松山で楽しめるB級グルメ20選！地元民のおすすめをご紹介

太刀魚巻は、松山のB級グルメのひとつ。これは本来松山ではなく、愛媛県の西南にある宇和島の名物です。これは新鮮な太刀魚を手に入れて3枚に捌きます。その中のいわゆる「身」の部分（2枚）を取り出して、ちくわのように棒に巻きつけます。あとはそれを炭火で焼くだけです。非常にシンプルな製法ですが、太刀魚の皮の焼き上がりがパリッとした硬さ。そして対照的な身のほっくり加減もほど良い食感です。さらに炭火で焼き上げる際に湧きあがる香ばしい香りとの相性が見事にマッチ。ご飯のお供にも、酒の肴にもばっちりな逸品です。

太刀魚巻は、本場宇和島にはいくつもお店がありますが、松山市内でも提供しているところがあります。それは道後温泉駅からすぐ近くにある谷本蒲鉾・松山道後店。太刀魚そのものの質にこだわり、職人による手作業にて巻きつけます。味付けは4種類から選ぶことができ、それぞれタレ、七味、黒コショウ、そしてレモンから選んでください。このお店は太刀魚巻のほか、じゃこ天やジャコカツも名物。ぜひともセットで購入したいところです。八幡浜沖合の素材を、中型底引き網を使ったトロール漁業で水揚げされる活きの良い太刀魚を存分に味わいましょう。

タルトは、松山のB級グルメのひとつ。本来は洋菓子で、クッキー生地の焼き菓子の総称ですが、松山に伝わるタルトは少し違います。軽く焼いたカステラ生地がベースで。それに餡を巻きつけたロールケーキのような仕様です。そのため「愛媛タルト」「松山タルト」と呼んで洋菓子のタルトとの違いを出しています。これは江戸初期の松山藩主・松平定行の時代に誕生します。長崎に入港したポルトガル船の警備に向かった定行が、彼らが持ってきた南蛮菓子を大変気に入りました。その洋菓子は、ジャムが入ったロールケーキでしたが、定行がジャムを餡にしてタルトを考案したのです。

タルトを作っているメーカーは松山市内に数多くあります。その中でも1933年に創業した、六時屋タルトは人気メーカーのひとつ。時計で6時は長針と短針が縦にまっすぐになる様をみて、その針のように「まっすぐ」に、正直な心で商売をしたいということから社名がつけられました。素材と製法にこだわった六時屋のタルトは、昭和天皇・皇后が2回も所望されたほどの味。余計な甘味料や保存料を一切使用することなく、専用の卵とグラニュー糖、そして北海道の吟味厳選された上質の小豆を使用しました。また一本ずつ手作りで作り続けています。

道後温泉の温泉玉子は、松山のB級グルメのひとつ。全国の温泉地に行けば、高温の温泉にしばらくつけておくことで半熟のゆで卵のようなものができます。松山市内に湧き出る道後温泉の源泉温度は42 ～51度なので、あまり温泉卵を食べられるところはありません。しかし道後プリンスホテルでは、道後の湯を使った温泉卵が食べられる場所があります。それはホテルの敷地内にある足湯「もて湯」の中。ホテルの敷地内にちょっと立派な門の中に入ると、木の屋根の下に2列になって入れる、足湯があります。そして足湯につかりながら温泉卵が食べられます。

温泉ゆで卵は、1個100円で販売。ただし、あらかじめフロントに問い合わせる必要があります。足湯の横に竃（かまど）があり、そこで道後の源泉を沸かしています。そこに生卵を入れて8分経てば温泉成分が凝縮されたゆで卵が完成。待っている間、あるいは完成した卵を食べる際に、足湯につかりながら堪能できます。ちなみに道後温泉の泉質は単純温泉。神経痛、リューマチ・皮膚病・貧血・胃腸病・痛風といった症状に効能があるとされます。松山に旅行に来た思い出に、ぜひ道後温泉の成分が入ったゆで卵を味わいましょう。

松山のB級グルメは、歴史あるものから比較的新しいものまで多種多様。市内発祥ではなくとも、近くの今治や宇和島といった地域で広まったものも市内で食べることができます。そして現地で消費するだけでなく、お土産品に最適なものも数多く存在。現地で美味しいグルメを堪能し、そしてお土産にも松山らしきものを購入すれば、現地の楽しい思い出が帰った後も、しばらく余韻として残るでしょう。