山代温泉の観光スポット5選!加賀百万石の伝統文化が今も生きる北陸の名湯!

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石川県最大の温泉街の一つ、山代温泉は1300年以上の歴史を持つ北陸の古湯。加賀藩のお膝元で、九谷焼のふるさととしても有名です。過去には多くの文化人や著名人が湯治に訪れていたのだとか。今回は山代の共同温泉を中心に街並みが形成されている温泉街の散策スポットをご紹介します。

加賀山代温泉 古総湯

出典: www.jalan.net

「古総湯」を中心に温泉街が作られ、ここは「湯の曲輪(がわ)」と呼ばれています。山代温泉街に古くからある共同浴場で街のシンボル的存在。
明治時代の総湯を復元、漆塗りの天井やステンドグラスの壁、浴室の床や壁の九谷焼のタイルも当時のまま復元されています。

晴れた日にはステンドグラスの光が湯船に映り込んでとってもきれい!2階の休憩室の壁にもステンドグラスが。こちらは昔ながらの「湯あみ」を楽しむ施設で、石けんやシャンプーの使用ができませんのでご注意を。

さて、聞きなれない北陸地方の言葉がたくさん登場しましたが、皆さまわかりましたでしょうか?「総湯」とは「共同浴場」のことで、加賀の山代温泉には2つの共同浴場があるため、こちらを「古総湯」といい、もう一方(後程詳しくご紹介します)を「総湯」と呼んで区別しています。

「湯の曲輪」とは、この「総湯」を中心とした街並みのことを指す北陸地方の言葉。中でも山代温泉の湯の曲輪は、日本中のどの温泉よりも原風景がはっきりと残されていることから、毎年多くの人が足を運ぶ人気スポットとなっております。毎年秋には古総湯の復興を記念して、昔ながらの衣装に身を包んだ人たちが周辺を練り歩くイベント「湯の曲輪浪漫」も開催されています。是非タイミングが合えばイベントに合わせて足を運んでみてはいかがでしょうか?

加賀山代温泉 古総湯
住所:
石川県加賀市山代温泉18の128番地
営業時間:
06:00~22:00
電話番号:
0761-76-0144
アクセス:
JR加賀温泉駅よりバスで約12分(加賀温泉バス 温泉山中線)「山代温泉」バス停より徒歩で約3分
休業日:
各月の第4水曜6:00〜12:00まで(正午から通常営業)
料金:
大人500円 中人200円(6歳以上12歳未満) 小人100円(3歳以上6歳未満)3歳未満無料

加賀山代温泉 総湯

出典: www.jalan.net

こちらはもう一つの共同浴場の「総湯」。湯の曲輪に面していた旧吉野家旅館の跡地に建てられ、赤瓦と板張りの外観が街の雰囲気になじんでいます。源泉100%のお湯でこちらはシャワー付き。浴室の壁には九谷焼のタイルが貼られ、足元は地元産の石張り。大きな天窓が明るく開放的です。

こちらでのおすすめは「温玉ソフト」。ソフトクリームの上に温玉がトッピングされ、その上に醤油がかけられていて、スプーンでかき混ぜていただきます。ぜひ味わってみてください!

古総湯ではシャンプーや石鹸などの利用は禁止されていますが、総湯は利用可能!整備された施設は、温泉に普段あまり行かない方やファミリーでも気軽に利用することが出来ると思います。

温玉ソフトはぎょっとするような見た目ですが、湯上りに食べるとひんやりとしたソフトクリームの甘さが体じゅうに染みわたり、温泉玉子のパワーで一気にパワーがみなぎりますよ!風呂あがりの牛乳代わりに食べる人も多いそうです。

温泉玉子は山代温泉の名物の一つで、なんと8時間もかけて作られております。醤油もソフトクリーム専用の物を開発する気合いの入れよう。抹茶バージョンもありますので、お腹に余裕のある方は是非食べ比べてみてはいかがでしょうか?!

