アマゾン川は、陸海空全てに殺人鬼がいるような環境です。物理的な攻撃力が高い生物や、毒でじわじわと攻めるタイプなど、無知識のまま行くと骨壺に入って帰ることになります。したがって、この記事でその危険性を知り、アマゾン川の旅行に役立ててください。
アマゾン川流域に行くときは、マナウスのAmazon Gero ToursやNey Eco Adventuresなど、ジャングル内を探索できるツアーを利用するのが一般的。ツアー会社によっては、希望体験を提出すると料金を見積もってくれたりします。ブラジルへの旅費も含めると30万円から50万円が相場で、ツアーによってはピラニア釣りや動物との触れ合いプランなどがあります。一方イキトスからアマゾンに行くときは、ハンモック船が良いでしょう。甲板上にハンモックが吊るされており、そこに寝転がりながらアマゾン川流域の観光ができます。個人経営の船も出張っているので、マイナーツアーを体験できるのでも魅力。費用は日本円で4000円から6000円くらいのものが多く、現地の食事も食べられます。
映画などで見るピラニアは、問答無用で生き物に襲い掛かりますが、これは間違いです。本来のピラニアは、温厚な性格でアクティブに相手を襲うようなことはありません。しかし、血液を見たときと群れを成しているときは別で、興奮状態になり餌と認知したものは、自分より大きい物であっても襲い掛かります。個体種によっては、恐竜と同程度の噛む力があるらしく、食事後の水域は、無残に切り刻まれた魚達が浮いていることも。画像のピラニアはボディが黄色ですが、成魚になると色が薄くなり、水中のステルス効果も高くなります。
ジャイアントイエローピラニアは、獲物に襲い掛かる以外の行動であまり動きません。普段は住処の水域で漂っていることが多く、天候や季節が変わっても移動しないで死んでしまうこともあります。しかしこの習性が観光客の事故に繋がっており、誤ってピラニアが住んでいる水域に入ってしまい、空腹のピラニアに襲い掛かられることがあります。特にジャイアントイエローピラニアは、アマゾン川周辺のパンタナル自然保護地域で生息しており、この場所はツアー観光客が多く、ピラニアを刺激してしまうことがあるそうです。したがって、行くときはタンパク質のある携帯食などを持っていかないようにしてください。誤って水中に落としてしまうと、ピラニアが興奮状態になり、思わぬ事故を誘発させてしまいます。
穴だらけの魚の死骸があったら、それは恐らくバイオレット・カンディルが食事した後です。カンディルの中でも皮膚に穴をあけて肉だけでなく、血液も吸い取る凶暴な性格が有名。30cmもある体を暴れさせながら食事をするので、近づくと誤ってツアー中の船に入る可能性があります。人身事故もかなりの件数が発生しているため、できるだけ近づかないなどの配慮が必要です。大きな生物でも15分程で食べつくしてしまうとのデータがあり、群れで見つけたときは特に注意してください。ただし夜行性なので、お昼のツアー中に遭遇することは少ないです。
バイオレット・カンディル関連のニュースで一番有名なのは、1981年に発生したソブラルサントス号沈没事件。乗員乗客400名近くが乗っていた旅客船がアマゾン川で沈没してしまい、救助船が間に合わずに乗客が自力で岸に泳いでいきました。この時ピラニアと先を争うようにして180名近くの命を奪ったのはバイオレット・カンディルと言われています。
ジャガーは、陸上だけでなく水中にある餌も食べながらアマゾン川を生き抜いてきた猛者!肉食なので、カメやワニであってもペロリと食べてしまいます。個体種によっては黒い体もあり、動物園やサファリパークでも飼育されているお馴染みの動物です。記録上では60㎞以上で走るジャガーもいますが、意外にも獲物を狩る方法は隠密行動が主流。獲物との間合いを取って一気に攻撃してきます。群れで行動することも少なく、オス同士やメス同士はお互いを避けるためにマーキングをして、縄張り内で生活しています。
メスは1年の内100日程度妊娠期があり活発に活動しないので、遭遇することは少ないです。しかし、オスは縄張り内で常に餌を探しているので、観光時には縄張りの外から見学してください。このルールを守れずに、過去にジャガーに襲われた事件も発生しています。その代表例が2019年アリゾナ州ワイルドライフ・ワールド動物園の事件です。30代女性が動物園内に設置された柵を超えて、ジャガーと自撮りしようとしたところ、襲われてしまい腕に大けがを負ってしまいました。このときは、水入りのペットボトルを遠くに投げて、そのスキにジャガーから逃げたようなので、もし現地で遭遇した人は参考にしてください。
けものフレンズで認知度がさらに広まった生物、その名もナミチスイコウモリ。地球上で唯一血液だけを飲んで生活している生き物で、ドラキュラの元になった生物ともいわれています。主に地上から四つん這いで獲物に近づき噛みつくので、飛行能力を狩りに活かすことはほとんどありません。しかし問題なのはその吸血量。空腹時は体重が50g程度ですが、その二倍以上になるまで血液を吸い取られます。その上ナミチスイコウモリは、多い時で1000匹以上で行動することもあるため、人間が襲われた場合、悲惨なことになるのは目に見えています。
