アラスカやハワイを含め50の州からなるアメリカの朝ごはんといえば、ボリューム満点で高カロリーなものから絶品のエッグベネディクトまで選択肢もさまざま。その日の気分で、毎日違うメニューを楽しめるのもアメリカならではです。そこで今回は、アメリカの朝ごはんの定番から変わり種まで、情報満載でご紹介します。
アメリカの朝ごはんといえば、どんなメニューが浮かびますか?日本でも大流行したパンケーキやワッフルをはじめ、定番のベーコン&卵など、ボリューム満点で気軽に食べられるメニューがずらりと並びます。アメリカの朝ごはんシーンに欠かせない卵料理もスクランブルエッグ、片面だけ焼いた目玉焼きのサニーサイドアップ、よく焼いた両面焼きのオーバーハード、軽く焼いた両面焼きのオーバーイージーなど、さまざまな調理方法で楽しめるのも、しっかり自己主張するアメリカならでは。
多様なメニューがあるアメリカでは、自分の好きなものをセレクトして食べるのが普通で、家族でもみんなで同じものを食べる習慣はあまりなく、「人種のるつぼ」といわれるだけあって、エリアによっても食文化が異なります。そこで今回は、アメリカの有名な朝ごはんをご紹介します。ぜひ、アメリカ旅行の際は参考にしてみてください。
アメリカの朝ごはん:パンケーキ(クリントン・ストリート・ベーキング・カンパニー)
アメリカを代表する朝ごはんメニューの一つがパンケーキ。長年日本ではホットケーキとして、お母さんの手作りおやつの定番として親しまれていました。ところが、フルーツやホイップクリームをたっぷりトッピングしたおしゃれなパンケーキの登場により、日本にもパンケーキにもブームが到来し、続々とパンケーキの専門店が進出しています。
ふわふわのパンケーキに、フルーツをトッピングしてメイプルシロップをたっぷりかけて食べると、朝からご機嫌になること間違いありません。その他にも、シンプルに卵やベーコンと一緒に食べるパンケーキもおすすめ。メイプルシロップがかかったパンケーキとベーコンの相性は、甘じょっぱいのが好みの方にとっては、たまらない組み合わせ!ただし、ボリュームがある分、高カロリーなので食べ過ぎには注意が必要ですよ。
アメリカ国内にあるカフェのモーニングメニューに、必ずラインアップされているパンケーキですが、人気・知名度とも抜群なのが、ニューヨークにある「クリントン・ストリート・ベーキング・カンパニー」。
大きな窓を配した開放感のある広々とした店内は、人気店なだけにいつ訪れてもたくさんのお客さんでにぎわっています。何度もリピートしたくなるパンケーキは、今まで食べた中で最高を更新してしまうかもしれませんよ。朝10:00には満席になってしまうので、なるべく早めに訪れることをおすすめします。
クリントン・ストリート・ベーキング・カンパニー
- 住所:
- 4Clinton Street New York, NY 10002
- 電話番号:
- 646-602-6263
- 営業時間:
- (月~金)ブレックファスト 8:00~11:30,ランチ 11:30~16:00,ディナー(日曜日以外)18:00~23:00,(土曜日)ブランチ 9:00~16:00,(日曜日)9:00~18:00
- 定休日:
- 年末年始
- アクセス:
- 地下鉄F線セカンド・アベニュー-ロウアー・イースト・サイド駅を出て、イースト・ハウストン・ストリートを東へ進み、クリントン・ストリートを右に曲がると、すぐ左手にあります。徒歩8分。
アメリカの朝ごはん:エッグベネディクト(サラベスキッチン)
ホテルの宿泊プランに朝ごはんがついてこないことの多いニューヨーク。必然的に街中で朝ごはんを食べることが多くなります。そんなとき、押さえておきたいアメリカの朝ごはんメニューが「エッグベネディクト」。「朝食の女王」と称され、オープン以来行列の絶えない人気店「サラベス」で味わえます。
イングリッシュマフィンの上のポーチドエッグにナイフを入れると、中から黄身がトロリと流れ出し、レモンの風味豊かな特製オランデーズソースを絡めながら、口の中に入れるとなんとも言えない口福。卵好きの方にとってはたまらないメニューの一つです。
一度は食べてみたい朝食メニューは、早朝8:00~16:00までオーダー可能です。早起きした朝はもちろん、寝坊した朝もブランチメニューとして楽しめるリッチなモーニングメニューです。
レトロな雰囲気が漂いながらも、どこかモダンなファサードが印象的な本店は、ニューヨークのアッパーウェストサイドにあります。自宅ではなかなか味わえない、伝統的なアメリカンブレックファストを楽しみたい方は、ぜひ足を運んでみてください。