加賀山代温泉 総湯
住所:
石川県加賀市山代温泉万松園通2番地1
営業時間:
06:00~22:00
電話番号:
0761-76-0144
アクセス:
JR加賀温泉よりバスで12分(加賀温泉バス 温泉山中線) 「山代温泉」バス停より徒歩で約3分
休業日:
各月の第4水曜6:00〜12:00まで(正午から通常営業)
料金:
大人440円 中人130円(6歳以上12歳未満)小人50円(3歳以上6歳未満)3歳未満無料

魯山人寓居跡 いろは草庵

明治初期に建てられ、北大路魯山人が半年ほど滞在していた吉野屋旅館の別荘。彼はここで看板彫刻の仕事をする傍ら、陶芸にも興味を持ち、自ら窯で食器を焼くようになっていきます。また美食家としても有名な魯山人はここで北陸の珍味も大いに味わったのだそう。

ここでの滞在がその後の彼に多大な影響を与え、その後もたびたびここを訪れていたのだそう。
こちらでは彼の仕事場や書斎、囲炉裏の間や茶室の見学が可能。また、土蔵を改造した展示室には彼の作品などが展示されています。

当時「福田大観」と名乗っていた彼がここに住んでいたのは大正4年からたった半年間でした。しかし、短い年月の間に過ごした彼の濃密な時間は、施設内の随所に感じることができます。2002年から一般公開されるようになった施設の為「石川や加賀はご無沙汰!」というご家族と一緒に親子2世代、3世代で足を運ぶ方も多いそう。

特に魯山人は加賀滞在時代に食器と美食に対する見識を深めていったと言われている為、彼の、画家・陶芸家・書道家・漆芸家・料理家・美食家などの多岐にわたる活動の中で陶芸家・料理家・美食家としての側面に魅力を感じている方にはたまらない展示の数々を観ることが出来ると思います。

魯山人寓居跡 いろは草庵
住所:
石川県加賀市山代温泉18の5
営業時間:
09:00~17:00
電話番号:
0761-77-7111
アクセス:
JR加賀温泉駅より車で約10分 
休業日:
水曜日(祝日は開館)
入場料:
一般500円 75歳以上250円 高校生以下および障害者の方無料

はづちを楽堂

名前の由来になった「はづちを」は地元の服部神社に祀られている機織りの神様「アメノハヂチヲノミコト」から。文化や芸能を楽しめる楽堂も併設していることからはづちを楽堂という名が付けられたのだそう。

こちらは3つの施設から作られており、イベントスペースの「寿座」、九谷焼の器で食事やスイーツがいただける「はづちを茶店」。「丹塗り屋」は九谷焼や山中漆器、生活雑貨や加賀の食べ物を販売、お土産探しにおすすめですよ。


「はづちを茶店」でも、温玉ソフトに負けないくらい濃厚な、地元「平松牧場」産の牛乳をたっぷり使ったソフトクリームを食べることができ、多くの人が暑い日はもちろん、真冬の寒い時期にも休憩がてら美味しそうに食べています。
ハーフサイズもあるので、お腹がいっぱいの方も是非お見逃しなく!名物「野菜カレー」などのしっかりとした食事も食べられますし、外で魚のエサやりが出来たり体験教室も充実している為、温泉につかるだけでは飽きてしまう男性やお子様にも満足度も高い施設となっております。
楽堂で行われるイベントは、公式ホームページの「お知らせ・新着情報」のコーナーに掲載されていますので、お立ち寄りになる方は是非事前にチェックすることをお忘れなく!

はづちを楽堂
住所:
石川県加賀市山代温泉18-59番地1
営業時間:
09:30~18:00
電話番号:
0761-77-8270
営業時間:
9:30~18:00(イベント開催時には19:00~22:00まで営業あり)
アクセス:
JR加賀温泉駅よりバスで10分(加賀温泉バス 温泉山中線)「山代温泉」バス停より徒歩で約3分
休業日:
毎週水曜日(祝日の場合は営業)

GALLERY&BISTRO べんがらや

散策の一休みにおすすめの、紅殻格子と白いのれんが特徴の和モダンな雰囲気のお店。
加賀伝統の九谷焼や山中漆器を中心に展示販売しているギャラリーは、不定期で作品展などのイベントも。