ナミチスイコウモリの恐ろしいところは、吸血した相手に感染症を引き起こしてしまう可能性があることです。2017年バイーア州の農村部で、大勢の人間がナミチスイコウモリに襲われる事件が発生しました。噛まれた人の多くは狂犬病の感染が確認され、その内の一人は幻覚や混乱状態になった後に命を落としたとのこと。こういった事件は場所によっては1000人規模で発生することもあるので、アマゾン川周辺の洞窟には近寄らない方がよいでしょう。また、ナミチスイコウモリは夜に活動しているので、夜間のアマゾン川を観光するときは、現地のガイドに従ってナミチスイコウモリの活動範囲に入らないことが重要です。
クロカイマンは、アマゾン川北部から中部の支配者!獲物は魚介類が中心ですが、水辺に来た哺乳類も食べています。普段は温厚な性格ですが、刺激物に対して攻撃的になることが確認されています。植物で巣穴を作る家庭的な側面もあります。カバンなどの衣類に最適な皮が採取できることから、現在生息数が劇的に減少していることでも有名。そのため、クロカイマンを天敵としている動物達が増加傾向にあり、畑や農家を襲っているので、見かけたら刺激しないようにそっとしておきましょう。
絶対数が少ないので、クロカイマンに遭遇することもあまり無く、近年大きな事件に発展したことはないようです。ただし、ワニは獰猛な性格をしているタイプもいるので、容易に近づいてしまうと攻撃される可能性が非常に高いです。そんなクロカイマンも日本国内では、あらゆるコンテンツで活躍中!SNSでも話題になった100日後に死ぬワニは、グッズ販売もされた有名タイトルです。さらに話題になったのは、ワニでイグノーベル賞を受賞したニュース。この賞を受賞した日本人は、ワニにヘリウムガスを吸わせて、鳴き声が変わるかどうかを実験しています。SNSでも実験の様子が公開されているので、気になる方は見てみましょう。
アマゾン川のスナイパーと言えば、マツゲハブ。景色に同化して獲物を待ち、寄ってきた相手に向かって勢いよく毒の牙を向けてきます。木に同化していると、人間の首筋から毒を体内に注入してくる可能性もあり、非常に危険です。毒が体内に回ると血管や臓器が徐々に破壊されていき、血液中の凝固剤も機能不全になるため、自然治癒が一切できない体になります。血清もありますが、治療が遅れると手遅れになる可能性もあります。
威嚇するときと、求愛するときはコブラの様に直立した姿勢を数時間維持することがあるので、見かけたら逃げてください。しかし危険性が非常に高い生物ですが、その美しさからペットとして飼おうとする人がいます。その結果惨劇は起きました。2008年渋谷にて、毒蛇を50匹ほど買っている男性が、餌をあげている最中に噛まれて救急搬送されたニュースがあります。捜査の過程で動物愛護法と特定危険物飼育法に違反していることが分かり、男性は逮捕、後日ペットショップにも捜査が及んでいます。日本で毒蛇などを飼う場合、行政に申請しなければならず、飼育環境などの審査があります。したがって、この写真を見て綺麗だと思っても、軽い気持ちで飼育しようとせず、アマゾン川現地でも触らないように注意してください。
オオメジロザメは深海だけでなく、浅瀬でも活動できるため、打ち上げられているからと容易に近づくと、人間でも餌にされてしまう可能性があります。獲物を捕らえるときは何回か噛んでくるので、口を開けた瞬間に逃げられる可能性があります。ただし、多くの事例で足や腕が切断されてしまう事故に発展しているので注意が必要です。
ニカラグア湖やグアテマラに行くことがあれば細心の注意を払いましょう。これらはアマゾン川の上流にあたる場所で、オオメジロザメの住処にもなっています。行政機関でも注意を促してはいますが、たまに住処の近くに人間の手足のような物が落ちていることもあるそう。また、日本国内でも1996年にサーフィンをしていた男性がオオメジロザメに襲われる事件が発生しました。この獰猛な性格が注目され、日本国内の水族館でも飼育されていますが、過去には他のサメを食べてしまった事故があるので、間違っても遭遇しない方が良い生物の一つです。
オオアナコンダはどんな獲物でも丸呑みしてしまいます。交尾した後はオスを食べて出産に備えるらしく、カマキリと似たような繁殖行為が話題。大きいメスだと9m近くのオオアナコンダが存在し、オスと毛糸玉のように丸まって交尾することが確認されています。毒は持っていませんが、直径30㎝もの巨体を獲物を絡ませて絞め殺してしまいます。アマゾン川をボートで下っていると高い確率で見られるので、観光客の中にはオオアナコンダを観るためにアマゾンに行く人もいるほど。ただし産まれたての子供でも大きさが60cmほどあり、既に狩りの能力が備わっているため、小さいからと油断しないように!
