大聖堂の町ソールズベリ!エイヴォン川のほとりに佇む美しい街を歩こう

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ロンドンから西へ約170km。イングランド南部の町・ソールズベリはエイヴォン川のほとりにある美しい町です。近郊には、古代の巨石遺跡ストーンヘンジもありますが、市内の見どころにも事欠きません。ソールズベリ大聖堂など、人気の観光スポットを何ヶ所か紹介してみたいと思います。

ソールズベリって、どこにあるの?

イングランド南部のカントリーサイド。ロンドンから西へ170kmほど行った所にあるのがソールズベリ Salisbury です。13世紀に築かれた比較的新しい町ですが、市内にはエイヴォン川も流れ、しっとりとした落ち着いた雰囲気が感じられます。

とはいえ、ソールズベリの町、謎に満ちたあの古代の巨石遺跡ストーンヘンジに近いとあって、むしろストーンヘンジ観光の出発拠点として知られていますし、実際、ソールズベリ自体は素通りという方もおられるようです。

そこで今回は、ソールズベリの町そのものに焦点を合わせて、散策におすすめのスポットを紹介して行きたいと思います。

ソールズベリ (Salisbury)
アクセス:
ロンドンから車で約2時間。
 鉄道ならば、ウォータールー駅から約1時間半。
 バスの場合は約3時間で、1日3本
 (ヴィクトリア・コーチ・ステーション発)。

町の中心「マーケット・スクエア」

ソールズベリの中心地といえば、やはり「マーケット・スクエア」です。駅からは歩いて10分少々。レストランやカフェなども揃っていますから、まずはこの辺りでひと休みしてはどうでしょうか。

その日が火曜か土曜であったなら、きっとマーケットが開かれているはずです。このマーケット、なんと1361年から今日まで、ずっと開かれて来たというのですから驚きです。

マーケット・スクエア (Market Square)
アクセス:
ソールズベリ駅から西へ徒歩10分
備考:
マーケットの開催は、毎週火曜と土曜。
 広場内のギルドホールには観光案内所もあり。

ソールズベリ大聖堂

ソールズベリのシンボルといえば、もちろんソールズベリ大聖堂です。建築の開始は1220年。わずか38年後の1258年には一応の完成をみています。イングランドを代表するゴシック建築の一つですが、建築当初には、まだ自慢の尖塔はできていなかったようです。

ちなみに、この尖塔の高さは123m。英国でNo.1というだけでなく、ヨーロッパ全体で見ても、ケルンの大聖堂に次ぐ、2番目の高さだそうです。

皆さんは、ジョン・コンスタブルという画家をご存知でしょうか? ターナーと並ぶ、19世紀を代表する風景画家の一人なのですが……。彼の代表作『主教の庭から見たソールズベリ大聖堂』は、まさにこの教会の美しさに魅せられて描き上げたものと言われています。

さて教会内には、言うまでもなく見どころはたくさんあるのですが、見落としてはいけないという意味では、やはり八角形をしたチャプター・ハウス Chapter House に注目です。

そこには旧約聖書にテーマを取った彫刻などもあるのですが、是非とも見ておいていただきたいのは、そういった芸術作品ではなくて……、実はマグナ・カルタの原本なのです。

マグナ・カルタ Magna Carta (大憲章)というのは、言ってみれば人権宣言の原型ですが、現在残されている4つの原本のうちの一つが、ここソールズベリ大聖堂で見られます。まさに歴史的な文書の一つですので、政治や法律に関心がある方には、是非とも見ておいてもらえればと思います。

ソールズベリ大聖堂 (Salisbury Cathedral)
住所:
6 The Close, Salisbury, Wiltshire SP1 2EJ
アクセス:
マーケット・スクエアの南、約500m
見学時間:
 ≪大聖堂≫
 月~土曜 9:
00~17:00
 日曜 12:
00~16:00
 ≪チャプター・ハウス≫
 4~10月 月~土曜 9:
30~17:30
      日曜 12:
00~16:30
 11~3月 月~土曜 10:
00~16:30
      日曜 12:
00~15:45
定休日:
無休(チャプター・ハウスは12/25)
電話番号:
01722-555120
料金:
寄付金£7.50、ツアー£12.50