カフェスペースでは石川で獲れる新鮮な海の幸と山の幸が味わえ、地元のお米で炊いた「おひつ膳」や「温泉丼」が評判。自家焙煎のコーヒーをはじめ、加賀で摘んだ茶葉で作った紅茶や昭和天皇に献上した棒茶、冷たい飲み物やスイーツも充実、盛られた器と共にお楽しみください。

味わい深いオリジナルの加賀コーヒーや、昭和天皇へ献上した加賀の棒茶はお土産として購入する方も多いのだとか。「加賀棒茶」とは、加賀市きっての名物のひとつで番茶(ほうじ茶)の一種です。江戸時代の初期より人々に愛されており、べんがらや以外にも街の至る所で棒茶の看板やお土産物を目にすることでしょう。
普通の番茶に比べて渋みが少なく、香ばしい香りがとても高貴な気分にさせてくれるとっておきの一品です。是非ご賞味ください。
また、最近では加賀市ご当地グルメ推進協議会が中心となって商品開発に取り組んでいる「加賀パフェ」も見逃せません。加賀パフェとは「加賀の旬の野菜を使う」というルールのもと季節に合わせて提供されるもので、現在市内数店舗で頂くことが出来ますが、べんがらやの物は特においしいと評判です。

GALLERY&BISTRO べんがらや
住所:
石川県加賀市山代温泉温泉通り59
営業時間:
10:00~17:30
電話番号:
0761-76-4393
アクセス:
JR加賀温泉駅より車で約15分
休日:
水曜日(祝日の場合は翌日)

九谷美陶園

九谷美陶園は、金沢の伝統工芸九谷焼を扱うお店です。九谷焼とは、石川県南部地域で昔から焼かれている焼き物のこと。江戸時代、加賀藩の支配地域だった金沢は藩主の「茶道」の影響で庶民まで茶道文化が盛んでした。

古九谷は、山代地域から20キロほど離れた九谷村(前田百万石の支藩だった大聖寺藩)現在の加賀市大聖寺の初代藩主利治が全長34mの窯を築かせ作り始めたもの。江戸時代の前期に焼かれた焼き物は「古九谷」といわれ、一時期窯元が断絶しました。

加賀百万石の前田家は、中国の景徳鎮製の色絵五彩「万暦赤絵」等の色絵磁器がお好みだったこともあり有田焼きの有名な鍋島藩などとも交流が有りました。加賀藩の金山(九谷村)で、陶石が取れることが判明して、縁のあった有田焼きの肥前様式を伝える窯が築かれたのです。

この窯で作られた古九谷は色絵のものと、青手の画法があります。色絵は、白地に紺や黄色、緑、紫、赤などで柄が描いたものです。青手は、素地を塗り埋めて赤以外の3色から4色で模様を描くもので、焼き物の形や柄(意匠)は様々です。古九谷は、保護した前田藩の派手好みらしい重厚で華麗な絵付がされています。

古九谷は、約50年間ほど生産されましたがその後断絶しました。江戸時代後期断絶から百年ほど後に、再び復興し再興九谷からさらに現代の九谷へと受け継がれています。

現在では、鑑賞用や茶道用などの美術品としてのものだけでなく、毎日の食卓で使える器も焼かれています。九谷美陶園には、約300種類の器が並び卸、小売をしています。高級な記念品としてや、結婚式などの引き出物、法要の進物などとしても活躍。皇族が購入した金襴手等や古九谷、中国の明時代の古染付の焼き物や古赤絵など、魯山人の写しなども扱っています。

九谷美陶園
住所:
石川県加賀市山代温泉16-71
電話番号:
0761-76-0227
営業時間:
9:00~17:00
定休日:
年末年始
アクセス:
小松空港よりタクシーで30分
加賀温泉駅よりタクシーで10分