過去にオオアナコンダに食べられてみたいという好奇心の元、実験が行われたことがあります。結果上半身はオオアナコンダの体内に入りましたが、実験者がギブアップのため終了。特性の防御スーツの上からでも絞められた痕が体中にあり、オオアナコンダの拘束力を身をもってレポートしてくれていました。オオアナコンダの口には伸縮自在の釼があり、大きい物を食べても顎が外れる心配がありません。人間を食べたときは、頭部を覆うようにゆっくりと口を開いていき、少しずつ飲み込んでいくので、実験者も獲物の気持ちが分かったとのこと。当たり前ですがくれぐれも真似しないように!
デンキウナギは、馬も感電死させるほどの電流を流すことができますが、どうやって発電しているのか気になりませんか?実は電気ウナギは体半分が小さな発電版の集合体でできており、これを筋肉で震わせて発電しています。そしてデンキウナギの頭は電極のプラス極、尻尾はマイナス極になっているため、乾電池と同じ原理で電気を放出する仕組みです。発電した電気は電圧が600Ⅴ、電流が1A程で、一匹でおよそエアコン三台分の電気を発電していることに!
そこでとある科学者は、他の発電できる生物を使って発電機を作ったことがあります。実験の結果、実用的なレベルで発電するには、いくつか科学的な問題をクリアしなければならないとのこと。しかし、デンキウナギの発電版の原理を人工的に再現した機械は発表されています。規模が若干大きく、各家庭に配備するまでには至っていませんが、近い将来ソーラーパネルに代わる新たなエネルギーとなりえるかも?面白い実験ではありますが、興味本位でデンキウナギに触ることはお勧めしません。アマゾンのデンキウナギは群れで暮らしていることが多く、一匹でも刺激してしまうと、それに驚いた他のデンキウナギが発電し、付近一帯の水辺に電流が流れてしまい大変危険です。
生息地域がコロンビア付近のアマゾン川流域のみなので、観光ツアーで会うことはほとんどないかもしれません。しかし一度会ってしまったら、絶対に触らないでください。体にはパリトキシンと呼ばれる神経毒が含まれています。パリトキシン自体は割と新しく発見された毒の一つですが、記録上では化学兵器として戦争で使われていた歴史があるようです。毒は触るだけでも皮膚が痺れ、体内に入れば神経麻痺や動脈収縮が起こり、高い確率で死に至ります。このことから地球上でもっとも強い毒とされ、化学兵器禁止条約が結ばれたほど。
モウドクフキヤガエルは、自分で毒を作る方法を持っていません。幼虫など自分と同じくらいの大きさの虫を食べ、それらを体内で混ぜ込み、皮膚の成分として分泌させています。分泌された毒に対しては遺伝子レベルで耐性を持っていますが、その他の成分に対して耐性を持っていない可能性が指摘され、その影響で絶滅の危機に直面しているとの情報あり。綺麗な色からペットとして飼いたいと希望する人も多く、日本国内のペットショップでも販売されているので、ルールを守って飼育すれば、鑑賞用としておすすめ。ただし1匹2万円から3万円する上に、餌になるコオロギなどの飼育環境も必要なので、結構大変ですよ?
アマゾン淡水エイは、淡水エイの中でも対応方法を誤れば、命を落とす程の強力な毒針の持ち主。攻撃性は強く、敵や獲物とみなすとサソリのように針を刺してくるので、アマゾン川で泳ぐときは、安全が確認できる場所で!もし刺されたときは、可能ならば患部を温水に浸してください。熱さで毒がある程度分解される可能性があります。ただし体内にある毒によって対応方法が違うので、正しい判断ができないときは、無理に処置しようとせず、速やかに病院へ!
