ケアンズにある世界遺産！熱帯雨林「キュランダ」の完璧ガイド

キュランダとは、ケアンズの北西約25Km、車で約30～40分の場所にある、ケアンズ郊外の代表的な観光地。海のグレートバリアリーフと並び、山のキュランダとして人気を集めている世界遺産の熱帯雨林です。元々は、切り出した木材を運ぶ拠点として栄えていましたが、徐々にヒッピーやアーティストが集まり、生計を立てるために自分たちの作品を売り始め、現在のような観光名所として成長。名前の由来は、アボリジニの言葉で「静かな森のある村」という意味があり、昼間は観光客で賑わうが、夜になると静かになり、まったく違う顔を見せてくれます。

ケアンズ駅とキュランダ駅間を結ぶ観光列車。片道約2時間をかけ、バロン渓谷国立公園内を通過し、バロン滝付近では眺望のために一時停車するので、写真撮影のために外に出ることも可能。英語の音声ガイド付きで、車窓から滝や観光スポットを眺めながら列車の旅を味わえます。

キュランダ村は、端から端まで15分程度の小さな村ではありますが、見所は満載。村の至るところにはオブジェがあり、ベンチや標識などもかわいく、凝った作りとなっているので、見ているだけでも楽しめます。道路脇には巨大な木が立ち並ぶなど、不思議な雰囲気。村内にいくつかの施設があるのでご紹介します。

コアラ・ガーデンでは、オーストラリアの野生動物を間近で見ることができます。ここで見られる動物は、コアラだけでなく、ワニ、カンガルー、ワラビー、ヘビ、ウォンバット、トカゲなどなど。オーストラリアでコアラを抱っこできる場所は限られていますが、コアラを抱っこして記念撮影をすることもできます。動物園に行く時間がない人にもおすすめ。

バードワールドは、世界中から集めた珍しく美しいたくさんの鳥たちが自然に近い状態で飼育されている鳥園。園内はそれぞれの生態に近い環境を再現し、手から餌を食べたり、肩に乗ったりする鳥たちと写真撮影も楽しめます。絶滅危惧種のカンワリ（ヒクイドリ）や色とりどりのロリキート、コンゴウインコなどを見ることができます。

バタフライ・サンクチュアリーはオーストラリア最大の蝶の施設です。1987年にオープンし、これまでに100万人以上の人が訪れ、見るものの目を楽しませてきました。熱帯雨林の固有種である、ケアンズトリバネアゲハやユリシス（オオルリアゲハ）を簡単に見ることができるのも大きな魅力。このユリシスは鮮やかな青色が宝石のような輝きを放ち、その姿を見ると幸せになれるという伝説があります。

レインフォレスト・ネイチャーパークはキュランダ村からシャトルバスで約5分。パーク内では、水陸両用車のアーミーダックに乗って熱帯雨林を探検したり、先住民であるアボリジニの文化体験、パマギリ族の伝統的なダンスショーなどを楽しむことができます。園内には動物園や果樹園もあり、飼育係のガイド付きツアーなども開催されています。エントランスからレセプションまでの間はギフトショップになっているため、オリジナルグッズやオーストラリアならではのお土産を購入することも可能。また、カルチャーセンターでは、パマギリ族お手製の美しいアボリジナルアートが描かれたディジュリドゥやブーメランが販売されています。

小さいながらいろんな見所がぎゅぎゅっと凝縮された村。そんなキュランダ村にはかわいいカフェや飲食店もたくさんあります。通り沿いを歩きながら、お気に入りのお店を探してみると、楽しみが広がるかもしれません。そんなキュランダ村でおすすめのお店を紹介します。

メインストリートにある、その名のとおり屋根の上で回っている大きな風車が目印のお店。メニューも豊富で、軽食がメインですが、大きなドーナッツや、100%オーストラリアンアイスクリーム、サンドイッチやサラダ、ケーキなどが揃います。オーストラリアでアイスコーヒーといえばミルクたっぷり、アイスクリームやホイップクリームなどが入っているのが特徴ですが、ここでは日本式の甘くないコーヒーを飲むことができます。

陽気なオーナーのクリスさんが営む赤い屋根が目印のアイスクリーム屋さん。アイスクリームはすべて奥様ベティーさんの手づくり。ケアンズ周辺で採れたトロピカルフルーツをふんだんに使用し、レモンやストロベリーなど、フレーバーの種類は全28種類。行列ができるほどの人気店で、一番人気はマンゴーアイス。日本語メニューもあるのでオーダーも安心です。

スカイレールは、熱帯雨林の上空を滑るように進む、6人乗りのゴンドラです。所要時間は、片道約1時間半、往復で約2時間半。雄大な景色を楽しみながら、7.5Kmの空の旅を満喫することができます。ダイヤモンド・ビューと呼ばれるガラス底のゴンドラもあるので、熱帯雨林や珊瑚礁の海のパノラマビューだけでなく、木々のてっぺんを真下に見ることも可能。この特別ゴンドラは5人乗りで、約7分毎に駅を出発しています。途中にあるレッドピーク駅とバロンフォールズ駅には、ボードウォーク、見晴らし台、熱帯雨林館などがあり、一日中楽しめるアトラクションがいっぱい。大型アトラクションとして数々の賞を受賞したスカイレールは、エコツーリズムの先駆けとして広く認められています。

キュランダには世界的に有名な2つのマーケットがあります。アボリジニの工芸品、手づくりの革製品、ジュエリーなど、幅広い品揃えも魅力。また、路上では大道芸人によるエンターテイメントを楽しむこともできます。アボリジニの奏でる、ユーカリの木から作られた金管楽器のディジュリドゥの音色を聞きながら、新進気鋭のアーティストの作品を眺めることができる不思議な空間へトリップ。お土産の購入にも最適です。

ヘリテージマーケットでは、地元アーティストたちによる工芸品や民芸品、自家製のはちみつや無農薬のコーヒー豆などが販売されています。マーケット内にはコアラ・ガーデン、バードワールド、バタフライ・サンクチュアリーなどがあり、大勢の観光客で賑わいます。幸せの青い蝶「ユリシス」のグッズも売られているので、滞在中に見られなかった人はお土産に購入してみてはいかがでしょう。マーケット全体が屋根で覆われているので、雨が降っても安心です。

オリジナルマーケットは、地元のヒッピーやアーティストの手によって1978年に誕生しました。当時のキュランダは、現在のような観光地ではなく、地元民が材木を運び出すための列車の支払などのために作品を売り始めたことから、現在のようなマーケットへと発展。彼らの個性やライフスタイルがマーケットの独特な雰囲気を作り上げてきました。民芸品や工芸品はもちろんのこと、日本のお茶屋さんや和菓子屋さんなども出店。マーケットの入り口近くにはハニーハウスがあり、本物の蜂の巣を見ることができます。

大自然の中にポツンとある世界的に有名な観光地「キュランダ」。地元民の生活のために始まったマーケットの歴史などを知ると、感慨深くなりませんか？ケアンズから日帰りでの旅行も可能。ツアーもたくさんあるので是非足を延ばしてみてはいかがでしょう。