カナダ・オンタリオで本場カナディアン・クラブ・ウイスキー体験!歴史を感じながら味わう格別のグラス

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カナダの有名なウイスキーと言ったらカナディアン・クラブ・ウイスキー。シングルモルトと比べると香りも穏やかなので、割るウイスキーとして使われることが多いですが、歴史を知ったあとで飲むカナディアン・クラブ・ウイスキーの味わいは違うと思いますよ。日本で発売されていないウイスキーの試飲もできるので、ぜひ現地で楽しんでくださいね。

カナダ

カナディアン・クラブ・ウイスキーのあるカナダのオンタリオ州は政治と経済の中心地です。

ナイアガラの滝、リドー運河、カナダ国立美術館、バーラメント・ヒルなどの観光する場所がたくさんあり、思いっきり楽しめる場所ですよ。

ただカナダは広い!カナダの端から端まで休まずに車で走ると7日間はかかるとか……。どこの場所を観光するのか、的を絞ってからお出かけください。

ハイラム・ウォーカー

1816年アメリカのマサチューセッツ州イースト・ダグラスでハイラム・ウォーカー氏は生まれました。

20歳のときにアメリカ合衆国ミシガン州ウエイトン郡デトロイト市に移住します。このデトロイト市はデトロイト川を隔てて、カナダのオンタリオ州ウインザー市があるのです。

そう、ハイラム・ウォーカー氏がカナディアン・クラブ・ウイスキーを興した場所です。

なぜ、この場所に蒸留所を構えたかというと、過去に遡りますが、1812年に米英戦争が起こりました。アメリカ合衆国がイギリス領であった北アメリカを侵略したので、イギリス・カナダ軍が反撃したのです。

しかし戦争後、カナダとアメリカ合衆国との国境は、非武装化されました。川を隔てただけの国境ですから、貿易も盛んに行われるようになったのです。

ミシガン州に来たハイラム・ウォーカー氏は、いろいろな仕事に就き経験した中で食料雑貨販売業で成功しますが、誰かの商品を販売するのではなく自分で酢を蒸留して販売したいと思い、蒸留方法を学びます。

酢はお酒を造る工程を経てからできあがります。ハイラム・ウォーカー氏は蒸留方法を学んだことで、その後ウイスキー造りに転換します。

1854年に最初の樽でウイスキーを生産しましたが、これが大成功!

1856年40歳のときにデトロイト市の対岸である、カナダのオンタリオ州ウインザー市に創業しました。

この頃のウイスキーの販売は樽売りでした。1850年代にイングランド王国でびん詰め売りの許可が出てから、びん詰め売りが普及してきてはいましたが、まだカナダでは樽売りが主でした。

そんな時代に署名入りでボトルに入れたウイスキーを販売したのです。

ハイラム・ウォーカーの造るウイスキーは軽やかで飲みやすかったので、瞬く間に大人気となりました。

また1882年から正式にアメリカへの輸出も行っていたことから、アメリカ紳士が集うジェントルメンズ・クラブでも大人気!

当時のアメリカのウイスキーはケンタッキー州のバーボン業者が主だったのですが、ハイラム・ウォーカーのウイスキーの勢いがすごくて、脅威を感じたバーボン業者が政府にカナダのウイスキーとアメリカのウイスキーと区別をつけるように申請します。

なぜバーボン業者がカナダとアメリカの区別をつければ勢いが落ちるのかと考えたかというと、カナダで18世紀後半に生産されたウイスキーはアメリカへ輸出するためのもので、蒸留を行った後、熟成させないで出荷していました。

one day whisky と言われ悪品だったので、カナダのウイスキー=粗悪品というイメージがついていました。

それでバーボン業者はカナダと名称に使えば人気が落ちるだろうと考えたわけですが裏目に出てしまい、1890年にカナディアン・クラブと命名したことで確固たる人気を築くのです。

1894年9月からカナディアン・クラブ・ブランドセンターが建設されました。

16世紀のイタリアのルネッサンス様式を用いたヨーロッパのデザインの内装は見事なものです。

その5年後の1899年1月12日に、創業者ハイラム・ウォーカー氏は83歳で生涯を終えています。アメリカの禁酒法の時代にあって密造がとりざたされますが、ハイラム・ウォーカー氏ではなく彼の子ども、孫の時代になります。