山代温泉総湯

山代温泉総湯は、古くから多くの文化人に愛されてきた共同浴場です。一旦廃れてしまった九谷焼が再興された場所がここ山代温泉でした。

山代温泉総湯の浴場の壁には、九谷焼作家たちによる手描きタイルが貼られています。また足元の床は地元産の石張りになっていて、濡れても滑りにくく安心できます。山代温泉総湯は、赤瓦に板張りの外壁と特徴的。浴室には大きな天窓があり浴室全体が明るく開放感があります。焼き物に精通していた魯山人ゆかりの旧吉野屋旅館の門をくぐり、その先の休憩コーナーは広々したスペースが取られています。温泉たまごや、湯上がりに湯たまソフトクリームはいかがでしょう。

山代温泉では、古くからの歴史的な温泉街の町並み賑わいを創出するため2つの共同浴場が整備されました。山代温泉総湯は、かつて湯の曲輪に面した「旧吉野屋旅館」の跡地に建てられています。多くの文化人が逗留した老舗旅館「旧吉野屋旅館」の門を活用し町並みの景観を再現しています。

山代温泉総湯のお湯は、源泉100%で加水せず混じりっ気なし。贅沢な源泉かけ流しでろ過循環を併用しています。地元の人が利用する共同浴場で、温泉にゆっくりつかりながら地元の人たちと交流してみましょう。山代温泉には「総湯」と「古総湯」の2つの公衆浴場があります。総湯のほうが広く新しい施設です。古総湯は、明治時代にあった総湯を外観や内装だけでなく復元しています。当時の「湯あみ」という温泉に浸かるだけの簡単な施設で、入浴方法も当時のままの体験ができます。新しい設備の広い総湯と昔のままの古総湯の両方とも山代温泉の地元の湯が体験できるおすすめスポットです。

山代温泉総湯
住所:
石川県加賀市山代温泉万松園通2-1
電話番号:
0761-76-0144
営業時間:
6:00~22:00 第4水曜日は12:00~22:00まで営業
定休日:
第4水曜日の午前中休み
アクセス:
(1)北陸自動車道加賀ICから車で12分
「いろは草庵・総湯」駐車場から徒歩で2分
(2)JR加賀温泉からバスで13分(加賀温泉バス 温泉山中線)
「山代温泉」バス停から徒歩で3分

九谷焼窯跡展示館

九谷焼窯跡展示館は、江戸時代前期に作られた古九谷のような色絵磁器を復活させようと尽力した窯の跡地にあります。古九谷の復活に尽力したのは大聖寺の豪商豊田伝右衛門という人物。九谷焼きが断絶した江戸時代の後期に吉田屋窯を築きました。その史跡は、国指定史跡に登録され発掘された状態のまま公開されています。

施設内には昭和年に入ってから復活させた九谷焼の窯、現存する最古の登り窯と明治30年代に窯元の工房をして建てられた施設を展示棟として利用しています。この登り窯と展示棟の九谷焼窯元の工房はともに、加賀市指定文化財に登録されています。九谷焼の蔵元が当時代々住居兼工房として使っていた古民家の展示棟内には、年に4回開催される九谷古陶磁の数々を紹介する企画展や、体験教室で絵付体験や蹴ロクロ体験ができます。

九谷村から移され山代に建てられた登り窯。再興九谷の登り窯として、長きにわたり現役で活躍し、修理やメンテナンスを繰り返しながら使われていました。昭和15年に作られ、昭和40年頃まで焼かれていました。九谷焼としては現存最古の登り窯と言われています。本焼の窯としては規模は大きくありません。一回で焼く焼き物の数は、約1000個と言われています。

九谷磁器窯跡は、登り窯の底面の遺跡です。登り窯は、再興九谷江沼諸窯の平均的な様式といわれていて昭和15年〜40年まで実際に多くの九谷焼の焼き物を焼いていました。遺跡を外気にさらされないように保護しているシェルターは、建築家内藤廣氏の作品です。本焼窯写真や山代九谷焼磁器焼成窯、窯道具類も展示されています。