サラベスキッチン
- 住所:
- 40 Central Park S,New York,NY 10019
- 電話番号:
- 212-826-5959
- 営業時間:
- (月~土曜日)8:00~23:00,(日曜日)8:00~22:00
- 定休日:
- 無休
- アクセス:
- 地下鉄「57 Street Station」もしくは「5 Ave Subway Station」のどちらからも徒歩約3分
外はカリッとして、中はモッチリとした真ん丸のベーグルは、誰もが大好きな朝食アイテム。もともとは、ユダヤ人のコミュニティーの間で親しまれてきたベーグルですが、いつの間にかアメリカ・ニューヨークの朝ごはんシーンに欠かせないものとなっています。
テイクアウト専門のお店からおしゃれなカフェ、ベーカリーなどさな場所で購入可能です。ベーグルは、プレーン・セサミ・シナモン・ガーリックなど種類も豊富ですが、一度ゆでてから焼くため、お店によって重めの生地や軽い食感のものまでいろいろ。
ベーグルの種類と好みのフィリング(具材)やスプレッド(クリームなど)を組み合わせてオーダーでき、いつでも自分好みにカスタマイズできるところが、朝ごはんに人気の理由といえるでしょう。街のいたるところにショップがあり、みんなそれぞれお気に入りのお店があるといわれていますが、その中でも群を抜いて人気なのが「エッサ・ベーグル」。
何種類ものスプレッドやフィリングが並んでいるショーケースを眺めていると、あれもこれも食べたくなってしまいます。自分好みの組み合わせを探す楽しみもありますが、刻んだスモークサーモンをクリームチーズで和えたロックスは、押さえておくべき組み合わせですよ。
アメリカの朝ごはん:パストラミサンド(カッツ・デリカッセン)
ハンバーガーやべーグルなど、片手で食べられるサンド系グルメが充実しているアメリカで、押さえておきたいのが「パストラミサンド」。牛肉の塊を塩水に漬けくん製にし、香辛料を加えたものを薄くスライスしパンでサンドしたもので、もともとはユダヤ系移民の方たちの保存食だったとか。今では、ニューヨークを代表する定番グルメの一つです。
おいしいと評判のパストラミサンドを販売しているお店はたくさんありますが、映画「恋人たちの予感」にも登場した1888年創業の「カッツ・デリカッセン」は、抜群の人気を誇っています。
ジューシーな肉を何重にも挟んだパストラミサンドは、カッツ・デリカッセンを訪れるほとんどのお客さんがオーダーする人気メニュー。口の中に広がる肉汁とともに、ホロホロにほどけるパストラミは、一度食べると忘れられなくなるほどの逸品です。
ボリューム満点のアメリカンサイズなので、誰かと一緒に朝ごはんを楽しむときは、ほかのメニューも頼んでシェアしてみてはいかがでしょうか。
おしゃれなカフェで人気のワッフルも、アメリカではスイーツというより朝ごはんメニュー。自宅で食べるには、手間がかかってしまうので、忙しい朝には不向きな気もしますが、一般的なアメリカの家庭の朝ごはんに登場するワッフルのほとんどが冷凍のもの。レンジで解凍し、バターやメイプルシロップをかけ、ベリーやバナナなどのフルーツを添えると、手軽に朝ごはんのできあがりです。
朝からホイップクリームたっぷりのワッフルは、アメリカの朝ごはんそのものという感じ!南部などエリアによっては、ワッフルにフライドチキンが添えられていることもあるようです。見るからにハイカロリーですが、アメリカではいたって普通の組み合わせ。日本ではなかなか味わえないメニューなので、アメリカを訪れたら人気メニューを楽しんでみるのも旅行の醍醐味ですよ。
アメリカの朝ごはん:ベーコン&卵(エレンズスターダストダイナー)
アメリカで人気の朝ごはんメニューのパンケーキやワッフルなどに添えられているものといえば「ベーコン&卵」。カリカリというよりカチカチに炒めたベーコンに、スクランブルエッグや目玉焼きなどの卵料理がセットになっています。手軽に調理できて、誰もが好きなメニューなので、アメリカの朝ごはんには欠かせません。
アメリカで朝ごはんを食べるとき、わざわざオーダーしなくても、必ずといってもよいくらいの確率でついてくるスタンダードメニューです。ベーコンや卵の焼き具合は、お店によって異なるので、アメリカ旅行中はいろいろなお店のベーコン&卵を食べ比べてみてはいかがでしょう。きっと、絶妙な焼き具合の違いを発見できるはず!
