千葉一人旅の穴場スポット16選・自然も観光もグルメも漫喫しよう！

千葉県野田市では、日本人に欠かせないある調味料が三百五十年前から作られています。その調味料とは醤油。利根川と江戸川に挟まれた立地で、醤油づくりに必要な大豆などの原料が運搬しやすかったことから、野田での醤油づくりが盛んになりました。できあがった醤油を江戸へ運ぶのも容易だったそう。

「キッコーマンもの知りしょうゆ館(きっこーまんものしりしょうゆかん)」では、醤油の歴史や製造工程がわかる工場ツアーを開催中。工場見学の歴史は古く、江戸時代には歌舞伎役者も訪れたとか。

醤油の知識を学んだあとは、併設の「まめカフェ」で、きき醤油をするのはいかが？醤油の味を食べ比べするために、お豆腐が販売されていますよ。このカフェでは、「生しょうゆうどん」や「特製もろみ豚汁」など、ちょっとした軽食もいただけます。出来立ての醤油をつかった工場ならではのフードメニューを楽しみたいですね。

敷地内には、宮内庁に納める醤油をつくるための醸造所「御用蔵(ごようくら)」も。この建物は2011年に移築されたのもので、かつてに近い形で再現されています。建設当時に使われていた装置が展示されています。

醤油工場にちなんだ歴史的建造物の見学も併せてしてみませんか？「旧野田商誘銀行(きゅうのだしょうゆうぎんこう)」は大正15年に建築されました。

建築当時に流行していたアールデコ様式で鉄筋コンクリートの二階建てです。残念ながら建物内の見学はできず、見ることができるのは外観のみですが、重厚な建物は一見の価値あり！1900年に設立された野田商誘銀行は創立メンバーのほとんどが醤油醸造家であったために銀行名が「商誘(しょうゆ)」となったそう。

野田市の代表的な洋風建築をもう一つご紹介。こちらも特産品の醤油と関係があるんですよ。「興風会館(こうふうかいかん)」は、1929年(昭和4年)にキッコーマンの創設者によって建てられました。講演会や映画会を開催するために造られ、地域の人々に密着した施設として役割を果たしてきました。現在は国登録の有形文化財に指定されています。

落ち着いた雰囲気が印象的な建物で、巨大な吹き抜けが開放的な雰囲気をかもしだしています。アールデコ風の照明器具や、うねるような手すりのデザインなど細部にまで見どころがタップリです。

野田の街をぶらぶらしたらお腹がすいてきませんか？野田には、一人旅でも入店しやすい、美味しいサンドウィッチのお店がありますよ。「コウジサンドゥイッチ スズムラ(Kouji Sandwitch Suzumura)」は、ゆったりと座れるソファー席があり、落ち着いた雰囲気。店内の窓も大きいので明るい印象ですね。

地元の人々に親しまれてきたお店ですが、どうやら近頃テレビ番組で紹介されたらしく、ますます客足が伸びているようです。どんなメニューがあるのでしょうか？

ショーケースに並ぶのは、季節のフルーツと生クリームをふんだんに使った「フルーツ系」、ボリューム満点の野菜が嬉しい「野菜系」、そしてお腹を満たしてくれること間違いなしの「惣菜系」サンドウィッチ。「ごまマヨネーズサンド」には分厚くスライスされたチャーシューが。トマトとサニーレタスに絡んだマヨネーズがたまりません！

「日替わりランチセット」には、サンドウィッチにサラダ、スープ、ポテト、ドリンクがついて950円。「お昼のドリンクセット」では好きなサンドウィッチ二つとドリンクが選べます。

千葉県佐原市は江戸時代、水路を利用した積み荷の行き来で発展しました。その繁栄ぶりは、江戸と同じように栄えていたことから「江戸優り(えどまさり)」と呼ばれたほど。地区を流れる小野川沿いには商店や蔵が軒を連ね、現在もなおその街並みが保存されています。「中村屋商店(なかむらやしょうてん)」は、1855年(安政2年)に建てられた店舗兼住宅。

「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された、この街並みを小舟に乗って巡ることができるんですよ。

伊能忠敬旧宅前から「さっぱ舟」という手漕ぎ船にのって水路をゆけば、まるで江戸時代にタイムトリップしたかのよう。ほんの三十分のコースながら、船頭さんの街並み解説は分かりやすく聞きごたえ満点。柳の下を爽やかな風に吹かれながら小江戸情緒を味わいましょう。料金は大人一人1,300円です。

