イランのマスジェデ・ナスィーロル・モスク観光で感動!万華鏡のような世界!
15018views- 住所:
- Bam, Iran
- アクセス:
- ケルマンからバスで2時間半
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砂漠の国・イラン。独特の「土の文化」をもつ彼の地には「バム遺跡」という巨大な城塞都市がありました。繰り返される他国からの侵略、そして近年起きた大地震…。悲しい出来事を乗り越え今に至る素晴らしい古都をご覧ください。
バムはイランの首都・テヘランから南東約1100kmのところにあり、人口約12万人。7世紀から11世紀にかけてシルクロードの東西交易の拠点となっており、絹や綿の生産地として大いに栄えました。また、高品質のナツメヤシやオレンジなどの生産も盛んで「砂漠のエメラルド」とも呼ばれています。
こちらのバム遺跡では日干しレンガを積み重ねる独自の技法を使い建てられた、中世の要塞都市の姿を見ることが出来ます。バムの街の北側にある「アルゲ・バム」は今からおよそ2000年前、ササン朝ペルシアの時代(3世紀-7世紀)に城塞都市として築かれましたが、その後歴代の王朝による破壊や略奪、征服の歴史を歩んできました。そして18世紀になると城塞都市は放棄され、人々はバムの中に居住するようになりました。砂漠地帯の素晴らしい土の文化がそのままの形で残され、貴重な都市遺跡となったのです。
アルゲ・バムの広さはおよそ200,000平方メートルにも及ぶ世界最大規模の日干しレンガ建築で、城塞の中には実にさまざまな建築物で構成されていました。モスク、バザール、宗教的広場、キャラバン宿、学校、浴場など。
イランは国土の東半分が砂漠地帯。そのため人が住んでいる地域は地下水か「カナート」という地下水路で水を引くオアシスに限定されています。緑や水に恵まれている日本とは環境が違い、水が非常に貴重なのです。この辺りには373本のカナートが引かれています。
そんな貴重な都市遺跡として人気の観光地だったバムに突如悲劇が襲います。2003年12月26日の午前5:28、マグニチュード6.6の直下型地震がバム近郊で発生。震源の深さは10kmでバム市の揺れは、阪神淡路大震災と同じぐらいだと言われています。この地震で日干しレンガ家屋の約7割が倒壊、4万人もの人々が死亡しました。
町の生命線だったカナートも6割が被害を受け、農業にも多大な影響を与えられてしまいました。「アルゲ・バム」遺跡もほとんど崩壊してしまい、2004年にユネスコは「バムとその文化的景観」を文化遺産(危機遺産)に登録しました。とても悲しい出来事です。
がれきの山と化したバム遺跡でしたが、その後徐々に修復に着手していきました。地震から10年以上経ちますが、復元されたのは巨大遺跡の一部だけで、まだまだ時間はかかりそうです。完全な復元は不可能とは言われていますが、あの地震は歴史の一部として安定化させるだけにとどめておく箇所もあるそうです。
この地震によって失ったものは計り知れないですが、地震によって地表に現れた古い地層のレンガは考古学者の新たな発見となり、また建築家にとっても自然災害での教訓からさらなる建築構造の見直しの機会となったのはひとすじの希望かもしれません。
2013年になると、遺跡の修復や保全活動認められ、危機遺産リストから除外されました。こうした遺跡の復元でバムに観光客がまた戻ってくることを期待しています。16世紀の貴重な遺産がこうしてまた復元されてきているのですから、ぜひ見に行ってみたいですね。
地元の方たちの笑顔も元気の源!そんな笑顔に出会えただけでも来た甲斐があります。
いかがでしたか?悲しい出来事を乗り越え、徐々に復興しつつあるバム遺跡。たとえすべてがもとに戻らなくても、歴史の重みを感じられる朽ち果てた廃墟の美しさや素晴らしさを至る所に残しています。ぜひ、足を運んでみませんか?
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