個体種によっては、生息数が減少傾向にありますが、アマゾン川中流域にはアマゾン淡水エイが沢山いる場所も多く、水中を観ると様々な模様のアマゾン淡水エイが観られるので、写真映えスポットを探している人はチェック!そんな綺麗なアマゾン淡水エイですが、2016年海外の水族館で、ベテランスタッフが淡水エイに刺されて亡くなるという痛ましい事件も発生しています。
ドッグトゥーステトラは人間を襲うことはありませんが、釣り人の事故が多発している魚です。現地ではヴァンパイアフィッシュとも呼ばれ、下顎に付いた大きな牙が特徴。この牙を使い、アマゾン川ではピラニアなどの魚を主食にしているとのこと。そのため誤って食事中のドッグトゥーステトラを釣り上げてしまい、そのまま餌と間違えられて噛まれて怪我をすることも!したがってピラニアのいる場所には近づかないように注意してください。
事故が多発するのは、アマゾンの雨季に当たる12月から6月まで。特に5月は水位が高く、繁殖する生物も多いので、まさにドッグトゥーステトラにとってのレストラン!成魚になると体長が1m近く、牙も15cm程まで大きくなり、船と衝突して転覆の危険性すらあります。この時期に水中にいると、高い確率で他の生物からも命を狙われるため、対処方法よりも事故に合わない観光をするのが重要です。水位が上昇していると、ピラニアも上流下流問わず生息しているため、ドッグトゥーステトラも必ずいると判断しましょう。
オオアリクイは、食事の邪魔をされるのが大嫌い!不用意に近づくと、40kgある体重を乗せて自慢のアリクイパンチを繰り出し、骨折する可能性があります。この生物はアリの巣を探すために、長い口と共に腕も発達しており、指先にはコンクリートよりも硬いとされる鋭利な爪が生えています。それを硬いアリ塚に突き刺して巣を破壊しているため、研ぎ石のような役目を担っているらしく、ちょっと触るだけで出血することも?
活動範囲がアマゾン川全域に及んでいますが、毛皮採取の目的で乱獲された歴史があり、現在は絶対数を減らし国際自然保護連合からは絶滅危惧種の指定を受けています。そのため危害を加えてしまうと、ブラジルの動物保護法に触れてしまう可能性があります。ワシントン条約附属書に違反していると、条約のことを知る知らないに関わらず、100万円以下の罰金か懲役1年以下の実刑を受けることに!もちろん持ち込んだ動植物は没収され、生きていれば元の場所に返されるそうです。
もしオセロットと写真を撮ったり、触りたい人がいたら、オセロットを飼っている民家に依頼してください。警戒心が低く、アマゾン川周辺の民家にも姿を現すので、勘違いされがちですが、力加減の分かっていない野生のオセロットと遊ぶと、高い確率で怪我をします。子どもでも足の爪がかなり鋭いので要注意!しかしオセロットの毛並みは、短毛ですがふわふわして気持ち良いので、機会があったら是非触ってみてください。
日本国内の動物園では、よこはま動物園ズーラシアにいるオセロットのメロディが有名。しかし、2020年9月、24歳の生涯に幕を閉じました。人間に対する警戒心が全くなく、撫でられるのが大好きな国内動物園最後のオセロットでした。絶滅危惧種なので、再度の輸入は難しいかもしれませんが、今回紹介する危険生物の中で、最も可愛い生き物です。鶏肉が好物なので、お世話になる民家にオセロットがいるときは、マナウスで買って行くと良いかもしれません。
先端にあるノコギリのような歯は、鱗が発達したものと考えられています。ノコギリエイはこれを使って小魚を攻撃して食べたりします。人間の死亡事故は発生していないようですが、餌を目の前にすると狂暴になるので、現地住民の間でも近づくことを推奨していません。アマゾン川の淡水域に生息しており、成魚になると7m以上になる個体種が確認済み。しかし成長過程でサメやワニに捕食されることも珍しくなく、記録では生きているノコギリエイの半数以上が他の生物に襲われた傷をもっているようです。したがって、近くにいると人間もノコギリエイと一緒に攻撃されてしまう可能性が?
特徴のある歯は売り物になるので、現在でも密漁のターゲットにされています。ブラジルやアメリカのノコギリエイの生存数は非常に少なく、一説には合計2000匹程度しかいないとも言われているようです。驚かさなければ危害を加えてくる可能性は低いので、見かけても写真を撮る程度に留めておきましょう。ベストショットが撮れないときは、日本国内のマクセルアクアパーク品川がおすすめ。館内で写真撮影ができる水族館で、ノコギリエイもいます。
アマゾン川にいくときは、危険生物だけでなく、感染症にも気を付けなくてはなりません。行くに前には複数の予防接種と、コレラ菌予防の薬を服用してください。一部の予防接種は入国資格を満たす条件でもあるので、必ず受診するように!また指定された予防接種以外にも、狂犬病や破傷風、A型肝炎やB型肝炎を発症する可能性があるので、予防接種の受診をおすすめします。しかしこれらの対策をしても、危険生物に遭遇したら、命の危険にも晒される可能性があるので、十分に気を付けてください。
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