アフリカ旅行ハイライト！大ジンバブエ国立遺跡に見る偉大なアフリカ人の堅牢な石造り

アフリカ南端近くの、山地にある国ジンバブエ。1980年にイギリスから独立を果たすまではローデシアという名前でしたが、独立後に彼らが選んだこの国の名前は、国民の7割を占めるショナ族の言葉で「石の家」を意味しています。

その名が示す通り、ジンバブエには各地に「石の家」の遺跡が点在し、大ジンバブエはその中でも随一のもの。英名では「グレート・ジンバブエ」といいますが、まさにその名の通りグレートで、他の遺跡をはるかにしのぐ規模と構造を誇っています。

ジンバブエの首都ハラーレから南へ約250キロの地にある大ジンバブエ国立遺跡は、19世紀にイギリス人がこの地に踏み入ったとき、この巨大石造遺跡群がアフリカ人の手によるものだと信じず、「古代フェニキア人の都市だった」「聖書の伝説の都、シバ女王の国の首都だった」などと主張したほど。

神殿の外壁には、見事な石積み技術が見て取れます。高さは10メートルほどもあり、花こう岩を切り出して積まれています。

てっぺんには、山形模様の装飾が。実に精巧です。

大ジンバブエの建造は、11世紀ごろから始められたと言われています。人が住んでいた痕跡は紀元前までさかのぼることができるものの、石造りの街の建造は11世紀ごろから。当時ショナ族は金や銀など貴重な鉱物資源を豊富に持っており、それらを交易して大いに栄えていました。

その栄華と繁栄を今に伝えるのが、この丘の上に築かれたアクロポリスです。ここは東西2つの区域に分けられ、西側には王宮が、東側には儀式の場があったと考えられています。

アクロポリスの城壁。こちらも堅固な石造りとなっています。花こう岩のブロックに、さらに自然岩も組み合わせた造りになっていて、精巧さと武骨な堅牢さの調和が見事ですね。

「グレート・エンクロージャー」と呼ばれる、石壁によってだ円形に囲まれた空間。円すい形の塔がまた素晴らしいフォルムです。

アフリカの遺跡は木や土で構成されているものが圧倒的に多く、そのためこのような石造りの遺跡は大変珍しいものでした。イギリス人がアフリカ人による遺跡だと思えず、さまざまな仮説を立てたというのもうなずけますね。

人々が住んでいた家も復元されています。現在はコテージとして、実際に宿泊することもできるのだそうですよ。せっかくここまで来たならぜひ泊まって、グレートな遺跡の息吹を一晩感じてみてはいかがでしょうか？

1986年に世界遺産にも登録された「大ジンバブエ国立遺跡」。偉大な古代人の都とも間違われたこの素晴らしい遺跡で、アフリカ独自の文化や技術を感じてみてはいかがでしょうか。