九谷焼窯跡展示館
住所:
石川県加賀市山代温泉19-101-9
電話番号:
0761-77-0020
営業時間:
9:00~17:00(入館受付は16:30まで)
定休日:
火曜日(祝日の場合 営業)年末年始 12月31日~1月1日
アクセス:
(1)北陸自動車道加賀ICから約15分。
(2)JR加賀温泉駅から加賀温泉バス温泉山中線で約10分「山代東口」バス停下車、徒歩約5分。
(3)九谷焼窯跡展示館バス停下車、徒歩約2分。
料金:
大人/310円、 高校生以下無料。 75歳以上150円 20名以上260円 障がいのある方は手帳呈示で無料(基本本人のみ。要介護の場合は付添1名も無料)
駐車場:
有 (乗用車30台、大型バス3台)

薬王院温泉寺

薬王院温泉寺は、白山五院の一つです。山代温泉は今から1300年以上前に、聖武天皇の時代当時を代表する仏教僧の一人行基が、白山登錫の途上で霊鳥の指授を得て温泉を発見したと伝えられています。

薬王院温泉寺には、平安時代初期の木造十一面観世音菩薩像や鎌倉時代の不動明王像が所蔵されています。境内の背後にある高台には、国の重要文化財に指定されている中興の祖明覚上人の供養塔が建っています。

中興の祖とされる明覚上人という人は1040年(長久元年)に享年51歳で入寂。五輪塔は、南北朝時代に製作されたもので高さ188cmと立派なもの。1942年に国重要美術品、1957年に国指定重要文化財に指定されています。

文化的な遺産としても有数の品を所蔵している山薬王院温泉寺は、石川県加賀市山代温泉4区に境内を構える真言宗智山派の寺院です。行基が山代温泉を発見したとき、守護する目的で白山大権現を勧請し薬王院として知られる薬師如来などを彫像し安置したのが始まりと伝えられています。

薬王院温泉寺は先に紹介した平安時代に制作された欅材、一木造りの木造十一面観音立像は石川県指定文化財に指定されている他、大聖寺藩三代藩主利直の弟利昌の持仏だったといわれる、鎌倉時代に作られた木造薬師如来像や日光・月光菩薩 十二神将像・厨子、木造僧形八幡神像、木造十一面観音立像(=白山妙理大権現像) 、木造地蔵菩薩立像、木造大黒天立像、木造不動明王座像といった仏像が圧巻です。

また仏像以外にも所蔵されている高泉筆の漢詩や、1852年に小嶋春晁作とされる紙本著色温泉寺縁起図は加賀市指定文化財に指定され歴史的価値のある文献として大切に保管されています。

薬王院温泉寺
住所:
石川県加賀市山代温泉18-40甲
電話番号:
0761-76-1155
定休日:
年中無休
アクセス:
(1)JR加賀温泉駅からバスで13分(加賀温泉バス 温泉山中線) 「山代温泉」バス停から徒歩で4分
(2)北陸自動車道加賀ICから車で11分 「いろは草庵・総湯」駐車場から徒歩で2分

九谷焼体験ギャラリーCoCo

山代温泉九谷焼ギャラリーCoCoは、九谷焼と観光のアンテナショップ。九谷焼絵付けの体験もできます。地元の九谷焼の若手の陶工の作品展示や即売、上絵付け体験教室もしています。ご当地アイドルゆるキャラのすぱクロくんの絵柄を絵付けした九谷焼も用意されています。ご当地キャラのマニアやファン、コレクターにとってはオリジナルのレアなお土産になりますね。

また絵付けしたマイ器は旅の思い出にも。伝統的な古九谷焼きの意匠を模したり、九谷焼の特徴を出したり、家にある食器に合わせてモダンに絵付けをアレンジするもOK。絵心がある腕自慢の方なら熱が入って時間を忘れてしまうほど有意義な時を過ごせます。孫の絵付けした器を記念にしたり、祖父母にプレゼントしても喜ばれそうですね。

