タジキスタン基本情報 【治安・情勢編】

タジキスタンは中央アジアに位置する国で、アフガニスタン、中国、キルギス、ウズベキスタンと国境を接しています。タジキスタンは旧ソ連の一部で、ソ連の崩壊後は内戦に陥りました。1997年に内戦が終わり、日本を含む各国の支援により経済復興が進められてきました。特に2000年以降は年10パーセントの高成長率を維持しています。

しかし、その一方で貧富の格差が大きくなり、国民の大部分は低所得層と、旧ソ連各国の中では依然として最も貧しい国です。2011年には主な反政府勢力が一掃されましたが、その後も選挙を撹乱するための爆弾テロなどが起きており、未だ治安は不安定な状況です。

タジキスタンは、全土に外務省の危険情報が出されています。タジキスタン南部のアフガニスタンとの国境沿いには、レベル3の渡航中止勧告、その他、首都ドゥシャンベ及びホジャンドを除く地域には「レベル2：不要不急の渡航は止めてください」の危険情報が出されています（2017年10月22日現在）。タジキスタンを訪れる際には、常に最新の情報を入手し、トラブルに巻きこまれないようにしましょう。

タジキスタンは長い内戦のため、インフラの整備が遅れています。首都ドゥシャンベから他の地域への交通は整っておらず、冬は積雪や雪崩による被害が報告されています。また道路復旧工事の為に道路が閉鎖されることが多いので、国内を移動する際には注意が必要です。

タジキスタンでは、通信インフラの整備も遅れていて、電話が通じない地域が多くあります。また首都を除くほとんどの地域で電気や水道の整備が進んでおらず、一日の大半が停電になることも。また断水も頻繁に起こるため、地方を旅行する際には十分気を付けてください。

タジキスタンは国土の大部分が標高の高い地域にあります。山岳地帯を訪れる際には、高山病に注意してください。また、タジキスタンでは、医療設備や診療サービスが整っていません。ほとんどの医療機関では英語が通じず、受診はタジク語またはロシア語となります。医療費は高額なので、事前に保険に入るなど対策を取っておきましょう。

首都ドゥシャンベなど都市部では貧富の差が拡大していて、スリや強盗などが増える傾向にあります。街を歩くときは、犯罪に遭わないよう注意してください。また、ホジャンド市で2010年に自爆テロが起こっています。都市部ではレストランやホテルなどテロの標的となるような場所では、安全の確保に努めてください。

タジキスタンの人たちは穏やかな人が多く、外国人に対しても親切に接してくれます。必要以上に怖がることはありませんが、タジキスタンを旅行する際には身の周りの危険には常に注意し、トラブルに巻きこまれないようにしましょう。