マレーシア・ボルネオ島タートルアイランドでウミガメ産卵現場を目撃しよう!

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東南アジアに浮かぶ巨大な島、ボルネオ島。この島は非常に自然が豊かで、オランウータンやテングザルなど、ここでしか見ることが出来ないようなものがいくつもあります。そしてその一つが、タートルアイランド。今回は、世界で最もウミガメの産卵数が多く、年間を通じて間近で産卵を観察するできる魅惑のタートルアイランドをご紹介します。産卵現場に出会えたり、ウミガメの赤ちゃんに遭遇できたりするかもしれません。

1.タートルアイランド国立公園(Turtle Islands Park)

世界自然保護基金(WWF)も認めた世界一のウミガメの産卵地!

タートルアイランド最大の特徴は、その名の通りウミガメが数多く生息していること。ウミガメ等絶滅危惧種の保護を勧めているWWFからは、世界で最もウミガメの産卵が多いエリアとされています。一応産卵のシーズンは5~10月とされていますが、実際のところは年間を通じて高い確率で産卵の様子を観察することが出来るそうです。

ボルネオ島沖に浮かぶ3つの島

タートルアイランドとは国立公園の名前で、実際はボルネオ島の東、フィリピンに近いスールー海に浮かぶ、セリンガン島、バックンガンクチル島、グリサン島の3つのことです。中でも最もウミガメが集まるのが、宿泊施設などが整備されているセリンガン島です。

タートルアイランドで見ることが出来るウミガメは2種類

ここで見ることが出来るのは、絶滅危惧種に指定されているアオウミガメ(Green Turtle)と、近絶滅種とされているタイマイ(Hawksbill Turtle)の2種類。近年では交雑も進み、この2種類の雑種も誕生しているために純粋な種の保全という意味で、問題もあるそうです。

2.タートルアイランドで体験することが出来ること

ウミガメの産卵の観察

夜になるとお母さんガメは島に上がってきます。それから地面に穴を掘って産卵を始めます。産卵中はストレスをかけることを防ぐため、お母さんガメにライトを当てることは禁止されていますが、産卵の様子は間近で見ることが出来ます。

産み落とされた卵はすぐにレンジャーの手によって回収され、島に生息するトカゲなどに食べられてしまうことを防ぐために保護エリアに運ばれ、そこで地中に埋められます。目の前で産卵されたばかりの卵はピンポン玉のようで、とてもきれいなものでした。

赤ちゃんガメの放流

もう一つ、欠かすことが出来ないのが赤ちゃんガメの放流。卵からその日孵ったばかりの赤ちゃんガメの姿は、日中に卵の保護エリアでも見ることが出来ますが、プログラムの最後には赤ちゃんガメの放流をお手伝いすることが出来るんです!

赤ちゃんガメは月の光を目指して海へと進むため、ここでもライトの使用は最低限にしなければなりません。波打ち際に頑張って歩いていく赤ちゃんガメの姿はとても感動的なものです。

プログラムに組み込まれてはいないけれど…

その他、もちろん海の透明度は高いのでシュノーケリングが出来たり、島に生息しているトカゲなどを見ることも可能。筆者が見たのは体長1mほどの巨大なトカゲ。大きいものはもっと成長するそうですが、暗い中で突然巨大なトカゲが現れるのは少し恐ろしいものです。

3.アクセス、宿泊施設等

タートルアイランドへはツアーでのみ!

タートルアイランドはマレーシア政府によって保護区に指定されており、島への立ち入り人数は制限されています。島へ行くには旅行会社に申し込み、パッケージツアーで行くしかありません。旅行会社はクリスタル・クエスト(Crystal Quest)、エス・ティ・ダブリュー・アドベンチャー(STW Adventure)、エス・アイ・ツアーズ(S.I. Tours)の3社ですが、メールでの連絡が取りづらいのが難点です(返信があまりないそうです)。筆者はコタキナバルのツーリストインフォメーションでクリスタル・クエストに電話をかけてもらい、直前でしたが運よく予約を取ることが出来ました。

サンダカンからはフェリーで

日本から行く場合、コタキナバル経由でサンダカンの空港へ向かいます。サンダカンからタートルアイランドへのフェリーは一日に一本、9:30発のスピードボートのみで、サンダカンのはずれにある桟橋から出ています。なお、この桟橋前にあるのがクリスタル・クエストのオフィス。

宿泊施設

セリンガン島の宿泊施設は全室シャレータイプとなっており、シャワー、冷房等の基本的な設備は揃っています。もちろん高級ホテル並みとまではいきませんが、それなりに快適に過ごすことは出来ました。また食事は三食含まれており、水やジュース、ビールなどは販売しています。

4.留意点

治安に難あり…

そんな魅力満載のタートルアイランドですが、一つ大きなネックがあります。このエリアでは外国人を狙った襲撃事件がしばしば発生しており、これを書いている2016年5月時点で外務省の海外安全情報としてレベル3「渡航中止勧告」が出ています。そのためタートルアイランドの訪問を計画する際には、事前に十分に情報を収集する必要があります。

ビーチに出ることが出来ない時間もある

ウミガメの産卵は夜から朝にかけて行われるため、産卵活動を保護する目的でビーチに出ることが出来るのは6:00~18:00となっており、それ以外の時間は禁止されています。朝6時過ぎに外に出ると、ウミガメの這った後や、運が良ければ産卵中のウミガメを見ることも!筆者が訪れたタイミングでは、産卵後のお母さんガメが宿泊施設のすぐ近くにいるところをみかけました。

5.最後に

世界で最もウミガメの産卵を見ることが出来るタートルアイランド、いかがでしたか?現時点では治安の問題もあって十分な注意が必要ですが、お母さんガメが涙を流して産卵する姿や赤ちゃんガメが必死で海へと向かっていく姿はとても感動的で、神秘的な印象すら受けました。とっても感動できる素晴らしい場所ですし、親子連れでも楽しむことが出来る、本当にいい場所でした。治安が回復した暁には、ぜひ行ってみて下さいね!

タートル・アイランド(Turtle Islands)
アクセス:
サンダカンからボートで1時間
料金:
入島料60リンギット、カメラ持ち込み代10リンギット。ツアーは時期によって変動するが、公式HPによると一人当たり650~800リンギットとのこと(フェリー、宿泊費、食事代込)。
オススメの時期:
産卵のピークは5~10月。だが産卵自体は年間を通してみることができるため、時期が多少ずれても見れる可能性がある(筆者は11月に訪れたが問題なく見れました)。
持っていった方がいいもの:
虫よけスプレー、懐中電灯、日焼け止め。その他、必要に応じて水着やシュノーケリングギア(レンタル可能)など。
石塚皓

2014年7月より、元教師の妻と世界一周の旅を始め、2016年3月に無事、帰国した33歳の元会計士。1年8カ月かけ48カ国を回る中で出会った絶景やオススメのグルメ情報など、旅に関する情報を発信していきます。

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