イラン・ペルセポリスの見どころ大特集!壮麗な宮殿跡が残るアケメネス朝ペルシャの遺跡群へ

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その昔「世界の中心」とまで称えられた大帝国アケメネス朝ペルシャの首都とされるペルセポリス。廃墟となった今も、往時の栄華と繁栄の痕跡が見られる貴重な遺跡です。国は決して永遠のものではなく、儚く滅びていくという事実が感じられる世界遺産の旅をご一緒にいかがでしょうか。

栄華を誇ったペルシャ帝国の都、ペルセポリス

イラン南西部にあるペルセポリスは、アケメネス朝ペルシャ、別名ペルシャ帝国の首都の跡です。南北460m、東西300mの基壇の上に宮殿群が築かれ、随所にアケメネス朝美術の隆盛が見られる壮大な遺跡となっています。

ペルシャ帝国は紀元前6世紀ごろにオリエントで繁栄した大国。ダレイオス1世の時代に最盛期を迎え、ペルセポリスはその頃にイラン南西部の山麓に首都として建設されました。その後もクセルクセス1世などの歴代の王が増改築を継続していきます。
写真はペルセポリスにある、クセルクセス1世の墓。

最盛期のペルシャ帝国の領土は、東は中央アジア、西はエチオピアに及ぶ広大なものでした。強大な権力を握ったダレイオス1世は、ペルセポリスの他に4つもの王都を建築しています。ペルセポリスは「首都」といっても、常時王が滞在する都ではなかったのです。

毎年、新年祭が催される時期になると街に活気が戻ります。宗教儀式が執り行われ、貢物を持った使者たちが王の前に行列を作りました。ペルセポリスは実質的な政治を行う都ではなく、王の権力や権威を誇示するために造られたものだったのです。

高さ20mもの巨大な石柱が天に向かってそびえる様は、往時の隆盛を物語っているかのよう。アケメネス朝美術の特徴的な浮彫が美しく残っています。

「世界の中心」と形容されたペルシャ帝国に、貢物を持って訪れる使者たちのレリーフ。

あちらこちらに同じモチーフの壁画が彫られています。使者を送った国は地中海近くからインドまでの23にもおよぶのだとか。

躍動感あふれる壁画からは、彫刻技術の高さがうかがい知れますね。

双頭のグリフォンの像。鷲の頭と翼を持ち、胴体はライオンというギリシャ神話の架空の生き物で、幸福と力の象徴とされています。ペルセポリスではあちこちで見られ、王の権威を誇っているかのようです。

強大な力を誇ったペルシャ帝国も、紀元前330年にアレクサンドロス大王の率いるマケドニアによって滅ぼされ、ペルセポリスも廃墟となりました。そのときアレクサンドロス大王は財宝を略奪していくわけですが、なんと使われたロバは1万頭、ラクダは5000頭にものぼったという伝説が残っているのだそうですよ。

ペルセポリス(Persepolis)
住所:
about 50 km North of Shiraz,Iran
電話番号:
9397992428
営業時間:
7:30~18:30(冬季は~17:30)
入場料:
5000イランリアル
アクセス:
イランのシラーズから車で約45分

栄華を極めたペルシャ帝国の隆盛を物語るペルセポリス。この名は「ペルシャ帝国の都」の他に「破壊された都(Persis=破壊するの意)」という2つの意味を持つという説があるのだそうです。
今は廃墟となった都の跡地で感じられるものは、「諸行無常」の境地なのかもしれませんね。

umi

北海道在住の旅行大好きな30代女子です。
旅行では主に世界遺産や絶景スポット巡りをしています(*^_^*)
もちろん、ご当地グルメもはずせないポイントのひとつ♪
その中でもわたしのおススメなトコをアップしていきます☆

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