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- 日本からカンボジアへの直行便はなく、韓国や東南アジアのベトナム、シンガポール、タイなどを経由して行くのが一般的。例えばベトナムのホーチミン経由の場合、成田、中部、関空からホーチミンまでが約6時間半、そこから首都プノンペンまで約40分。
カンボジアを訪れる上で気になることの一つが治安。内戦やポルポト派の虐殺など、どうしても暗いイメージのあるカンボジアですが、実際のところはどうなっているのでしょう?今回は気になるカンボジアの治安状況についてまとめました。
まずはカンボジアの治安について、データ面で見ていきます。
外務省からはカンボジア全土について、 「レベル1:十分注意してください。」が継続的に出されています。内容はタイとの国境付近にあり、国境が未画定となっている世界遺産プレアヴィヒア寺院の周辺地域、2008年及び2009年のテロ事件、またひったくり、スリなどがその理由に挙げられています。
ここでは観光客が多く訪れるプレアヴィヒア、プノンペン、及びアンコール遺跡観光の拠点となるシェムリアップについての情報を引用しておきます。
プレアビヒア州のタイとの国境付近に位置し,2008年7月にユネスコ世界遺産に登録された「プレアビヒア寺院」の周辺地域で,両国の主張する国境線の違いを巡り,これまで,カンボジアとタイとの間で緊張状態が発生していましたが,現在は以下のような両国間の様々な外交努力等により,プレアビヒア寺院周辺地域では概ね平穏な状況が続いています。
出典:http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?id=004&infocode=2016T079#ad-image-0
他方,同寺院周辺の両国の国境線が確定されていない状況が続いており,両国の今後の政治情勢の変化等により両国の国境付近で再び緊張が高まる可能性は否定できず,引き続き十分な注意が必要です。
出典:http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?id=004&infocode=2016T079#ad-image-0
プノンペンでは,ひったくり・スリ・侵入盗・いかさま賭博詐欺など多様な犯罪が発生しており,日本人の被害も数多く報告されているので,十分注意してください。(事例や対策については,安全対策基礎データをご参照ください。)最近では,時間帯や,場所を選ばずに犯罪が起きており,けん銃を使用した犯罪も多発しているため,一層の注意が必要です。
出典:http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?id=004&infocode=2016T079#ad-image-0
アンコール遺跡が所在するシェムリアップ州は,カンボジアで最も多くの外国人観光客が訪れますが,同州においても首都プノンペンと同様,人混みの中でのスリ被害,モトドップ(オートバイタクシー)やトゥクトゥク(三輪タクシー),レンタルバイク・自転車乗車時のひったくり被害,悪質ツアーガイド等による恐喝,あるいは休憩中の置き引き被害など,旅行者が被害に遭う例が数多く報告されていますので,十分注意してください。
出典:http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?id=004&infocode=2016T079#ad-image-0
少し古いデータですが、2011年度のカンボジアにおける殺人率は人口10万人当たり1.83人。これはマレーシアの1.90人(2010年度)やベルギーの1.76人(2013年度)とほぼ同じ数値であり、比較的低い数値になっています。カンボジアと聞くとどうしても悲惨な内戦を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、今では約200か国・地域の中で150位程度と、殺人の発生率でみると比較的安全と言えるでしょう。
とは言え、外務省の情報にもあるように、内戦時代に広がった銃器を用いた犯罪や、郊外ではまだ地雷の撤去作業が続いているような状況もあります。ふとしたことで治安状況が大きく変わることも考えられるので、訪れる前には最新の治安情報を入手する必要があります。
筆者は2015年1月にシェムリアップを訪れました。シェムリアップに関して言えば、特に中心のパブストリートの辺りは夜になってもたくさんの観光客が集まっており、大きな危険はないと感じました。この感覚は上記のデータと一致しています。
しかしながらカンボジア全体でみると軽犯罪は増加しているという情報もあり、事実アンコール遺跡やポイぺトなどでは強盗やひったくりなどもいるようです。やはり単独行動や貴金属を見せつけるように身に着けることは避けるなど、最低限の注意は必要です。
人混みを歩いている時やアンコール遺跡観光中など、気付くとカバンが開けられ、中の金品が盗まれるといった事件が発生しているそうです。またレストランでカバンを椅子に置いておいたり、マッサージの最中にカバンを預けておくと、こちらもまた中身が抜き取られているようなケースもあるそう。簡単に開けることが出来ないカバンを体の前で持つ、外を出歩く時は大金を持ち歩かないなど、基本的な対策が必要です。
シェムリアップではレンタサイクルやトゥクトゥクをチャーターして遺跡群を回る人も多いと思います。ところが、信号待ちなどの際に後ろから走ってきたオートバイに乗った二人組が、自転車の前かごに入れておいたカバンを奪っていったり、トゥクトゥク乗車中、外側に置いてあったカバンが取られたりといった事件も発生しているようです。いずれの場合も荷物は体から離さず、また外側や車道側には置かないといった対策が可能でしょう。
なおスリでもひったくりでも、荷物を取り返すために追いかけたりすると、相手は銃器やナイフを持っている可能性もあるので危険です。取られてしまったら荷物は諦め、大使館や警察に行くことをオススメします。
最も身近なトラブルはぼったくりかもしれません。お土産を買う際など、シェムリアップであればオールドマーケットに行く人も多いと思います。中には日本語で「ヤスイヨー」などと声をかけてくる人もいますが、平気で相場の10倍、15倍の値段を言ってくることも。物価の安いカンボジアではそれほど高くは感じませんが、それでもやはり、ふっかけられたと後から気付くと不快になりますよね。日本人や欧米人が経営しているようなお店は、ちゃんと値段が明示されているケースが多いのですが、現地の人とやり取りをする際には事前に適正価格を把握しておくか、何件か回って相場を確認するのがいいと思います。
また、残念なことに銃器やナイフ類を用いた強盗や、日本人女性を狙った強姦事件も発生しています。特に、カンボジアではもともと強姦事件が多く、また日本人は気弱で警察に行かないといった誤解を持っているカンボジア人も多いとか。人通りの少ないところや夜だけでなく、都市部のホテルの室内などでも起こっているようですので、万が一ノックがあっても出ない、また女性一人での行動は避けるなど、こちらも基本的ですが対策が必要です。
その他イカサマ賭博やドルの偽札などにまつわるトラブルも発生しているようです。いずれにせよ治安情報は最新のものを入手するようにしましょう。
内戦のイメージの強いカンボジアですが、データを見る限りでは凶悪事件の発生率が高いとは言えないようです。またシェムリアップの繁華街などでは夜外出してもそれほど危険とは言えませんが、一方プノンペンやポイぺトなどでは、やはり暗くなってからの単独外出などは避けるべきでしょう。日本ではなく海外にいることを自覚し、最低限気を付けるべきところは気を付けてカンボジアの旅を楽しいものにしてくださいね。
2014年7月より、元教師の妻と世界一周の旅を始め、2016年3月に無事、帰国した33歳の元会計士。1年8カ月かけ48カ国を回る中で出会った絶景やオススメのグルメ情報など、旅に関する情報を発信していきます。
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