クロアチア世界遺産6選！豊かな自然と中世の街並みを楽しめる沿岸都市の魅力に迫る

クロアチアの南部に位置するドゥブロヴニクはクロアチア国内を代表する観光地の1つで、美しい街並みから「アドリア海の真珠」とも言われる街です。またその美しさはこの街を訪れたアイルランドの劇作家バーナード・ショーに「この世の楽園を見たければ、ドゥブロヴニクを訪れよ」と言わしめたほど。
この街の見どころのほとんどは世界遺産として登録されている旧市街地の中にあります。

旧市街地は城壁にぐるりと囲まれていて、8世紀から建築がすすめられ15~16世紀に完成したその壁の長さは1周約1940ｍもあり、一番高いところでは25ｍもの高さがあります。こちらの城壁はその上を歩くことができるので、定番の観光ルートとしていつも観光客でにぎわっています。
また街の中には中世ラグーサ共和国として海運で栄えた歴史を物語る建造物がたくさんあり、短い時間の観光ではもったいないほどです。

クロアチア中部に位置する国内第2の都市スプリット。こちらの街の中心にも旧市街地があり、約1700年前のローマ時代につくられた遺跡の中で今も人々が暮らしています。
この街の歴史はローマ皇帝であったディオクレティアヌスが余生を過ごすために宮殿をつくったのがはじまりです。

こちらの宮殿跡の大きさは南北215ｍ、東西180ｍの城壁によって囲まれていて、城壁の東西南北には出入りに使われた門が残っています。「青銅の門」「金の門」「銀の門」「鉄の門」と名付けられた門の周辺には、それぞれに違った個性を持つ街並みが広がっています。

クロアチア中部リカ地方にあるプリトヴィッツェ湖群国立公園は、首都ザグレブからほど近い観光地として人気の場所です。こちらの公園の中にはカルスト台地の渓谷に大小16個もの湖が連なり、緑豊かな周辺の景色とあいまって素晴らしい景観をつくりだしています。

たくさんある湖をつなぐのは92か所ある滝で、大小さまざまある滝の表情は見ていて飽きません。また上流にある上流個群と下流にある下流湖群の間には最大150ｍもの高低差があり、水が湖・川・滝とさまざまな姿を見せながら流れています。クロアチアへ訪れた時にはこの白い渓谷とエメラルドグリーンの湖からなる絶景を見逃すことはできません。

ポレチュの街は紀元前2世紀~紀元1世紀の間につくられた古代ローマの都市です。小さな半島につくられたこちらの街は現在リゾート地としても知られています。
この街が繁栄をはじめたのは13世紀ヴェネチア共和国時代で、その後19世紀のハプスブルク帝国期にはこの地域の県都として地方行政を担っていたのだそうです。

そんなポレチュの街の最大の見どころが世界遺産に登録されているエウフラシス聖堂建築群です。こちらの聖堂の原型がつくられたのは4~5世紀のことで、その後6世紀に司教を務めたエウフラシスが再建したためこの名前がつけられました。聖堂はバジリカ式の様式にそって身廊や側廊を備えていて、内壁にはモザイクの装飾がなされきらびやかな美しさを見せています。

トロギールは上でご紹介したスプリットの南西25kmの場所にあり、その街の成り立ちは紀元前3世紀に古代ギリシャの植民都市として築かれたことにさかのぼります。その後13~15世紀に経済的に発展したのをきっかけに街の周りを城壁で囲い、本土とは運河によってへだてられました。
上の画像で真ん中にひときわ高くそびえている尖塔は聖ロヴロ大聖堂のもので、入り口の門に施された彫刻が美しいことから「クロアチアにおけるロマネスク=ゴシック美術の最高傑作」とまで言われているのだそうです。

街の中には教会や宮殿が数多く立ち並び、まるで街全体が中世の建築博物館のようだと形容されるほど。
こちらの画像の建物はヴェネチアの貴族ガラグニン家の宮殿を博物館として開放しているもので、内部では古代から近代までのトロギールについて詳しく学べます。

街の中にある建造物の多くが夜になるとライトアップされるため、昼とは全く違う街の表情を見ることができます。

トロギールから少し北に行ったところにあるシベニクの街は、クルカ川の河口につくられた古い街。11世紀に中世クロアチア王国の港として発展した街で、この街の一番の見どころは聖ヤコブ大聖堂です。
石造りの堂々としたたたずまいの大聖堂は街のシンボルとして長く親しまれてきました。

こちらの大聖堂は1431年~1535年までの長い時間をかけて完成した建物で、職人が何代にもわたって建築にたずさわったため、下部はゴシック様式で上部はルネッサンス様式という独特の組み合わせになっています。

石でできた外見はあまり華やかではないのですが凝った装飾がほどこされていて印象的。内部はステンドグラスやドーム屋根からふる光によって明るくなっています。

アドリア海に浮かぶ島フヴァルは、リゾート地としてにぎわうこの地域の中でも最も人気のあるリゾートアイランド。「ヨーロッパ1、光があたる島」と呼ばれるほど日照時間が長く、地中海性気候特有の温暖な気候で、ラベンダーやワインなどの栽培が盛んです。

この島の北部にあるスタリ・グラードの街は、かつて島内の中心地として栄えた場所。そのため街にはたくさんの遺跡が残っています。

遺跡の中には紀元前4世紀ごろに古代ギリシャ人が築いた石垣などがあり、その保存の良さから2007年に世界遺産へと登録されました。豊かな自然と遺跡が織りなす景色はここでしか見られないと観光客にも人気です。

クロアチアにある世界遺産についてご紹介しました。中世の街並みや豊かな自然、また自然と遺跡の融合などさまざまな景色が見られるクロアチア。訪れる際にはぜひ時間にゆとりを持ってゆっくりとまわってみてくださいね。