フィンランド・ヘルシンキで北欧雑貨ショップに行こう!オシャレアイテムに会える店6選
88736views- 住所:
- Alvar Aallonkatu 14 60100 Seinäjoki, Finland
- アクセス:
- ヘルシンキからセイナヨキ駅電車で約3時間。セイナヨキ駅から800m
- 定休日:
- 時期によって変わります。詳しくは詳細ページ(英語)でお確かめください。
- 電話番号:
- +358 6 416 2318
- 料金:
- 無料
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フィンランド中西部にあるセイナヨキ。街の中心には世界的に有名なフィンランドの建築家、アルヴァ・アールト設計の建築物がありますが、その隣に2012年できたアピラ図書館。外観のモダンさも目を引きますが、しっかりとした理念に基づいて実現したこの図書館はとても居心地がよく、市民にも大人気の図書館。一見の価値ありです。
フィンランドでは図書館の本の貸し出し率は全体で年間15冊強、セイナヨキでは何と25冊弱。実に日本の3~5倍もあるのです。なぜこんなに大きな開きがあるのか?
その秘密の一つはフィンランドの学校と図書館のつながりは切っても切れないことにあります。司書が定期的に学校に出向いて子ども達の読書に対する興味を引き立てたり、子ども達が授業の一環で図書館を訪問することもあるのです。
そしてこのアピラ図書館の様々な仕掛けを知れば、なぜ市民に愛されているのか、どのように市民に利用されているのかおわかりいただけるかと思います。
アピラ図書館(Apila library)は2012年8月にオープンしました。
設計を手がけたのは上海万博でフィンランド館(カテゴリー部門Bで最優秀デザイン賞受賞)を手掛けたJKMM社。
アピラはフィンランド語で三つ葉のクローバー。上から見た形がクローバーに似ていることから名付けられました。またコンクリートの素材をうまく活かしたこの建物は折り紙にインスピレーションを得ていて、時々折り紙を連想させるような鋭角部分が見てとれます。
フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アールト設計の図書館が市民増加により手狭になったとき、新しい図書館を建てることになりました。従来の本を借りるところ、勉強するところ、図書館はそれだけの機能でいいのか?
新しい図書館のあり方を見つめ直し、このアピラ図書館は柔軟性、多様性、居心地のよさ、現在と今後のニーズを満たすようなコンセプトのもとに建てられました。
つまりこの図書館は勉強の場、仕事の場、出会いの場、イベントの場、娯楽の場、参加の場と実に様々な場を市民に提供できるようにデザインされているのです。
このアイディアは功を奏し、人口約61,000人の規模にも関わらず毎日平均1,500人の来館者で賑わっています。
子どもセクションにはテーマがあります。フィンランドで有名なロバの冒険物語、”かくれんぼの小さなロバ”がテーマになっています。この物語のシーンが”本の家”で再現されていて、この本の家で本を読むことももできるし、外側は本棚になっています。
子どもセクションでは、一番最初に子ども達が手に取るのがこの図書館かもしれない、そのためになるべく魅力的な場所にしようというコンセプトで作られているこのセクション。
この隠れ家のような空間では子ども達が思い切り飛んだり跳ねたり、またお父さんやお母さんに本を読んでもらったりしています。
さらにここではすべてが子ども目線で考えられています。大人と同じように子どもも自分のカードで自分の本を借りられるように配慮された自動貸し出し機もあります。
時々模様替えされる展示。この時は日本がテーマでした。
実はこの図書館に隠し部屋があります。この読書室のドアをそっと押すとその中は静寂に包まれた空間。パソコンを開いて仕事をする人、試験勉強や宿題に集中している学生、静かに本を読む人のための部屋なのです。
フィンランドでもティーンエイジャーの読書離れは問題になっています。このアピラ図書館ではティーンエイジャー向けの本を集めたセクションがあります。そして壁にはこんな仕掛けが。
この壁の穴の空間は放課後はすぐに埋まってしまいます。ここで友達とおしゃべりをしたり、宿題をしたり、リラックスして好きな音楽を聴いたり。ゆったりしたこの図書館ができる前とできた後の大きな変化は、利用者の滞在時間がぐっと長くなったということです。
エンターテイメントコーナーではCDやDVDが貸し出されているのはもちろん、このような電子ピアノもあり、ヘッドフォンを付けてピアノの練習をしている人も時々見かけます。
情報コーナーは世界各地の約700の雑誌と約80の新聞が取り揃えられています。(電子版含む。)また併設のパソコンではインターネットで世界各地の雑誌、新聞も読むことができます。日本の新聞も読めるのですよ。
併設のカフェではお茶を飲みながらゆっくり新聞や雑誌、本を読んだり、友達とおしゃべりしたり、あるいは打ち合わせをしている人も。その人のニーズに合わせて色々な使い方ができるのです。
フィンランドの中都市にありながらこのアピラ図書館は開館当初から多くの市民に愛され続けています。百聞は一見に如かず。実際に足を運んでその素晴らしさを体験してみてはどうでしょうか。
フィンランド中西部セイナヨキ在住。
アルヴァ・アールト設計の建築群に興味があり、地元でガイドをやっています。
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