【愛知】継鹿尾観音・寂光院の魅力とは？心に染み入る静寂とやすらぎのもり

愛知県犬山市にある「継鹿尾観音　寂光院」は飛鳥時代654年に孝徳天皇の勅願により創建された歴史のあるお寺です。お寺のある継鹿尾山は「霊山」といわれ、尾張西国三十三観音霊場をはじめ4つの霊場の札所にもなっています。

本堂は平成17年に国の登録有形文化財になりました。現在の本堂は明治12年に再建されたもので、装飾を抑えた質実剛健な造りです。そのたたずまいは霊山にある山寺にふさわしい凛とした印象があります。

ご本尊として安置されているのは千手観音菩薩です。この菩薩像は60年に1度の甲子年にしか御開帳されない秘仏なのですよ。ご本尊のお前立ちの像はいつでも近くで拝顔できますが、それも南北朝時代の作といわれています。

永禄8年に織田信長が柴田勝家らと、この「寂光院」を参詣しました。当時信長の居城だった「清州情」からみて、継鹿尾山は鬼門にあたり、そこにあるお寺なので、鬼門の守りとして大切にしたのです。本堂の高さからは、犬山城、小牧城、岐阜城までも見渡せるので、軍事的意味合いでも重要視していたと考えられています。

継鹿尾山は山麓より山頂まで1350メートルあり、寂光院は山腹にあるお寺なので、ご本堂まで300段ある階段をのぼります。

安心してください。身体が弱い方でもお参りできるようにと、庫裡事務所から山上の本堂・随求堂までスロープカーが設置されています。

「継鹿尾観音　寂光院」は「尾張のもみじでら」と呼ばれ、この付近一帯で紅葉の名所として親しまれています。10万坪の広い境内は山の自然とともにあり、四季折々の風情を堪能できるでしょう。

見事な赤が目に鮮やかですね。イロハモミジやカエデなどが約1000本もあるそうです。見頃は11月中旬から12月上旬くらいで、その頃に行われる「紅葉まつり」では、いろいろな催事が開かれます。期間中に限定販売の「あゆは寿司」はアユの甘露煮を入れた巻き寿司で、人気の名物料理です。

真っ赤に染まるもみじの他、黄やオレンジ、朱色に染まるもみじなど、色合いが微妙に違う木の葉が折り重なる様はまるで錦絵のように美しいと評判です。

「願いの鐘」は誰でも自由につくことができます。世の幸せを祈ってつくと、めぐりめぐって自分の満願成就につながるといわれていますよ。

名古屋市や犬山市から近い場所にある紅葉スポットなので、紅葉の季節は人でにぎわいます。写真撮影を目的にする時には人が少ない朝のうちが狙い目でしょう。

身近にありながら、実は古い歴史があり、霊山の静ひつとした雰囲気や美しい自然を保っているのは、何か不思議な力が働いているのではないかと思わされます。肌に感じる新鮮な空気や眼下に広がる木曽川や街並みの眺めなどによって、心をリフレッシュできる、とっておきのパワースポットではないでしょうか？