京都の南方、かつては都の有力貴族達の別荘が数多く存在していた平安時代のプチリゾート「宇治」。自然豊かなこの地は『源氏物語』の主人公光源氏亡き後を描いた『宇治十帖』の重要な舞台にもなっている。『源氏』の題材となった観光スポットを辿り、華やかな平安浪漫の世界に誘われてみては?
極楽浄土をイメージした平等院は、リアル光源氏の別荘の跡地!?
修復を終え、朱塗りの外観も鮮やかな世界遺産、平等院鳳凰堂。寺院建立以前、この地には光源氏のモデル、源融の別荘、宇治院が存在していた。
『源氏』の中でも、光源氏の息子が父から相続した宇治の別荘が登場する。周囲の景観は変わっても、遠方を振り仰げば千年前と変わらぬ山並みが広がる。
平等院
- 住所:
- 京都府宇治市宇治蓮華116
- 営業時間:
- 午前8:30~午後5:30 ※受付終了 午後5:15
- 平等院ミュージアム鳳翔館:
- 午前9:00~ 午後5:00※受付終了午後4:45
- 電話番号:
- 0774-21-2861
- アクセス:
- JR奈良線宇治駅より東へ徒歩10分、京阪電鉄宇治線京阪宇治駅より徒歩10分
- 定休日:
- 年中無休
- 拝観料:
- 大人600円 中学生400円 小学生300円
- 駐車場(南門前):
- 普通車1日700円
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『宇治十帖』にも登場する橘島と宇治川の東岸にかかる朝霧橋
宇治川に浮かぶ小島、橘島と東岸を結ぶのは、朱色の欄干が目に鮮やかな朝霧橋。
東詰の橋のたもとには『宇治十帖』のヒロイン浮舟と彼女に思いを寄せる匂宮が寄り添うモニュメントが。数奇な運命に翻弄された古の恋人達に思いを馳せつつ、川のせせらぎに耳を傾けてみよう。
朝霧橋
- 住所:
- 京都府宇治市宇治又振
- アクセス:
- JR宇治駅より徒歩約13分, 京阪宇治駅より徒歩約6分
宇治神社の御祭神「菟道稚郎子」は光源氏の異母弟八の宮のモデル!?
明治維新以前は、隣接する宇治上神社と二社一対だったという、宇治神社。御祭神の菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)は、光源氏の弟で浮舟の父親、八宮のモデルとなった人物。彼がこの地に居を定めた際に道案内をしたという可愛らしい神の使い「見返りウサギ」の像が、境内のあちらこちらに見られる。
宇治神社
- 住所:
- 京都府宇治市宇治山田1
- 電話番号:
- 0774-21-3041
- アクセス:
- 京阪宇治線 宇治駅より徒歩5分、JR奈良線 宇治駅より徒歩10分
- 定休日:
- 年中無休
- 拝観料:
- 無料(境内参拝自由)
もう一つの世界遺産「宇治上神社」周辺は八宮の山荘所在地!?
平等院とともに世界遺産に登録されている宇治上神社は、宇治神社の東奥に鎮座する。
かつてこの周辺には、八宮の山荘のモデルとなった菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の邸宅があった。本殿は現存する最古の神社建築といわれている。
宇治上神社
- 住所:
- 京都府宇治市宇治山田京都府宇治市宇治山田59
- 営業時間:
- 午前8時~午後5時頃
- 電話番号:
- 0774-21-4634
- アクセス:
- JR奈良線 宇治駅より徒歩20分、京阪宇治線 宇治駅より徒歩10分
- 定休日:
- 年中無休
- 拝観料:
- 無料
古典が苦手でもOK!平安絵巻が体験できる源氏物語ミュージアム
平安貴族の邸宅、寝殿造を現代風にアレンジした建物が印象的な源氏物語ミュージアム。『源氏』の知識がなくても、きらびやかな展示物は、十分、目を楽しませてくれる。宇治に残る数々の史跡を散策した後は、実際に当時の貴族文化に触れてみるのも一興。
源氏物語ミュージアム
- 住所:
- 京都府宇治市宇治東内45-26
- 営業時間:
- 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 電話番号:
- 0774-39-9300
- アクセス:
- 京阪宇治線 宇治駅より徒歩5分、JR奈良線 宇治駅より徒歩15分
- 休館日:
- 月曜日(祝日の場合は翌日)年末年始
- 入館料:
- 大人500円 小人(小中学生)250円
- 有料駐車場:
- 30分100円 乗用車15台
三室戸寺は、三角関係に悩んだ『宇治十帖』のヒロイン、浮舟が出家した山寺のモデル。源氏物語恋おみくじで、あなたの恋愛運を試してみては?
春の桜、初夏のつつじ、梅雨にはアジサイ、夏はハス。秋の紅葉に、冬の雪景色。四季を通じて美しい自然が心を和ませてくれる花のお寺。
三室戸寺
- 住所:
- 京都府宇治市菟道滋賀谷21
- 拝観時間:
- 午前8:30〜午後4:00(11月1日〜 3月31日、4月1日〜10月31日は午後4:30まで)※拝観受付は閉門時間の30分前迄
- アクセス:
- 京阪宇治線三室戸駅より徒歩約15分、京阪宇治線宇治駅より徒歩約20分、JR奈良線宇治駅より徒歩約20分
- 定休日:
- 年末(12月29日~31日)
- 拝観料:
- 大人500円、小人300円
- 駐車場:
- 500円、乗用車300台
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異国情緒漂う黄檗宗の総本山萬福寺へ足を伸ばしてみよう
インゲン豆の由来である中国の高僧、隠元禅師により、1661年に開かれた黄檗宗大本山、萬福寺はすべてが中国風。
エキゾチックな雰囲気の漂う寺院では、事前に予約すれば、普茶料理と呼ばれる中国風の精進料理が楽しめる。低カロリー高たんぱくの上、見た目にも美しい普茶料理、ぜひ、一度ご賞味あれ!!
萬福寺
- 住所:
- 京都府宇治市五ケ庄三番割34
- 営業時間:
- 午前9時~午後5時(入山受付は午後4時半まで)
- 電話番号:
- 0774-32-3900
- アクセス:
- JR奈良線 黄檗駅より徒歩5分、京阪宇治線 黄檗駅より徒歩5分
- 定休日:
- 年中無休
- 拝観料:
- 大人500円、小人(小中学生)300円
- 有料駐車場:
- 90分500円、その後30分毎に200円
良質の茶葉の生産地としても知られる京都宇治。それを象徴するように、街中には至る所に抹茶を使ったご当地名物の店が軒を連ねる。散策に疲れたら、おいしい宇治の水で点てられたお抹茶で一服しながら、今一度、平安ロマンに思いを馳せてみることをお勧めしたい。