体験用の材料は、九谷焼で成型された無地のカップや茶碗や皿。金明窯の九谷焼作家の池島直人さんが直々に手ほどきしてもらえます。九谷焼の本格的な上絵付けが楽しめ、地元の職人の焼いた器をお土産に購入することもできる九谷焼の街、山代温泉ならではのスポットです。

石川県では、県をあげて石川の伝統工芸品の匠の技を活かして発展させようという未来工芸プロジェクトがあります。ここ九谷焼体験ギャラリーCoCoはその工芸プロジェクトの窓口的な役割も果たしていて、ともに伝統工芸の九谷焼と山中漆という異技のコラボレーションの作品も世に出しています。新たな工芸品として、九谷焼と山中塗の技術を結集した印鑑や新たな発想で出来上がった九谷焼の表札などのオーダーもできます。

九谷焼体験ギャラリーCoCo
住所:
石川県加賀市山代温泉18-115甲1
電話番号:
0761-75-7116
営業時間:
9:30~17:30(絵付け体験受付は16:30まで)
定休日:
木曜日
アクセス:
JR北陸本線加賀温泉駅から加賀温泉バス山中温泉行きで15分、山代温泉下車、徒歩3分
料金:
絵付け体験=1500円~/

魯山人寓居跡 いろは草庵

魯山人寓居跡 いろは草庵は、魯山人がこよなく愛した山代の別荘でした。魯山人はこの地で、湯の曲輪(ゆのがわ)の老舗旅館の看板を彫ったり、現在でも残されている作陶や食通として名高くなった料理の手ほどきを受けたと言われています。また大正時代の文化が華やいだ時期、山代の旦那衆が別荘に滞在中の魯山人を訪ね、魯山人と書や美術、骨董などについて語らう文化サロンとなっていました。

魯山人は1883(明治16)年3月23日に、京都の上賀茂神社の社家、北大路清操と妻の登女の次男として誕生しています。幼名は房次郎といい、生まれてすぐ実の親元から里子に出されました。最初に出された里親の元から、その後次々と養家が変わるという不遇な幼少時代を過ごすことになります。

京都に生まれた魯山人と山代の関わりは、独学で学んだ書と篆刻がきっかけです。小学校を卒業してからは、養父の福田武造の家業だった木版の仕事を手伝います。その時独学で書と篆刻を学び、一字書きの名手として名声を得るまでに上達し才能を開花させました。

さらに篆刻と書の磨きをかけるため、養家を離れ篆刻の本場朝鮮と中国に渡ります。帰国後は、福田大観と名を改めて長浜や京都などで看板を彫るなどして生計を立てていました。その頃、鯖江の豪商だった窪田朴了の紹介で金沢の漢学者で書や画に長けた細野燕台と出会います。

大観(後の魯山人)が彫った栖凰印譜帳で才能を感じ、腕前に惚れ込んだ細野燕台。主宰した煎茶会で文人仲間に紹介するのです。茶席の文人仲間は、山代温泉の旅館、吉野屋の主人だった吉野治郎がいました。その茶席で看板を彫らせる話がトントン拍子でまとまり、山代温泉の吉野治郎が仕事部屋として自分の別荘を提供したのです。

山代温泉の別荘で「吉野屋」や同席した陶芸家の須田菁華の「須田菁華窯」の看板を彫っています。山代の料理を堪能し、旦那衆たちとの交流して半年ほど逗留しました。

魯山人寓居跡 いろは草庵
住所:
石川県加賀市山代温泉18-5
電話番号:
0761-77-7111
営業時間:
9:00~17:00 入館は16:30まで
定休日:
水曜日 ※祝日は開館
アクセス:
(1)北陸自動車道加賀ICから車で12分
「いろは草庵・総湯」駐車場から徒歩で1分
(2)JR加賀温泉駅からバスで13分(加賀温泉バス 温泉山中線)
「山代温泉」バス停から徒歩で5分
料金:
大人/500円、 高校生以下/無料 。75才以上250円 団体(20名以上)420円
駐車場:
無料(乗用車55台)

