大分県日田市「小鹿田焼の里」昔懐かしい景観と一子相伝の和のうつわ！

日田インターから車で約25分、大浦川が流れる静かな山間に位置する「小鹿田焼の里」。国の重要文化的景観も選定されているこの場所は、窯業地区である「皿山地区」と農村地区である「池ノ鶴地区」の二つの集落で形成されています。

大浦川の下流にある「皿山地区」。江戸時代中期に開窯した10軒の窯元が、300年余りたった現在でも窯を守り、小鹿田焼を作り続けています。「一子相伝」が特徴の小鹿田焼。その技法は現在まで大切に、親から子へと伝承されています。

川の方から時折、聞こえてくる「ギー、バタン」という心地のよい響き。これは、山の土を唐臼で挽いている音です。大浦川の水力を使い、昔ながらの技法で陶土を作っているのです。

こうして作られた陶土を使って作られる小鹿田焼は、すべての工程が手作業。登り窯で丁寧に焼かれて作られる小鹿田焼。「飛び鉋」や「刷毛目」などの技法を用いて付けられた温かみのある模様や、釉薬が作り出す味わいのある色味が、手に取る人の心をホッとさせます。

大浦川の上流に広がる池ノ鶴地区。現在は3戸の農家が農業を営んでいます。川沿いの急斜面には、石垣を積んで築いた棚田が広がり、昔ながらののどかな農村といった雰囲気。この風景も、皿山地区とともに、重要文化的景観として選定されています。

小鹿田焼の里、唯一のお食事処がこちらの「山乃そば茶屋」。峠の茶屋といった懐かしい雰囲気のお店は、観光客はもちろん、集落の人々の憩いの場にもなっています。川の上に張り出すように建てられた店内からは、唐臼が並ぶ情緒的な景観を見ることもできますよ。

お店の料理が、小鹿田焼のうつわで提供されるのも嬉しいところ。鶏肉と椎茸の出汁が効いた名物地鶏そばをはじめ、だんご汁や甘味などの料理を頂くことができます。

小鹿田焼の里の高台にある「小鹿田焼陶芸館」。館内には、小鹿田焼の歴史や技法を説明した資料や、古陶などの作品が展示されています。展示品の中には、イギリス人陶芸家、バーナード・リーチの作品も。小鹿田焼を高く評価し、その名を海外にまで広めた功労者として知られています。

小鹿田焼の里では、うつわを店頭販売している窯元がいくつかあります。日常使いし易く、料理が良く映えるといわれる小鹿田焼のうつわ。お土産やご自宅用にお好きなものを探してみてはいかがですか？

小鹿田焼の窯元が集まる「小鹿田焼の里」をご紹介しました。国の重要文化的景観でもある二つの地区と、重要無形文化財の小鹿田焼の窯元を巡ることが出来る小鹿田焼の里。温泉旅行のついでに足を延ばしてみてはいかがでしょうか？