モンペッソン・ハウス

ソールズベリ大聖堂には、日本風にいえば「境内」があります(英語ではThe Close と言います)。その広い境内地の中には、いろんな建物が建っているのですが、その中の一つが、ここで紹介するモンペッソン・ハウスです。

当地の名門、モンペッソン家の邸宅として、1704年にトーマス・モンペッソンが建てたものですが、アン王朝様式の建物としては傑作の部類に属します。

内部には、18世紀当時の家具調度が展示されていて、その頃の優雅な生活ぶりが感じ取れたりもするのですが……、実はこの屋敷、エマ・トンプソン主演の映画『いつか晴れた日に』の舞台にもなっていますから、ひょっとしたら映画の中でもうご覧になっているかもしれません(現在はナショナル・トラストの所有)。

モンペッソン・ハウス (Mompesson House)
住所:
The Close, Salisbury SP1 2EL
営業時間:
11:00~17:00
アクセス:
大聖堂の境内(The Close内)
開館期間:
 4/2~10/3の土曜~水曜
 7/28~9/2 毎日
 ※変更の可能性あり(公式サイトで確認を!)
電話番号:
01722-420980
料金:
£7

ソールズベリ博物館

ソールズベリ大聖堂のThe Closeにあるものとしては、ソールズベリ博物館も見ておいて損はありません。実際はキングズ・ハウス The King's House という14世紀の建物の中に入っているのが、ソールズベリに関連するさまざまな資料が揃っています。

特に注目すべきものとしては、やはりストーンヘイジ関連ではないでしょうか。遺跡やその周辺から発掘された出土品の数々が展示されています。

ソールズベリ博物館 (Salisbury Museum)
住所:
The Kings House, 65 The Close, Salisbury SP1 2EN
営業時間:
10:00~17:00
アクセス:
大聖堂の境内(THE Close内)
定休日:
日曜
 (6~9月の日曜は12:
00~17:00)
電話番号:
01722-332151
料金:
大人£8、子供£4

オールド・セーラム

「ソールズベリの町は13世紀に築かれた」と上に書きましたが、ではそれまでこの辺りには誰も住んでいなかったのでしょうか。もちろんそんなはずはありません。実は、ソールズベリ大聖堂ができるまでは、人々は今の町から3kmほど北へ行ったところで暮らしていました。

そこは高台の町だったのですが、もうすでに手狭になっていた上に、水の便も悪かったとあって、大聖堂ができるや、住民の大移動が起こってしまったというわけです。そして昔の町は今では遺構として残っているだけ。それがオールド・セーラム Old Sarum です(ニュー・セーラムと言えば、それはソールズベリを意味します)。

ソールズベリからストーンヘイジのツアーに参加すると、たいてい「おまけ」のようにオールド・セーラム観光がセットになっていますが、ストーンヘイジほどの感動を期待していると、やっぱりちょっとガッカリすると思います。

でもその反対に、遺跡が好き、あるいは遺構や周囲の風景から、いろいろとイメージを膨らませられる人には、それなりに楽しめるのではないでしょうか。もちろん高台ですから、眺めは上の写真のとおり! 馬や羊が放牧されているような、結構のんびりとした場所です。

オールド・セーラム (Old Sarum)
住所:
Castle Rd, Salisbury, Wiltshire SP1 3SD
アクセス:
ソールズベリの北3.2km
 Castle Road を道なりに行けばOK。
見学時間:
2016年度は以下のとおり
 3/25~9/30 10:
00~18:00
 10/1~10/31 10:
00~17:00
 11/1~3/31 10:
00~16:00
定休日:
12/24~26、1/1
電話番号:
01722-335398
料金:
大人£4.50、子供2.70

最後に・・・

イングランド南部の町・ソールズベリについて、ほんの少しですが紹介してみました。確かにストーンヘンジは素晴らしい遺跡ですが、ソールズベリ市内を見ないで帰るのは、さすがにちょっと勿体無いのではないでしょうか。ストーンヘンジ観光とセットで、ぜひぜひソールズベリの町も楽しんでもらえたらと思います。

Caroll

昔からのクラシック音楽ファンということもあって、やっぱりヨーロッパが好きですね。あと歴史も好きなので、「旅と歴史」という視点から、いろいろと書いていければと思っています。どうぞ、よろしく!

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