エル・グレコが愛した古都トレド!町歩きの必見ポイントをご紹介

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スペインに一日しかいられないなら、迷わずトレドに行け! そんな格言の通り、中世のスペイン王国の都は、今なお多くの人を惹きつけて止みません。画家エル・グレコが愛し、そして晩年を過ごした古都トレドとは、いったいどんな町なのでしょうか。トレドの定番観光スポットから、いくつかご紹介したいと思います。

16世紀のたたずまいを今に残す「世界遺産」の町

スペインの首都マドリードから、南へ約70キロ。タホ川に三方を囲まれた高台の上に築かれた町が、古都トレドです。ローマ帝国、西ゴート族、モーロ人、カスティーリャ王国と支配者は変わっても、紀元前の昔から、つねに政治・経済の中心として栄えた町でした。

ところが、1561年、首都がトレドからマドリードに移転したことで、この町を取り巻く状況は一変。時代の流れから取り残されることになりました。「16世紀で歩みを止めた町」と言われるゆえんです。

トレド (Toledo)
アクセス:
 マドリードから高速列車Avantで35分。
 バスなら1時間~1時間半。
 トレド駅から旧市街までは、タクシーで約7分。

町歩きはソコドベール広場から!

ツアー観光であれ、路線バスやタクシーを使った個人旅行であれ、車を降りる場所はたいてい旧市街の中、ソコドベール広場と決まっています。つまりはここが、旧市街歩きの出発点というわけです。

コースは、「アルカサルに寄り道しつつ、大聖堂を経由してエル・グレコの家まで」というのが定番です。距離で言えば、ほんの1キロ程度のことですから、足に自信がなくても全然問題ありません。

1キロ程度歩いて終わりでは、さすがにちょっと物足りない。そんな人たちに人気なのが、ソコドベール広場発の「ソコトレン」です。所要時間は約50分。旧市街を一周してくれますから、主な観光スポットを見て回れます。ただし、途中下車はできませんので、その点にはご注意を!

ソコトレン (zocotren)
発着場所:
ソコドベール広場から出発して旧市街を一周
運行間隔:
 夏季 30~45分に1本
 冬季 1時間に1本
料金:
4.40ユーロ~

【アルカサル】軍事博物館

11世紀にモーロ人(イスラム勢力)からトレドを奪還したアルフォンソ6世が、この地に城塞(アルカサル)を建てたのが最初でした。ただし、写真を見てもわかるとおり、現在のアルカサルはそんな古い建物ではありません。

何度も破壊と修復が繰り返されていますが、直近では、1936年のスペイン内戦時に、フランコ軍の72日間にも及ぶ籠城戦で崩壊。再建後は、甲冑や剣などが展示された「軍事博物館」として利用されています。

アルカサル (Alcázar)
住所:
C.Unión s/n
アクセス:
ソコドベール広場から徒歩2分
開館時間:
11:00~17:00
定休日:
水曜、1/1・6、5/1、12/24・25・31
電話番号:
925-238800
料金:
5ユーロ
 (日曜、3/29、4/18、5/18、10/12、12/6は無料)

【大聖堂】スペインのカトリックの総本山

1226年に造営を開始して、一応の完成をみたのは1493年のこと。ただし、細部の増改築は19世紀まで続きました。そのため、根幹はゴシック式ながら、それぞれの時代の建築様式や装飾技法が至る所に見て取れるのが特徴です。ちなみに、鐘楼の高さは約90メートルあります。

香部屋に展示されている、エル・グレコの傑作『聖衣剥奪』です。ゴルゴタの丘へと向かう直前のキリストが、ローマの兵士によって着衣を剥ぎ取られようとしている情景が描かれています。

大聖堂 (Catedral)
住所:
C.del Cardenal Cisneros 1
アクセス:
ソコドベール広場より徒歩5分
開館時間:
 10:
00~18:30
 日曜・祝日の午前はミサがあるため、開館は14:
00。
料金:
1ユーロ
 チケットの販売は閉館30分前まで。
電話番号:
925-222241

【エル・グレコの家】併設の美術館で名画を鑑賞しよう!

独自の宗教幻想的な画風で知られるエル・グレコ。彼が住んでいた場所に建っているのが「エル・グレコの家」です。アトリエはもちろん、台所から家具調度類に至るまで、16世紀の生活の様子が再現されています。(美術館も併設)。

ちなみに、エル・グレコという名前についてですが、これは単なる愛称です。ヘタな日本語に訳すと、「The ギリシャ人」という意味になります。1541年にギリシャのクレタ島で生まれているからですね。トレドにやって来たのは、1576年か77年のころ。亡くなるまでを、この地で過ごしています(1614年没)。

展示されている作品の中で、ことに有名なのがコレ! 『トレド鳥瞰図』です。写真でよく見かける南側からの遠望とは異なり、トレドの町を北側から描いた作品です。

エル・グレコ美術館 (Museo de El Greco)
住所:
Samuel Leví, s/n
アクセス:
ソコドベール広場から徒歩15分
開館時間:
 火~土 9:
30~20:00 (10~3月は18:30まで)
 日・祝 10:
00~15:00
定休日:
月曜、1/1・6、5/1、12/24・25・31
電話番号:
925-990980
料金:
5ユーロ
 (日曜、4/18、5/18、10/12、12/6は無料)

最後に:スペインの歴史と文化を凝縮した町

トレドには短時間しかいられない。そんな駆け足の旅行をされている方でも大丈夫! ココで紹介したソコドベール広場からエル・グレコの家までの道を、それこそゆっくりと歩いてみてください。

古都トレドは、キリスト教、ユダヤ教、そしてイスラム教の文化が融合して出来上がった町です。細い石畳の道を歩いているだけでも、きっといろんな発見があるはずです。スペインの歴史と文化を凝縮した町・トレドを、ぜひ一度訪ねてみてはどうでしょうか。

Caroll

昔からのクラシック音楽ファンということもあって、やっぱりヨーロッパが好きですね。あと歴史も好きなので、「旅と歴史」という視点から、いろいろと書いていければと思っています。どうぞ、よろしく!

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