フィリピン基本情報 【交通手段編】

フィリピンの町を歩くと、日本では見慣れないシーンをたびたび見かけることになります。建物や町並みのみならず、移動手段もどこか昔の日本を彷彿させるようなバイタリティ溢れるものがあります。色鮮やかで種類も豊富な乗り物を見ていると、フィリピンという国を語るうえで欠かせないものと感じられることだと思います。それでは、交通手段ごとに見ていきます。

7000を超える島からなるフィリピンを旅するうえで、最も楽なのが飛行機。首都マニラや第二の都市セブをはじめとして、20カ所以上に空港が整備されています。ナショナルフラッグキャリアのフィリピン航空の他、エアフィル・エクスプレス、シーエア、LCC（格安航空会社）のセブ・パシフィックなど色々な航空会社があり、価格、ルート、サービス、時間などが多岐にわたっていることから、用途に合った会社を選びましょう。

フィリピン庶民の足としてあちこちで見かけるのが、このジプニーとミニバス。特にジプニーは、個人的にはフィリピンを代表するものだとさえ感じます。いわゆる乗り合いバスであり、20円程度と安い値段設定は日本人にとって非常に魅力的です。地元の人でぎゅうぎゅう詰めになったジプニーに乗って移動すると、フィリピンに来た！という雰囲気を味わえます！ただし、スリや強盗も多いので十分な注意が必要です。

こちらも庶民の足であり、またフィリピンの代表的な乗り物のひとつ、トライシクル。オートバイを使ったものの他、自転車のものもあり、インドやタイなどの東南アジアでは広く使われているタイプの乗り物です。値段は交渉制なので事前に相場をチェックしておく必要があります。一台のトライシクルに10人近くのフィリピン人が乗っているところを見ると、彼らのエネルギーのようなものを感じずにはいられません。

もちろんフィリピンにはたくさんのタクシーも走っています。ただし、トライシクルと同様、値段はメーター制もあれば交渉制のものもあります。交渉の場合、近距離でも平気で500ペソとか600ペソとか言ってくる運転手もいるので、ぼったくられないようにしましょう。また非正規のタクシーも多く、流しのタクシーは強盗に豹変する可能性も捨てきれません。深夜のマニラ空港などでは極力、信頼できる正規のタクシーを利用するようにしたいものです。

バスはフィリピンで最も発達している陸上交通。鉄道が整備されていない分、バスの路線も会社も豊富にあります。なんと、首都マニラからミンダナオ島南部のダバオまで直通バスが走っているほど！ちなみに、約30時間かかります。
ビクトリー・ライナー、フィルトランコなどの大手では、デラックスバスやエアコン付きのノーマルバスを、中小の会社では、中古バスやボロボロのミニバスを使っている会社もあり、値段や安全性で使い分けるのが良さそうです。

移動に便利なバスですが、エアコンが効きすぎていることもあり、南国なのに寒すぎて風邪をひいてしまう、なんてことも。そんな場合に備えて、薄手の羽織物を一枚でも持っていると安心ですね。

セブ・シティを中心としたビサヤ諸島間の移動で便利なのが高速船。セブ・シティ⇔ボホール島やセブ・シティ⇔ドゥマゲッティ、バコロド⇔イロイロなどを結んでおり、有名なのはスーパーキャットやオーシャンジェットなどといった会社です。いずれの会社も値段や所要時間に大きな差はなく、そのため出発時間などで選ぶと良いでしょう。

フィリピンではマニラを起点に、セブ、イロイロなどの長距離を大型船でクルーズすることができます。有名なところでは、2 GO Travelといった会社があります。例えば、マニラからセブへは約24時間かかり、飛行機だと1時間半程度の距離を丸一日かけて移動するというのは、なかなか時間に余裕がある人でない限り選べないかもしれません。その分、贅沢な移動手段と言えるかもしれませんね。なお、通常船室のタイプは数種類あり、代表的なものとしては上から順にスイート、キャビン、ビジネスクラス、ツーリストクラス、エコノミークラスとなっています。

フィリピンでは毎年のように沈没事故が起こっています。高速船も事故のリスクはあるのですが、特に何十時間とかかる長距離移動の船の場合、沖合で事故に遭う可能性もあります。船の旅を始める前には、事前にしっかりと情報を収集することが必要です。

フィリピンの国内移動については、スリや強盗、交通事故などの観点から、日本の外務省から以下のような注意喚起がされています。筆者が滞在した3カ月の間にも、何人もの日本人がジプニーの中でスリに遭っていたことから、地元の人が使うような交通手段は、リスクを踏まえたうえで利用する必要があると思います。またタクシーなどでぼったくられる情報も後を絶たず、やはり事前に相場を調べる、少しでもおかしいと感じたら毅然と断るといったことが必要だと思います。

フィリピン国内の主要な交通手段をまとめました。多くの島からなるフィリピンでは、やはり飛行機が最も便利ですが、その土地の生活を垣間見たり、風景をゆっくり楽しむといった観点からはバスやジプニー、フェリーなどもきっと楽しい経験になると思います。自分の旅の目的に合った交通手段を使い分け、フィリピンの旅をより楽しいものにしてくださいね！