佐原の「重要伝統的建造物群保存地区」の特徴は、選定された商店が現在も営業を続けているということ。「生きている街並み」と呼ばれる所以でもあります。

「水郷佐原あやめパーク(すいごうさわらあやめぱーく)」は、8ヘクタールの広さを誇る植物園で、水郷筑波国定公園内に位置しています。

パーク内の花々が見ごろを迎えると、多くの観光客で賑わいをみせます。5月には藤、6月にはハナショウブ、7月にはハス、といった具合に春から夏にかけて次々に季節の植物が園内を飾るので、おでかけするなら正に今がおすすめです。6月上旬、ハナショウブが咲くころ毎年開催される「あやめ祭り」も必見ですよ。

「あやめ祭り」では、園内の水路をサッパ舟がゆくのですが、船上には白無垢姿の花嫁さんの姿が！実はこれは昭和三十年代から四十年代まで続いていた花嫁の輿入れ「嫁入り舟」を再現したものなのです。神官が神前式をとりおこない、新郎新婦は晴れて夫婦に。多くの観客に見守られながらのお嫁入りとは、ロマンチックで素敵ですよね。

近年では「嫁入り舟」で神前式をしたい！という実際のカップルを募集して、お祭りの期間中に三組ほどのご夫婦が誕生します。

船頭さんの街並み解説が楽しい「サッパ舟」の乗り場は、「伊能忠敬旧宅(いのうただたかきゅうたく)」前から。伊能忠敬といえば、日本各地をみずからの足でまわり測量、十七年もの歳月をかけて日本地図を作ったことで知られていますね。千葉県山武郡で生まれた伊能は1762年、佐原の酒造家の婿養子となりました。

彼が十七歳から五十歳までの三十年間を過ごした、家が史跡として残されています。伊能の婿入りまえの建物で、佐原では最も古い時代の建築物です。

また主屋は1793年(寛政5年)に伊能が自ら設計し建てたもの。翌年の1794年には家業を長男に譲り、日本地図作成のために各地をまわる旅に出てゆきました。かつては隣接して伊能の書簡や測量図を保存・展示した記念館がありましたが、現在は小野川を挟んだ向こう岸に新たな記念館がオープンしています。

毎日四十キロの距離を移動し、生涯で地球一周分を歩いたといわれている伊能忠敬。ゆかりの地を訪ねれば彼のガッツのわけがわかるかもしれませんね。

「成田のお不動さま」として知られている「成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)」が開山したのは天慶3年。およそ1080年前です。

年間一千万人以上の参拝者が訪れる成田山は、江戸歌舞伎の初代・市川團十郎ゆかりの地であることでも知られています。跡継ぎに恵まれなかった初代・市川團十郎は子宝祈願のためにおとずれ、その後、長男が誕生したそう。このことに喜んだ團十郎が演じた不動明王は彼の十八番になりました。市川家が使う「成田屋」という屋号もこの頃から始まったとか。

「成田山新勝寺」では毎日、写経体験を開催しています。写経用紙には、うすく経文が印刷されているので、なぞるだけで誰でも美しい文字を書くことができます。椅子席が用意されているので足がしびれる心配もありません。さらに、自宅でゆったり写経をしたい人には「在宅写経キット」がおすすめ。写経後、成田山へ送ると奉安してくださるそう。

全身から不浄の気をしぼりだし瞑想する「密教坐禅」や2泊3日～6泊7日まで、自分のお好みで選べる「断食修行」も興味深いですね。

「成田山表参道(なりたさんおもてさんどう)」は、JR線「成田駅」前からつづく八百メートルの街道。道沿いには百五十以上の土産物店や、飲食店が並びにぎわっています。

今年の4月には、成田山にゆかりのある「成田屋」の歌舞伎役者・市川海老蔵さんが成田山開基1080年を祝して、この参道を練り歩き、さらなる賑わいをみせていました。テレビや新聞でも取り上げられたのでご存じのかたも多いかもしれませんね。創業百年以上の老舗が多く連なる「上町界隈(かんまちかいわい)」には美味しい甘味処がたくさん。

「榎屋(えのきや)」は、かつて「もんぜんや」という店名で営業していた甘味処。炭火で一本一本丁寧に焼かれた看板メニューの「焼き団子」は、食べごたえ満点！味噌だれ・みたらし・粒あん・ごまあん・かぼちゃあんの五種類の味があります。お値段はどれも、一串350円。焼き目がついて、美味しそう。

