カザフスタンの世界遺産「コジャ・アハメド・ヤサウィ廟」へ 巡礼の旅

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カザフスタンという国をご存知でしょうか?中央アジアに位置し、広大な国土の多くはステップや砂漠に覆われ、そして穏やかでフレンドリーな人たちが暮らす国。今回は、2017年に万国博覧会を開催するこの国で、初めてユネスコの世界遺産に登録されたコジャ・アハメド・ヤサウィ廟をご紹介します。

世界最大の内陸国カザフスタン

カザフスタンは世界第9位の面積を誇り、内陸国では世界最大となっています。この辺りはイスラム教徒の割合が多く、カザフスタンでも7割程度がイスラム教を信仰しています。コジャ・アフメド・ヤサウィ廟自体、この地域にイスラム教を広めた聖者を祀ったもので、従ってイスラム様式の建築物です。

コジャ・アフメド・ヤサウィ廟のある町トルキスタン

廟が位置しているのは、カザフスタン南部のトルキスタン。ウズベキスタンからもほど近いこの町は、廟以外にこれと言った見どころはありません。ですがカザフスタンのみならず、中央アジアのイスラム教徒にとって重要な場所であるため、現地の人たちが参拝している姿をよく見かけます。筆者が訪れた時は、なんと結婚式の撮影をしていました。世界遺産で撮影なんて、なんだかすごいものだと感心してしまいました。

コジャ・アフメド・ヤサウィ廟とは

コジャ・アフメド・ヤサウィは、12世紀半ばにこの辺りのトルコ系民族へのイスラム教の布教を進めた人物で、イスラム神秘主義者と解釈されるスーフィーの一人です。彼の死後、2世紀経った14世紀末、当時中央アジアを席巻していた英雄ティムールが廟の増築工事を始めましタ。その後、1405年、彼の死により工事はストップしてしまいましたが、この時点でコジャ・アハメド・ヤサウィ廟の原型が造られました。

世界遺産にも登録されている中央アジアの聖地

20世紀終わりにトルコの援助を受けて修復工事がなされ、19世紀当時の壁が復元されるなど当時の姿が復活し、2003年にはカザフスタンで初めての世界遺産に登録されています。中央アジアのイスラム教徒にとっては、メッカに並ぶほどの聖地とされ、今でも多くの参拝客が途絶えることはありません。

美しい幾何学模様のタイルは必見!

コジャ・アハメド・ヤサウィ廟でぜひとも見ていただきたいのが、見事な幾何学模様のタイル。イスラム教の建物では幾何学模様がよくつかわれますが、この廟でも青、緑、そして金色など色鮮やかでとっても美しいタイルを見ることができます。

歌と踊りを取り入れたイスラム教のスーフィズム

ヤサウィの広めたイスラム神秘主義では、歌や踊りといったツールを介して自我からの解放と神との同一化を目指すのだそう。同じくイスラム教徒の多いトルコやエジプトでは、このスーフィズムの音楽と踊りを取り入れたセマーやタンヌーラが、エンターテイメントの代表格とされています。

ラクダもいますよ!

コジャ・アハメド・ヤサウィ廟の近くではラクダを見かけることもあります。イスラム建築のエスニックな雰囲気とゆったりとしたラクダの動きがうまくマッチしていて、まるで絵画のような風景を目にすることも珍しくありません。

フレンドリーなカザフの人たち

イスラムの雰囲気を楽しむことができるコジャ・アハメド・ヤサウィ廟ですが、カザフスタンの魅力はそれだけではありません。カザフスタンの人々は外国人に対してとてもフレンドリーなんです。道で迷っている時に助けてくれるなんて言うのは序の口。筆者がトルキスタンを訪れたときは、女子学生さんたちに話しかけられて写真を撮ったり、SNSを交換したり。

素敵なプレゼントを頂いちゃいました!

またカザフスタンでは友達に対しアクセサリを贈るのが流行だそうで、出会ったばかりにもかかわらず、筆者も妻も一つずつ頂いてしまいました。ほかの旅人でも同じような経験をしていた人もいたので、あまり珍しいことではないようです。いろいろな国を回りましたが、これだけフレンドリーな人たちがいるのも珍しい!世界一周旅行の中でも記憶に残るお土産として今も大切に保管しています。

最後に

カザフスタンにあるイスラム教徒の聖地であり、世界遺産にも登録されているコジャ・アハメド・ヤサウィ廟、いかがだったでしょうか?カザフスタンという国もイスラム教も日本では馴染みが薄く、ここを知っている人は世界一周をしている人でもそう多くないかもしれません。ですが2017年にはカザフスタンで万国博覧会が行われることもあり、カザフスタンで珍しい異国の文化に触れてみるのもよいのではないでしょうか。

コジャ・アフメド・ヤサウィ廟(The Mausoleum of Khoja Ahmed Yasawi)
住所:
South Kazakhstan Oblast, Turkestan
アクセス:
日本からカザフスタンへの直行便はなく、一般的には中国、韓国、中東、またはヨーロッパなどを経由していくことになる。モスクワ経由で14時間程度、ソウルとアルマトイ経由で11時間など。
石塚皓

2014年7月より、元教師の妻と世界一周の旅を始め、2016年3月に無事、帰国した33歳の元会計士。1年8カ月かけ48カ国を回る中で出会った絶景やオススメのグルメ情報など、旅に関する情報を発信していきます。

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