日本最後の秘境！北海道の世界遺産知床で贅沢な自然に浸る

日本で3番目の世界遺産となった、北海道は道東の知床（しれとこ）。世界遺産になるなんて、きっとすごいところだ！とは多くの人が思うところですが、では何があるの？何がすごくて世界遺産に選ばれたの？ときかれると…返答に窮する人がたくさんいるかもしれませんね。

知床は、一言で言えば「手つかずの大自然が残されているところ」。アイヌ語の「シリエトク」という言葉が地名の由来で、これは「地の果て」という意味です。知床半島はオホーツク海に鋭くとがって突き出すような形をしていますが、道路は半島の途中までしかなく、知床岬周辺はひと気が皆無。まさに地の果てといった様相を呈しています。

知床は北半球において、流氷が流れ着く最南端の地。この流氷がもたらす豊富な栄養が海洋生態系と陸上生態系を特異に関連させ合い、他には類を見ない豊かな生態系を生み出しています。

流氷のもたらすたくさんのプランクトンを鮭などの魚介類が食べ、増えていく。それを餌にするヒグマやオジロワシのフンが植物を育てていく。そんな海洋と陸上の食物連鎖が絡み合うところに、知床の貴重性があるのです。

また、動物も植物も北方種と南方種が混ざって存在し、国際的に稀少な動植物が生息していたり、越冬していったりするのです。学術的に見ても非常に価値が高く、貴重だということがおわかりいただけるでしょう。

山道を登って行くだけでも、植生が少しずつ変わっていくのが感じられるほど。冬と夏でも、その表情は豊かに変わります。

道中、たくさんの動物に出会えることも。

もちろん、難しいことを抜きにして、単純に圧倒的雄大で壮大な自然を心ゆくまで楽しめる地だということを知っておけば、観光は十分に楽しめるものとなるでしょう。これぞ北海道！…を通り越して、どこか異国に迷い込んだような錯覚に陥るかもしれません。

知床半島の比較的付け根側にあるオシンコシンの滝。「双美の滝」という異名を持ち、日本の滝100選のひとつともなっている美しいスポットです。

知床の絶景の中でも、特に名勝と名高い知床五湖。このあたりはもう車では近づけません。遊歩道を利用して、ハイキングで訪れましょう。ヒグマの目撃情報などによって封鎖されることもあるので、出かける前はしっかりと情報収集を。

いよいよ地の果てらしい景色が続きます。こちらはフレペの滝。

はらはらと流れ落ちる様から「乙女の涙」とも呼ばれているそう。

半島の先端に向かっていくと、道路は途切れ、船で海のルートを取るしか先に進む方法はなくなります。険しい断崖が海辺に続く様子は、地の果てというよりこの世の果てですね。

カムイワッカ湯の滝。なんと滝自体が温泉で、滝壺は野趣あふれる露天風呂になっているというのだから驚き!!ここまで来たらもう、入ってみるしかありませんよね。こんな贅沢な露天風呂は、温泉大国日本をくまなく探しまわってもそうないはずです。

これぞまさしく、正真正銘の秘境！

よく見れば海の水も恐ろしく綺麗です。これが「オホーツクブルー」でしょうか。知床岬が近づいてくるにつれ、この先は人間が進んではいけない場所なのではないかという気持ちに…。
そんな圧倒的な原生林と原始的な海が、どこまでも広がっています。