北海道・羽幌港からフェリーで行く天売島は海鳥の楽園!野良猫との戦いも!

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ウトウ(善知鳥)という海鳥をご存知でしょうか?北海道の北部にある離島「天売島(てうりとう)」は”ウトウ”の繁殖地として世界的に有名な場所です。天売島は国の天然記念物に指定されているんです。しかし近年、野良猫という天敵の出現により大きな問題になっています。今回は、この天売島にスポットを当てて特集してみたいと思います。

天売島

北海道の北部にある羽幌町の沖に二つの島があります。「天売島(てうりとう)」と「焼尻島(やぎしりとう)」です。

この天売島は世界的に有名な海鳥の繁殖地として、天然記念物に指定されています。面積は5.50km²、周囲約12㎞で人口は約400人。島の名前はアイヌ語の「テウレ」に由来しているそうです。

繁忙期と閑散期があり、11月~4月の閑散期に行くと旅館や飲食店が閉まっている可能性と、島に渡るフェリーが1往復しかしないこともあるので要注意です。行くならば5月~10月にしましょう。

ウトウ

ウトウ(善知鳥)とは、北日本沿岸からカリフォルニア州までの北太平洋沿岸にかけて生息している海鳥です。大きさは鳩よりも少し大きい位で、体長は35~40cmほどになります。

胸から背中は灰黒色、お腹は白色、くちばしは橙色をしています。中々可愛らしい姿ですね。天売島以外では、岩手県の椿島や宮城県の足島でも見られます。

世界最大の繁殖地

出典: 4travel.jp

ここ天売島には、60~100万羽が繁殖しており、世界最大のウトウの繁殖地になっています。

陸地に上がるのは繁殖期のみで、それ以外は海上で生活をしています。

なぜこんなにもウトウが繁殖しているかというと、天売島は断崖絶壁の地形が多く、人や天敵が住みにくい環境になっているためなんですね。そのため、長らく海鳥の楽園として続いてきた歴史があるんです。

しかし、明治時代には人が上陸するようになり、猫などの外敵も上陸するようになりました。現在では天敵である”野良猫”が独自で繁殖し、海鳥を襲う事例が後を絶ちません。

ウトウの帰巣

ウトウは沿岸の海上に群れを作って生息していますが、繁殖期になると上陸します。断崖の上の地面に深さ1m~5mほどの穴を掘り、巣を作ります。

出典:youtube

無数に空いた穴の集合体はまさにコロニーとなっています。メスはその穴に一つだけ卵を産み、夫婦交互で45日間温めるのです。これはなかなか大変ですね。

45日ほど経つとふ化し雛が顔を出します。そうすると今度は50日間、小魚等のエサを与え続けます。このエサを狙ったカモメに襲われることも少なくありません。

毎年、初夏には沢山のウトウが繁殖地を求めて大地を覆いつくします。とても神秘的な光景なんですよ!

赤岩園地

陸地側には”イタドリ”と呼ばれる背の高い植物が覆っている場所がある事から、ウトウの数少ない安全な繁殖地なんです。ココを国の指定公園として保護し、バックアップしているのです。

注意事項

・観察は「赤岩園地(赤岩展望台)」のみで、20時までとなっています。
・ストロボ(フラッシュ)撮影はなるべく抑え、海鳥にストレスを与えない様に配慮して下さい。
・「ウトウ・ナイトウォッチング」では、一般車両はご遠慮下さい。
・現地関係者からの指示には必ず従って下さい。

ウトウは大変デリケートな鳥ですので、しっかりと注意点を守って観察して下さいね。

天敵「野良猫・カラス・オオセグロカモメ」

出典: ukoncha.com

野良猫は天敵なのですが、そこら中にいます。主に飲食店周辺で人間の残り物を狙っているんです。観光客の方、餌付け禁止ですよ!この島ばかりは、猫好きは喜ばれません。

野良猫の仕業であろうウトウの残骸。

カラスは巣穴の雛を狙います。ここには厳しい自然の掟が存在します。

野良猫対策は1990年から開始され、約200匹の野良猫の不妊去勢が行われました。しかしあまり効果は見られませんでした。

出典: photohito.com

しかし、海鳥の天敵だという理由だけで、人間が野良猫を駆除するということは出来ません。人間から餌をこっそり貰っている猫もいるんです。

出典: this.kiji.is

そこで野良猫を捕獲し、島外に搬出する事業を2015年に立ち上げました。300匹ほどいた野良猫も100匹以下に減らすことができましたが、代わってネズミが急激に繁殖するという被害が出てきています。

海鳥、野良猫、ネズミと様々な問題が出てきていますが、どうにか上手くバランスが取れれば良いのですが…。

天売島へのアクセス

出典: ukoncha.com

北海道、留萌の北にある羽幌町の羽幌港からフェリーで1時間半ほど。繁忙期には船が二種類に増え、高速船も運行します。高速船なら1時間で着きますよ。

フェリー「おろろん2」

出典: p.twipple.jp

羽幌~天売の運賃

9月~6月
1等 大人3,980円・子供1,990円
2等 大人2,290円・子供1,150円

7月、8月
1等 大人4,300円・子供2,150円
2等 大人2,470円・子供1,240円

高速船「さんらいなぁ2」

羽幌~天売の運賃

4月~6月 (旅客運賃+急行料金)
・大人4,100円  ・子供2,060円

7月、8月 (旅客運賃+急行料金)
・大人4,280円  ・子供2,150円


天売島
住所:
北海道苫前郡羽幌町大字天売字和浦
アクセス:
札幌駅から羽幌港まで車で2時間、そこからフェリーで1時間半
問い合せ先:
(0164)62-6666(羽幌町観光協会)
フェリー運賃:
大人2,290円~  子供1,150円~
おすすめの時期:
初夏

いかがでしたか?海鳥の楽園である「天売島」。ウトウの天敵に関してはまだまだ問題がありますが、厳しい自然の中でたくましく生きています。一度訪れて、生態を観察してみてはいかがですか?

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