女生水

女生水は、地元の人が集う共同浴場山代温泉総湯の近くにあります。女生水は山代温泉で1300年間湧き続ける水です。山代温泉では地面を掘ると温泉は豊かに出ましたが、飲用できる水はなかなか湧き出ていない土地でした。

温泉は豊富に湧き出るので湯治客のために旅館がどんどん増えて行く中で飲用水や煮炊きの水はここから汲み出すしかありませんでした。水道の設備が整うまで、この水源の貴重な飲料水を土地の人々と湯治客の分もとなると大量に必要で運ばれていたと想像できます。

女性が誰かしら水くみに来ているので、女生水と呼ばれるようになったといわれています。現在は水道が行き渡り生活用水の水としては役目を終えていますが、地域でも名水として名高く水場の奥には小さな社がありお地蔵様が祀られています。

住民の生活用水や、温泉旅館などの下働きの女性が絶え間なく水をくみに来ていたj女生水。その水源の湧き水は、どのような干魃の天候でも枯れることがなかったと伝えられています。女生水は「上の生水」との呼ばれ、対になるように湧き出る男生水は「下の生水」とも呼ばれています。この男生水も女生水と同じように、山代温泉の貴重な飲用水として大切に使われていました。

水道のない時代は、貴重な湧き水を朝夕時間に汲み上げ制限をして半杓の水も粗末にしない生活を送っていた言われています。男生水は、男性が湧き水を竹棹付きの釣瓶で2つの桶に汲み上げ、天秤棒で担いて運んでいました。

男生水には、むしろ女生水にあってもよさそうな「夫婦相和して飲水すれば子宝に恵まれる」という言伝えがあります。こちらも名水のそばにお地蔵様が祀られています。

女生水
住所:
石川県加賀市山代温泉東山
アクセス:
JR北陸本線「加賀温泉駅」より山代温泉行きバス、山代温泉東口下車

足湯源泉公園

足湯源泉公園は、山代温泉の開湯1300年の歴史を誇る源泉「総湯」のすぐそばにあります。場所は、温泉街の中心「山代温泉浴殿」の斜め裏手。ちょうど「あらや」と「山下家」の間に位置しています。奥に銀色の大きな源泉槽があり、足湯はその手前の広めの浴槽で浸かります。宿泊客でなくても温泉街の散策や観光で疲れた有りを気軽に足湯で癒やせるスポットです。腰掛けに座って山代温泉の景色を楽しみながら、裸足になって足の疲れを癒やしましょう。

足湯で温めると、全身がホカホカしてきます。冬でも温度が高めなので、足湯の後は足が真っ赤に。地元の人は足湯に入った後の状態を「赤い靴下」をはいたようだといいます。

足湯の湯船には屋根もあるので、あいにくの悪天候で散策ができない時もここで外の空気を満喫しながら温泉を楽しめます。歴史の古い温泉街の散策ではおすすめのスポットです。

足湯の浴槽には、山代の温泉を発見したと伝承される八咫烏の像が中央に。像の下には飲用の飲湯が湧いています。この飲用のお湯は65度と熱め。冷ましてから、湧きたての源泉を飲んでみましょう。温泉の効能は、高血圧や便秘、貧血や動脈硬化に効果があるとされています。味は、含食塩芒硝石膏泉で若干苦味がありますがまろやかです。飲泉だけでという場合は、隣にある「あらや」手前にも同じ湯が流れていて飲むこともできます。

足湯源泉公園
住所:
石川県加賀市山代温泉18-121
営業時間:
6:00~22:00
交通アクセス (1)北陸道加賀ICよりR8経由、山代方面ヘ20分

はづちを楽堂

はづちを楽堂は、山代温泉にある文化や芸能を楽しむための交流や集う場所です。はづちを楽堂という名前は、1996年から山代温泉で開催されている「山代大田楽」の作者が命名しました。山代大田楽は、山代温泉を題材にした狂言で狂言師だった故野村万之丞氏(1959-2004)が作り上演されました。

