バングラデシュ基本情報 【交通手段編】

実はバングラデシュは豊富な天然ガス資源に恵まれた国です。CNG（Compressed Natural Gas）自動車は石油ではなく、天然ガスで走ります。タイのトゥクトゥクのような姿の乗り物です。街中でよく見かけ、小回りがきくので交通手段として便利です。ただし、窓ガラスなどはなく吹きさらしの状態なので、現地のほこりまみれの空気をじかに浴びることになります。喉が弱い方はお気をつけ下さい。

バングラデシュの生活の足です。とにかく極彩色に彩られた様子が目を引きます。その名の通り、ネーミングは日本語由来です。街中をひしめくように走っています。短い距離の移動や、観光目的で乗車してみたいですね。ただ、場所によってはリキシャが通れる道路に制限があり、遠回りを強いられる場合があります。

バスは路線図があまり整備されておらず、慣れていなと煩雑すぎてわかりづらいため、短期の観光旅行者にはあまりおすすめできません。都市部のわかりやすい路線に乗るくらいがよいかもしれません。一部のバスには、女性専用席が設けられている場合があります。トラブル防止のためにも、女性はこちらを利用したほうがよいと思われます。

もともと、大変混雑するバスですが、乗車前に運賃を支払うなど乗り込むまでに時間がかかり、混雑により拍車がかかっていました。
そんな状況がもしかすると改善するかもしれません。日本の「suica」の技術がバングラデシュの路線バスの一部に導入されました。ICカードにより効率よくバスに乗れるようになったと、市民からは好評のようです。

ダッカ市内でもタクシーは数自体が少なく、街中で見かけることはほとんどありませんが、空港の前にはたくさんのタクシー運転手がたむろしています。空港内にはタクシーをあっせんしてくれるブースがあり、そこで料金をあらかじめ前払いすることできるので、料金トラブルを未然に防ぐためにもこちらを利用したほうがよいでしょう。

タクシーには黄色の他に黒色や青色の車体があります。多少、高くつくかもしれませんが、黄色のタクシーの方がエアコンも付いていて快適です。車のメンテナンス状態も比較的良いようです。やはり旅先ではお金を少し多く払ってでも、安全な方を選択した方がよいでしょう。

電車は市民の通勤の足です。車内は常にぎゅうぎゅう詰めというほどではないようですが、混雑を覚悟して乗りましょう。バングラデシュに観光で訪れる旅行者は数が少ないので、現地の人に物珍しく思われるようです。席を譲ってくれたり、いろいろと根掘り葉掘り聞かれることがあるので、コミュニケーションを楽しむにはよいかもしれません。

電車が人で埋め尽くされ、もはや車体が確認できないような極限状態に陥るのが、断食（ラマダン）明けに人々が帰省するイード休暇と言われる時期です。屋根に乗っている人たちはやはり無賃乗車のようです。

バングラデシュでは、断食明けの休暇といった特別に混雑する時期以外でも、料金を浮かすため屋根の上に乗ったり、速度が落ちた時を見計らって電車に飛び乗ったりする人などが後を絶ちません。もちろん危険極まりない行為なので絶対にマネしてはいけません。

バングラデシュで気軽に利用できるCNG、リキシャ、タクシーの値段は基本、交渉制です。運転手からみると観光客、特に日本人はかっこうのぼったくり対象のようです。ぼったくりの被害にあわないためには以下の点に注意しましょう。

①バングラデシュ事情に詳しい人や、現地の人に知り合いがいたら事前に適正価格について教えてもらう

②乗車する前にあらかじめ価格交渉を先に済ませる

③目的地に着いた後に、先に交渉した金額以上の額を請求されても毅然として無視する

以前は「アジア最貧国」と呼ばれたバングラデシュ。やはり一歩、街中に足を踏み入れると雑然していて非衛生的な面や空気の悪さは否めません。しかし、バングラデシュには目をみはる熱い人間のパワーが満ちあふれています。

首都・ダッカの「旧市街（オールドダッカ）」には、イギリス統治時代の建物が残り、異国情緒ある街並みです。細い路地が続き、ヘビ使いの老人などに出くわし、まるで不思議な迷宮に迷い込んだような高揚感が体験できます。発展を続けるバングラデシュのアジアパワーをその目で見てみませんか！