ウズベキスタン基本情報 【お金編】

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シルクロードの国ウズベキスタンを旅する上で重要な情報となるのが、お金の問題。というのもこの国には少し特徴的な点があり、知らないと結構な損をしてしまうことになります。今回はウズベキスタンのお金についてです。

知らないとソンをする?ウズベキスタンのお金事情

中央アジアに位置し、カザフスタン、タジキスタンなどと国境を接する国ウズベキスタン。サマルカンドなど見どころが多いにも関わらず、日本人の渡航者が多いとは言えず、日本語の情報も少ない国ですが、ウズベキスタンのお金事情についてはやや注意が必要です。筆者は2015年の2月にウズベキスタンを旅しましたので、その体験も踏まえてまとめていきます。

ウズベキスタンの通貨はソム

ウズベキスタンの通貨はソム(So'm)。流通している紙幣は5000、1000、500、200ソム。 そのほかに紙幣として100、50、25、10、5、3、1ソム、硬貨として500、100、50、25、10、5、1ソムがありますが、あまり使われていません。

ウズベキスタンの両替事情

公定レートと闇レート?

ウズベキスタン・ソムのレートは変動しますが、この国には2種類のレートがあります。一つは公定レートと言って、空港や銀行で適用される両替レート。もう一つが闇レートと言って、街中の闇両替(公式に認められていない両替商)で使われるレートです。
公定レートと闇レートの差は大きく、筆者がウズベキスタンを訪れた2015年2月時点で、公定レートが1アメリカドル=約2600ソムに対し、闇レートだと約3800~3900程度。闇レートのほうが1.5倍ぐらいになるので、できるだけ闇両替を使うほうがオトクになります。なお2016年6月時点で1アメリカドル≒約2900ソム(公定レート)。

オトクにウズベキスタンを旅するには?

2種類のレートがあることから、できるだけ公定レートを避けることがウズベキスタンを旅する上で重要になります。先に書いた空港や銀行の両替所の他、国際キャッシュカードなどを使ったATMでのソムの引き出し、またクレジットカードによる支払などには全て公定レートが適用されるので、こういったことは出来るだけ避けたほうが安く上がります。従って滞在期間の出費を賄うだけの現金を持っていくことをオススメします。

闇両替商はどこにいる?

タシュケントやサマルカンドなどであれば、バザールなどでよく見かけますし、滞在している宿で両替してくれるところもあります。町の闇両替商は外国人を見ると「チェンジマネー?(両替しない?)」と近づいてくるので、必要な時はそこで両替するのがいいかもしれません。なお彼らも少しでも有利なレートで両替しようとするので、事前に適切なレートを把握し、しっかり交渉する必要があります。

闇両替は違法?

闇両替を利用すべきと書いてきましたが、実は違法なんです。ところがインフレが激しいウズベキスタンでは多くの人がアメリカドルを欲しがっており、実際は町のあちこちで闇両替を見かけます。街中には警察官もいるのでもちろん気づいているのでしょうが、おそらく暗黙の了解なのだと思います。但し違法であることは間違いないので、よく検討してみて下さい。

大金持ちの気分を味わえる?

ソム紙幣の最高額は5000ですが、発行されたのが2013年と比較的新しいためかあまり出回っておらず、多くの場合、1000スム札が使われています。1000スムと言っても日本円にすると30~40円程度のため(闇レートベース)、財布に入りきらないほどたくさんの紙幣が簡単に手に入るんです。例えば上の写真は2015年2月に200ドルを両替した時のもの。海外で大量の札束を持って歩くのはなかなか勇気がいりますが、自分がちょっとお金持ちになった気分になるのが不思議です。

持っていく通貨は?

ウズベキスタンではアメリカドルが広く流通しているので、日本から行く場合には日本でドルに両替して行くのが良いでしょう。また先述の通り、クレジットカードや国際キャッシュカードは不利な公式レートが適用されるため、滞在日数分を現金で持っていくのがオススメです。

チップについて

ローカルなレストランではチップは不要です。一部の観光客向けのレストラン、バーなどではチップが期待されることもあるそうで、目安は総額の10%程度。なおサービス料が加算されている時はチップは不要です。ちなみに筆者は3週間程度、ウズベキスタンに滞在しましたが、一度もチップを払う機会はありませんでした。

最後に

ウズベキスタンのお金に関する情報をまとめましたが、いかがだったでしょうか?公定レートと闇レートがあるため、他の国に比べてもウズベキスタンでの両替等については注意が必要です。せっかくなのでいろいろと活用し、ぜひ少しでも安く旅をしてみてくださいね。

ウズベキスタン共和国(Republic of Uzbekistan)
アクセス:
ウズベキスタンの首都タシュケントまでは、成田空港から直行便が出ている。成田発(火及び金曜)、タシュケント発(月及び木曜)ともに週二便。
石塚皓

2014年7月より、元教師の妻と世界一周の旅を始め、2016年3月に無事、帰国した33歳の元会計士。1年8カ月かけ48カ国を回る中で出会った絶景やオススメのグルメ情報など、旅に関する情報を発信していきます。

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