ハチミツ入りの濃厚なソフトクリームがおいしい「杉養蜂園(すぎようほうえん)」や、焼きたてのおせんべいが香ばしい「林田(はやしだ)」もおすすめです。食べ歩きができるお店が沢山あって楽しいですよ。

「いすみ鉄道(いすみてつどう)」は房総半島・大原と上総中野を結ぶローカル線。3月から4月にはボランティアの方が育てた菜の花が十五キロに亘って開花し春の訪れを告げます。

お得にいすみ鉄道を楽しみたい人には、一日乗り降り自由の「いすみ鉄道1日フリー乗車券」が、おすすめ。大人1,200円で発売中です(土曜日と日曜日、休日は1,500円)。十四駅全てを制覇したいですね。さらに、いすみ鉄道の上り列車始発駅・大原には鉄道グッズがゲットできる売店があります。オリジナルのカレー味スナックや最中は必見！

いすみ鉄道では2009年より、フィンランド発の人気キャラクター・ムーミンのキャラクターが車体にあしらわれた「ムーミン列車」の運行が始まりました。でもなぜムーミンなのでしょう？実はこれは社長の「ローカル線への乗車で非日常を体験してほしい」という想いから始まったとのこと。いすみ鉄道もムーミン谷もお花畑の中にある、という共通点も一因だったそう。

始発から四駅目の「風そよぐ谷 国吉駅」には、ムーミンショップがあり、グッズを買うこともできます。「西大原駅」と「上総東駅」の間には「ムーミン池」がありムーミンのキャラクターたちが釣りを楽しんでいます。是非見つけてくださいね！

いすみ鉄道に乗って千葉ローカル線の旅を満喫。さあ、どの駅で降りましょう？おすすめは絶品のグルメを食べられる「番所(ばんしょ)」がある「大多喜駅」です。

駅から歩いて1分という好立地にあるこちらでは、あんみつなどの甘味やコーヒーもいただけます。春には大多喜町名物の筍をつかった、シャッキシャキの「朝採れ筍の天ぷら」や「筍ごはん」などの旬メニューを求めて訪れるお客さんもたくさん。お値段もリーズナブルなので、おすすめのレストランですよ。

さらに、おすすめなのは罠にかけたメスの猪の肉をボリューム満点の丼ものにした「猪十六丼」。新鮮な猪肉は、臭みもなくて食べやすいので病みつきになってしまうかもしれませんね。猪を使ったメニューは他にもあり「猪カレー」や「猪ギョウザ」も食べてみる価値あり！狩猟で獲った猪でないというのは面白いですよね。

「番所」の気さくな店主は、おしゃべりが上手で商売上手だと評判！一人旅でのこういった出会いは嬉しいものです。

千葉県南東部、鴨川市には、4ヘクタールの急斜面に大小375の田んぼが連なった「大山千枚田(おおやませんまいだ)」というスポットがあります。

この「大山千枚田」は、房総半島の真ん中にある東京から一番近い棚田。雨水のみで耕作を行っているために多くの貴重な動植物が生息しているそう。平成九年に発足したNPO法人大山千枚田保存会では「田植え体験」や「自然観察体験」などを通じて、里山の棚田の保全活動を行っています。美しい「大山千枚田」をぜひ間近に見てみたいですね。

「大山千枚田」では、「たんぼへ足を入れて稲を作る意欲があること」そして「自然とつきあう勇気を持っていること」という二つを応募資格に作業参加型の棚田オーナーを募集しています。農家の方の親切な指導のもと、田植えや稲刈りなど、年に七回ほどの作業を体験できます。もちろん収穫したお米は持ち帰りOK。

棚田見学の際にその美しさにとらわれて、自分でお米を作ってみたい！と思う方も多いかもしれませんね。

千葉県南部の君津市にある「清水渓流公園(しみずけいりゅうこうえん)」は、幻想的でフォトジェニックな写真を撮れると最近人気のスポット。

15分ほどかけて整備された散策路を歩くと、辿り着くのは「濃溝の滝(のうみぞのたき)」。小さな滝ですが、風情もたっぷりで爽やかな気持ちになれます。もしかしたら、マイナスイオンが沢山でているのかもしれませんね。天然記念物に指定されている「もりあおがえる」や蛍が生息する美しい水の流れに、癒されること間違いなし！

