イエメンのサナア旧市街がまるでチョコレートと砂糖で作られた街並み！

高さ約12メートルの城壁に囲まれる、イエメンの首都サナア。1986年に「サナア旧市街」として世界遺産に登録された街です。「ノアの方舟」でご存知のノアの息子セムによって創建されたという、世界最古の街のひとつなのだそう。

アラビア語で「堅牢な要塞」を意味するサナアですが、その街並みは名前とは全くイメージが違うかわいらしい様相！同じチョコレート色の建物がどこまでも続いていて、街全体がお菓子でできているかのようですね。

まるで童話に出てくるお菓子の家ではないですか！チョコレート色の壁と、真っ白な窓枠を持つ建物がたくさん並んでいて、その統一感は半端ではありません。

お菓子の家、というか建物がひとつのケーキのようでもありますね。

窓のまわりの漆喰は、完全に砂糖が降り積もったかのような状態。これは思わず「美味しそう！」と叫んでも仕方がないでしょう。

しかしこんなラブリーでおしゃれな建物なのに、どれもけっこうな高さがあるところが気になります。これは、外敵の攻撃から市民を守るために高層化された証拠。12メートルもの高さのある城壁といい、見た目のかわいらしさに騙されてはいけない街ですね。

道も迷路のように複雑に入り組んでいて、何も考えずに歩くとあっという間に迷子に…なんせ同じような建物ばかりで、特徴的な形をしているモスクでさえも街並みに溶け込んでしまっているため、目印が全くないのです。

砂糖をまぶしたかのような窓には、イスラムらしい唐草模様や幾何学模様がほどこされ、さらに独特な雰囲気を街並みに添えています。本当にイスラム芸術は美しく、センスが良いですね。

あえて迷路の中に突撃！迷い込んでいくと、1000年前から時が止まっているような光景が眼前に広がります。この雑多な感じが、国を越えた懐かしさを呼び起こすかのようです。

スーク（市場）の一角。怪しげ、といっては失礼ですが、日本では絶対に見られないようなお店ですね。せっかくだから、何かお土産を買ってみてはいかがでしょう？

さて、陽が暮れて街灯がともり始めると、サナアの街はよりいっそう幻想的な雰囲気に…。さながら千夜一夜物語の世界が広がります。夜景が綺麗な街は世界中に多々あれど、これだけまるで別世界の雰囲気を醸し出す夜を持つ街はなかなかないでしょう。

昼も夜も、それぞれの雰囲気で歴史情緒をたっぷり感じられるサナアの街。残念ながら現在は管理面の問題から世界危機遺産に指定されてしまっています。この美しい景観を、いつまでも守っていきたいものですね。