しかし、1850年初期の頃にはミシガン州でも禁酒運動が行われていたようなので、もしかしたら、その時代には密造を行っていたかもしれません。カナダに創業したのも禁酒運動のせいかもしれませんね。

1911年から1915年はカナダが禁酒法の時代で、パブやホテルでも飲酒がだめで製造と輸出も禁止されました。ようやく終わったと思ったら、今度は1920年から始まったアメリカの禁酒法。

幸いにもオンタリオ州は国境に面していましたから、密造や密輸を行うことで何とかしのいでいましたが、1926年に彼の孫がクリフォード・ハッチ社に売却します。

その後何度もオーナーが変わり、2005年にバーボン・ウイスキーのビーム社に経営権が移りました。

そして、2014年5月にビーム社全部をサントリーホールディングスが1兆6500億円で買収し、ビーム・サントリーに社名変更。ですから、カナディアン・クラブ・ウイスキーもサントリーのものとなったわけです。

カナディアン・クラブ・ウイスキー・ツアー

カナディアン・クラブ・ブランドセンターは当時の面影をそのままに残しています。

これだけ経営者が変わっているのに、そのまま保存されていることに驚きです。

カナディアン・ウイスキーはどのように蒸留したらいいのか法律に記載されているので、それを遵守しなければなりません。

でも現在のカナディアン・ウイスキーの元が出来上がったのも19世紀後半です。

1830年にイーニアス・コフィーがコラムスチル(連続式蒸留器)を発明したおかげで、トウモロコシなどが蒸留できるようになり、カナディアン・ウイスキーは味が変化しておいしくなったのです。

日本ではシングルモルトが人気ですが、カナディアン・ウイスキーはブレンドが基本です。

樽も容量180L以下で、3年以上熟成させると決められています。

カナディアン・クラブ・ウイスキーももちろんブレンド酒ですが、カナダ及び世界で不動の地位を築いた訳はその製法にあります。

原料によって蒸留方法を変えています。ライ麦ほか麦芽類は昔からあるポットスチルで蒸留し、トウモロコシはコラムスチルで蒸留するのです。筑前煮が別々に煮られて合わせるのと同じことですよね。

蒸留時に清酒では香味成分として重要なフーゼルオイルを除去することで、穏やかな香りになっています。

そしてここがカナディアン・クラブ・ウイスキーのこだわりなのですが、ベースウイスキーとフレーバリングウイスキーを混ぜてから樽詰めするのです。

この合わせ技によって樽の中で2種類のウイスキーがなじみ、まろやかな味になります。そして6年以上熟成することによって、さらに雑味が消えて一層まろやかになるのです。

ツアーの最後はお楽しみの試飲です。

試飲室にて、ゆっくり味わっていただけます。

カナディアン・クラブ・ウイスキー・ツアー(Canadian club whisky TOURS)
住所:
2072 Riverside Drive East Walkerville,Ontaro,N8Y 4S5
営業時間:
11:00~17:00
アクセス:
シーザーズ・ウインタザーホテルから歩いて30分、リバーサイド・ドライブ・イースト沿い
定休日:
1月~3月は月火水木、4月~12月は月火
ツアー開催日:
1月~3月の金土11:00、13:00、15:00、17:00、日12:00、14:00、4月~12月の水木金土11:00、13:00、15:00、17:00、日12:00、14:00
ギフトショップ営業時間:
1月~3月の金土11:00~18:00、日12:00~16:00、4月~12月の日12:00~16:00
電話番号:
519 973 9503 内線204
予約:
info@canadianclub.com

まとめ

ハイラム・ウォーカー社はアメリカの禁酒法時代の逸話が多く、想像するとワクワクしてしまいます。

実際にカナディアン・クラブ・ブランドセンターには、ギャングのアル・カポネ氏と密談したという地下室もあります。

しかし、1926年には売却されているので、ほかの経営者がカナディアン・クラブのイメージを守りつつ行ってきたのかは謎です。

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