渓流をくだること5分ほど。まるでジブリの世界観のようだ…と話題の「亀岩の洞窟(かめいわのどうくつ)」は、思わず息をのむ美しさです。春分と秋分の日の出頃には、洞窟の中の岩がハート形に見えるともいわれています。実はこの洞窟は人口的に作られたもの。江戸時代に水田への水路として掘られたそう。

公園そばには渓谷を眺めながら天然温泉につかれる源泉かけ流しの「千寿の湯(せんじゅのゆ)」があります。旅先で日帰り温泉なんて贅沢ですね！

「きみつふるさと物産館(きみつふるさとぶっさんかん)」は、君津のお土産・特産品をゲットできる人気の道の駅です。そば、カレー、ソフトクリームなどの軽食を食べられるコーナーもあるので、ちょっと足が疲れたな…という時には、こちらでおいしいものを食べながら、一息休憩していくのも良さそうですね。

君津の特産品がたくさん手に入るという「きみつふるさと物産館」では、どんなお土産を販売しているのでしょうか？

見てください！この美味しそうな君津特産品の数々。シイタケに白いゴーヤ、つきたてのお餅まであります。ピーナッツを使ったお菓子も美味しそうですね。その他にも漬物、梅干し、君津の名水で作った地酒なども売られています。生産者との距離が近い道の駅でのお買い物は、郷土色豊かで楽しいですね。

南米チリ原産の烏骨鶏・アローカナの鶏卵の販売もしています。殻が青い珍しい卵は美味しいと評判。見つけたら是非ゲットしてくださいね。

市原市にある「市原オリジナルメーカー海づり公園(いちはらおりじなるめーかーうみづりこうえん)」は、手ぶらで海釣りを体験できるスポット。養老川の河口近くに建設された桟橋は約120メートル。足場がしっかりしており、フェンスもあるので、初心者でも安心して海づりを体験できます。監視員が常駐しているのも嬉しいポイントです。

釣りに必要なエサや釣具をレンタルして、いざ海づりへ！5月にはクロダイがよく釣れるよう。ホームページでは、桟橋のライブカメラ映像を見られるので、訪問前にのぞいてみて。

「市原オリジナルメーカー海づり公園」には、イベントも沢山。毎月実施される「月間釣り大会」は、釣った魚の大きさを競うイベント。もし大きな獲物をゲットしたら係員さんに声をかけてくださいね。採寸してもらい登録してもらいましょう。大きな魚が釣れなくても一定以上の大きさなら無料で魚拓をとってくれるサービスがあります。記念に欲しいですよね。

5月から12月には月に一回、初心者向けの釣り教室も開催しています。どんどん腕をあげて、釣り大会参加を目指すのも楽しそう！

「湯快爽快 湯けむり横丁 みはま(ゆけむりよこちょう)」は深夜の二時まで楽しめる日帰り温泉施設。足湯や日替わり湯、マッサージが充実しています。

平日の入浴料は大人一人650円。お得な入浴回数券もあります。自慢の日替わり湯は風にあたりながら熱めのお湯につかれる露天風呂。「赤ワインの湯」「ローズマリーの湯」「米ぬかオリーブ湯」なんて日も！何度行っても楽しめそうですね。湯疲れしたら御影石に横たえられる「うたた寝之湯」へどうぞ。

「湯快爽快 湯けむり横丁 みはま」の飲食街は、座敷に提灯の昭和レトロな雰囲気。終日入館料なしで利用できるスポットでもあります。ラーメンが美味しい「ハヒカラ食堂」や、ガッツリ中華の定食が味わえる「大衆中華 横丁飯店」があり、気分に合わせてメニューを選べるのが嬉しいですね。また、昔ながらの駄菓子を豊富にあつかっている「おもひで屋」は、童心にかえって楽しむことができそう。

手もみ、リフレクソロジー、垢すり、マッサージなどボディメンテナンスのメニューも充実！こちらでゆっくり休んで日々の疲れを癒してください。

千葉県には自然がいっぱい。歴史的な建造物や街並みも多く、奥深い魅力が県のあちこちに点在しています。江戸時代から続く醤油工場、水路を活かした舟めぐり、一度は訪れたいスポットやイベントも盛りだくさんで、どこへ行こうか迷ってしまいますね。地元に密着したローカル線・いすみ鉄道や大山千枚田も必見です。千葉の一人旅で楽しい想い出を作ってください！