アメリカの朝ごはん:ステーキ(ノームス・レストラン)
ベジタリアンやビーガンが話題になることのあるアメリカですが、アメリカ人は牛肉が大好き!そのこだわりに驚かされることもあるほどです。日本人にとってディナーメニューのステーキも、普通に朝食・ブランチ専門店のメニューに並んでいるところもアメリカらしさといえるでしょう。
地域によっても食文化の異なるアメリカですが、テネシー州のメンフィスでは日曜の教会での礼拝の後に、日本では見かけることの少ない朝食・ブランチ専門店に出かけ、みんなでそろってステーキのブランチを楽しむ習慣があるそうです。
朝ごはんに食べられるステーキは、ブランチ向けのステーキに比べると、やや薄めで脂身の少ない牛肉を使っているので、意外に食べやすいのも特徴で、朝食らしくポーチドエッグやマッシュポテトが添えられています。なかなか、ヘビーな朝ごはんという感じですが、ダイエットや快眠にも良いとされ、アメリカでは伝統的な朝食スタイルです。
ファミレスタイプのお店では、ステーキ付きの朝食メニューが用意され、ふわふわのパンケーキ付のステーキを約15ドル(チップ込み)で楽しめます。牛肉好きの多いアメリカ人に人気のお店だけあって、柔らかくてジューシーなステーキに大満足すること間違いありません。ぜひ、アメリカ旅行の際は、モーニングステーキを堪能してみてください。
アメリカの朝ごはん:シリアル(ケロッグ シリアルカフェ)
アメリカで長い間、朝ごはんの定番メニューとして大人気なのが「シリアル」。一般的には、トウモロコシ・小麦・大麦・米などの加工食品(フレーク)に牛乳をかけて食べます。日本で販売されている製品よりリーズナブルで、シンプルなコーンフレークのほかに、ドライフルーツがたっぷり入っているグラノーラなど種類も豊富!手軽に入手でき、手間がかからないところが、平日の朝ごはん向きです。
アメリカでは、小さな子供から大人まで、幅広い世代の人に支持されているシリアル。甘い味付けの子供用・見ているだけでワクワクするようなカラフルなもの・ドライフルーツや胚芽やフラックスなどの繊維質が入った健康志向の人向きなど、さまざまなタイプのシリアルがあります。
フレークにミルクをかけるだけのシンプルなものも手軽でおいしいと評判ですが、いつものミルクをココナッツミルクやアーモンドミルクに変えたり、フレッシュなフルーツをトッピングしたりすると、無限の組み合わせが楽しめるところもシリアルの魅力!日本で見かけない珍しいタイプのシリアルは、アメリカ旅行のお土産にもおすすめですよ。
アメリカの朝ごはん:エルビスサンド(アーケードレストラン)
今でも熱狂的なファンのいるエルビス・プレスリーが愛したおふくろの味といわれる「エルビスサンド」。アメリカ生まれのサンドウィッチは、簡単に調理できて朝食にもぴったり!ベーコン・ピーナッツバター・ブルベリージャム・バナナをサンドした甘じょっぱいサンドウィッチは、ホットサンドなので外側はカリッと香ばしく、中のバナナとピーナッツバターが口の中でとろけ、何とも言えないまろやかな風味が広がります。
食べ過ぎ注意なアメリカからの甘じょっぱい誘惑は、食パン・ベーコン・ピーナッツバター・バナナ・ブルベリージャムがあれば、自宅でも手軽に楽しめます。ピーナッツバターを粗挽きのもの(チャンク)に変えると、よりピーナッツの芳ばしさを味わえますし、カリカリベーコンをサンドせず、別添えにして味変しながら楽しんでみるのもありですよ。
アーケードレストラン
- 住所:
- 540 S Main St, Memphis, TN
- 電話番号:
- 901-526-5757
- 営業時間:
- (日~水曜日)7:00~15:00,(木~土曜日)7:00~23:00
- 定休日:
- 無
- アクセス:
- サウスメインストリートの南の方、GE パターソン アベニューとの交差点にあり、メンフィスのダウンタウン中心部から徒歩10分
アメリカの朝ごはん:エッグスラット(egg slut)
おしゃれで自宅でも簡単に調理できる「エッグスラット」も朝ごはんの人気メニュー。瓶の中にハーブやスパイスで味付けしたマッシュポテトを入れ、その上に生卵を乗せて湯煎するシンプルな料理がエッグスラットです。ふわふわのマッシュポテトと、湯煎して半熟になった卵をかき混ぜて食べると病みつきになること間違いなし!
マッシュポテトを作り置きし、器に卵を入れて湯煎するだけで、おしゃれで簡単な朝ごはんメニューの出来上がりです。忙しい朝にぴったり!アメリカのおしゃれな朝ごはんとして話題になったこともありましたが、特別な材料を用意することなく、満足感を得られるところも人気です。朝から、シャキッと元気になりたい時におすすめですよ。
ファッション・グルメなど、最先端のものがそろうアメリカの有名な朝ごはんを、定番から変わり種までご紹介しました。日本の朝ごはんも多様化しているとはいえ、定番といえば白いご飯にお味噌汁、卵焼き、焼き魚など。ところが、アメリカの朝ごはんは、手軽に調理でき素早く食べられ、なおかつエネルギーを多く摂取できるようなボリューム満点のメニューがたくさんありました。まさに、食文化の違いといえます。
おしゃれなカフェやレストランが街の至る所にあるニューヨークだけでなく、西海岸や南部など現地の魅力的なメニューも、ぜひ味わいたいものです。アメリカ旅行の際は、カロリーに気を付けながら、アメリカならではの朝ごはんを楽しんでくださいね。