はづちを楽堂では伝統文化や芸能の実演とともに、郷土の土産物や工芸品を販売するお店が入っています。山代温泉のレアな限定品や地元加賀産の食品、普段使いできる手軽な生活雑貨から加賀百万石が援助して発展した伝統工芸品まで取り扱い豊富。は地元作家の九谷焼や山中漆器など、実物を手にとってみる機会にもなります。漆器や陶芸品など目の保養にもおすすめです。

はづちを楽堂の「はづちを」の由来は、機織りの神様天羽槌雄神(アメノハヅチヲノミコト)の名前からきています。山代温泉が開湯した1300年前から歴史を見守り続けたのが、全国に唯一ここだけという服部神社。

服部神社は、機織りの神様で日本書紀に出てくる天の岩戸伝説の中で、岩戸に引きこもり中の天照大神をなんとか外へ出したい神々があれこれ努力する話があります。最終的にどんちゃん騒ぎをされて出てくるのですが、この時舞を舞ったアマノウズメノミコトが身にまとった布を織ったのが天羽槌雄神といわれる神様です。

日本は全国的に養蚕に関わる神様が祀られていますが、機織りの神様は山代温泉だけというのも不思議な縁ですね。

はづちを楽堂
住所:
川県加賀市山代温泉18-59-1
電話番号:
0761-77-8270
営業時間:
春夏秋 9:30~18:00 イベントなどで延長の場合あり
冬 9:
30~17:00 冬季(11/1~翌2/28)
定休日:
水曜日※祝日は営業
交通アクセス:
(1)北陸自動車道 加賀ICから車で12分
(2)JR加賀温泉駅からバスで10分(加賀温泉バス 温泉山中線)「山代温泉」バス停から徒歩で3分

浅蔵五十吉美術館

浅蔵五十吉美術館は、石川県能美市泉台町の九谷陶芸村にあります。九谷陶芸村には、浅蔵五十吉美術館の他にも能美市九谷焼資料館や九谷焼陶芸館が集結。九谷陶芸村はまさに九谷焼の生産から販売の中心的役割を担っているのです。

浅蔵五十吉という人物のご紹介をしましょう。浅蔵五十吉(あさくら・いそきち)は、石川県寺井町出身で1913年出生・1998年没の陶芸家です。1996年に文化勲章を受賞し、文化勲章受賞前後の陶芸の後期・平成に入ってからの作品を中心として代表作を展示しています。浅蔵五十吉は、地元の九谷焼の長い歴史と伝統を受け継ぎつつも、現代的な感覚を生かした独自の作風を世にしらしめました。

浅蔵氏の作品は、色絵の技法で初期から一貫して雄大な自然がテーマです。しかし一つの様式が作風として完成すると、その作風や技法に留まらず次はまったく異なる斬新な色使いや形、技法に挑戦していく意志の強い陶芸家でした。

浅蔵氏は生前、自らの作品を振り返り作品には10年の周期があると発言しています。昭和20年代の作品は明るい黄色で、30年代に入ると渋い黄色がメインになっています。さらに40年代の作品では、緑系の色使いが主になっていき、50年代には黄色がかった複合色を使う作品に変遷していきました。

60年代から平成に入ってからは、それまでの色彩を一掃したかのような白銀を使った銀彩に転じます。平成5年以降の文化功労者顕彰と傘寿を節目には九谷焼では斬新的な白釉「色無き色」へ挑戦しています。

浅蔵五十吉美術館
住所:
石川県能美市泉台町南1
電話番号:
0761-58-6789
営業時間:
9:00~17:00
定休日:
月曜日・年末年始(12/29~1/3)
(祝日の月曜は開館。翌日代休。)
アクセス:
小松空港から車で約20分、金沢駅からでも約50分
料金:
大人/430円、75歳以上/320円、高校生以下/無料
※障がい者と介護者1名は無料
※能美市九谷焼資料館と浅蔵五十吉美術館は入場券共通

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umi

北海道在住の旅行大好きな30代女子です。
旅行では主に世界遺産や絶景スポット巡りをしています(*^_^*)
もちろん、ご当地グルメもはずせないポイントのひとつ♪
その中でもわたしのおススメなトコをアップしていきます☆

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