スイス鉄道旅行「ゴールデンパス・ライン」で巡る人気観光スポット８選

ゴールデンパス・ラインとは、3つの私鉄（Zentralbahn、Bern-Lötschberg-Simplon Bahn、Montreux-Oberland Bernois）を乗り継いで、ルツェルン湖からレマン湖までを横断していく夢の鉄道ルートのこと。出発地がドイツ語圏、中着店がフランス語圏ということで、このラインに沿うだけで、言語と文化のグラデーションも楽しめます。
早速、代表的な駅とともに見所を見ていきましょう。

ルツェルンにきてまず見るべきは、町のシンボルともいえるカペル橋。旧市街地と新市街地をつなぐ橋で、もともとは要塞だった名残もそのままに、歩いて散策することができます。橋の途中にそびえる「水の塔」はその昔、監獄や拷問部屋として使われいたそう。
一度火災で大部分が焼失したものの、今ではきれいに修復されており、一番の観光スポットとされています。橋の梁部分には絵画が連なっており、ルツェルンやスイスの歴史、守護聖人にまつわる逸話などが描かれています。

また断崖に圧倒的な存在感で鎮座する「瀕死のライオン像」も必見です。資源に乏しかったスイスは優秀な傭兵を他国へ出して、出稼ぎしていたんですが、かのフランス革命時にも多くの傭兵が出兵しており、ルイ16世家族を守る為多くの傭兵が戦死。その話に感銘を受けたデンマークの彫刻家が作ったとされています。その繊細な表情もさることながら、ロケーションの良さもあり、つい見入ってしまう素晴らしい像です。

ルツェルンのすぐそばにあるピラトゥス山(Pilatus)はドラゴン伝説があります。驚くほどゴツゴツとした岩肌に覆われた山を世界一急勾配の登山列車が山を登ります。この衝撃的な光景を支えるシステムは、万博に出品されるほど画期的なもので、1889年に登場以来、未だに現役で活躍しています。これに乗るだけでも十分な価値があります。

小さな町でありながらも、シャーロック・ホームズ最後の地の舞台として名高いマイリンゲン。真っ白なお菓子「メレンゲ」が地名の由来だという説もあり、お土産として人気のようです。
その自然の美しさに感動したコナン・ドイルが、ホームズ最終話の地として選んだマイリンゲンですが、駅前にはホームズが石に腰かけている像があり、その背後にはシャーロック・ホームズ記念館が控えているなど、随所にホームズを感じることができます。

そしてホームズが最期を迎える場所・ライヒェンバッハの滝の迫力は相当なもので、小説ではファンの猛抗議で、結局一命を取り留めたことになっているのは有名な話ですが、こんなところに落ちてはひとたまりもないな…と改めて考えてしまいます。

名峰ユングフラウの登山客の拠点として多くの人が訪れるインターラーケン。もちろん「ヨーロッパのトップ」と言われるユングフラウヨッホへの寄り道もいいですが、インターラーケンでも十分観光ができます。
実は映画『女王陛下の007』のロケ地ともなっており、市街地にもちらほら見覚えがある方がいるんじゃないでしょうか？有名なのは、もう少し先のシルトホルン展望台の方ですが、こちらもインターラーケンを拠点に訪れることができます。

インターラーケン内で、特に人気が高いのはハーダー・クルムという展望台です。ケーブルカーですぐに頂上へと来れるこちらからは、インターラーケンの市街地が一望できる他、ユングフラウ、アイガー、メンヒが望め、ユングフラウヨッホの駅も見ることができます。

各界の著名人・セレブに愛される冬の高級リゾート地、それがグシュタードです。
これといった観光スポットはないものの、楽しめるウィンタースポーツは幅広く、中には雪の上をサイクリングする体験などもできるそう！ぜひ試してみたいですね。

また夏はスイスのウィンブルドンと称される『スイス・オープン』がこの地で開催されます。あの王者・ロジャー・フェデラーを輩出したスイスはテニス人口が多く、国民にとってはこちらのイメージの方が強いかもしれませんね。タイミングがよければ、観戦できるかもしれません！

スイス最大の湖であるレマン湖周辺には、今まで数々の芸術家・文化人が魅了され、晩年を過ごすため移住するなど、様々な人々が集まった特別な地域です。ゆかりのある人物としてルソー、ドストエフスキー、ユーゴー、ヘミングウェイ、ストランヴィンスキーからクールベ、シャネルなど…挙げはじめたらきりがないほどの人気です。

特にオードリー・ヘプバーンゆかりの地・モルジュ、チャップリンゆかりの地・ヴヴェイ、グリュイエールチーズでおなじみのグリュイエールなどは最終地点・モントルーを起点に訪ねることができ、1〜2時間程度で観光ができるスポットなので、余裕があればランチや散歩がてら散策すると面白いでしょう。

「スイスのリヴィエラ」と呼ばれる閑静なリゾート地・モントルー。ホテル業で栄え、前述した文化人たちの多くもここを拠点としたり、舞台とした小説や戯曲を書き上げるほど、魅了されていたと言われています。レマン湖に向かって拳を突き上げるフレディー・マーキュリーもその一人。今では一際目を引く銅像になっています。

そして最大の見所は名峰ダン・デュ・ミディを背景に従える、名城シヨン城です。湖に浮かぶようにそびえるシヨン城は「建物の宝石」と称され、多くの文化人をユゴーやクールベ、ドラクロワなど多くの著名人を虜にしました。

イギリス詩人・バイロンの叙事詩である「シヨンの囚人」によって有名になったこのお城、舞台となる地下牢には、主人公・ボニヴァールが繋がれていたとされる柱が残っていますので、要チェックです。

いかがですか？どの駅もスイスらしい魅力がいっぱいで、さすがゴールデンパス・ラインと呼ばれるだけのことがありますよね！途中下車を楽しみながら、自然を全身に感じる旅ができること間違いなしです。