとり、麹でコクを出すなど、食材へのこだわりがうかがえます。

食堂的なメニューもあり、「天ぷら蕎麦膳」1かやくうどん」「天ぷらそば」など、精進料理以外の手軽な定食や丼ぶり、麺類が手軽な価格で楽しめます。店内には座敷があるので、靴を脱いでリラックスして食事ができるのもいいですね。

「ミッチー中華飯店」では、高野山で唯一高野山で中華ランチが食べられます。ラーメン、餃子、チャーハンといった中華料理店の定番料理がラインナップ。ビールなどのアルコールも用意されている普通のお店ですが、高野山にあると特別感があります。

高野山の中心部の1本裏通りにひっそりと佇む、仏教の聖地・高野山にあるとは想像がつかないカジュアルな店構え。全体的に料理にボリュームがあり、リーズナブルに食事ができるとあって、観光客のみならず現地の人にも大人気。

高野山では精進料理のお店や和食のお店がほとんどで、高野山を日帰りする人には精進料理もヘルシーでいいのですが、宿坊に宿泊する人には精進料理に物足りなさを感じる人もいるかも知れません。そのような人にもってこいのお店です。

ミッチー中華飯店のおすすめメニューは「からあげ定食」です。外皮はサクサク、中身はジューシーな唐揚げはご飯がすすみます。ミニラーメンも付けてボリュームアップも可能。酢豚やとんかつの定食、単品メニューも豊富にあります。

由緒があり、ボリュームがありながらヘルシーで、季節感が感じられる精進料理は高野山ならではの絶品グルメ。地元の食材を使った和食や麺類、カフェメニューなど、それらはみな和歌山を愛する人たちの作る高野山の味です。

仏教の聖地・高野山の厳粛な雰囲気を味わいながら、高野山にある多くのグルメスポットの中からお気に入りを見つけましょう。自然の恵みをいたるところに盛り込んだ絶品のランチを、お腹一杯堪能してください。