鉄子も鉄男も大満足!世界最大級のイギリス国立鉄道博物館に行こう

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われこそは鉄道ファンなり!と自任される方に、ぜひともオススメしたいのがイギリス国立鉄道博物館です。鉄道発祥の国とあって、その規模は世界最大級。イギリスの鉄道史を彩ってきた名機関車はもちろんのこと、レアな鉄道関連グッズも数多く展示されています。

国立鉄道博物館とは?

鉄道大好き!ということであれば、大人から子供まで年齢に関係なく楽しめるのが、イギリス国立鉄道博物館です。世界初の鉄道路線が開業して約200年。その間に活躍した機関車や貨車、そして鉄道に付随した数十万点にも及ぶグッズが収蔵されています。

場所はイングランド北部の町・ヨーク。ロンドンのキングス・クロス駅から2時間ほどかかりますが、博物館自体は駅の構内にあるようなものですから、その意味で言えば、アクセスは抜群です。

駅に見立てた Station Hall

博物館内は、大きくいくつかのセクションに分かれていますが、その一つがStation Hallです。ヨークの貨物駅だった場所を再活用して、まるで駅に列車が停車しているかのように展示されています。

Station Hall の中で特に人気なのは、王室関連の人たちが利用した、いわゆるお召し列車です。イラストの描かれた小さな幕(?)が下がっていますが、それを見るだけで、「ああこれは誰それが乗っていた列車なんだな」ということがわかります。

たとえば上の写真。左側の人物はヴィクトリア女王ですから、そこに置かれているのは、女王が愛用した列車ということになります。

蒸気機関車といえば、日本では黒のボディーというイメージがありますが、イギリスの機関車はなかなかにカラフルです。

もちろん車内には入れませんが、ホームに停車しているわけですから、中の様子もしっかり確認できます。さすがにロイヤル・トレインだけに内装も豪華そのものです。

こちらはStation Hallにあるレストランです。列車に合わせて、少しレトロな感じになっていますね。

車両庫を改装した Great Hall

Station Hallとは別棟にあるのが、もとはヨーク駅の車両庫だったGreat Hallです。鉄道史を彩ってきた有名な機関車たちが所狭しと置かれています。

ちなみに上の写真に写っているのは、「鉄道の父」ジョージ・スチーブンソンの出世作ともいえる『ロケット号』です(ただし、これはレプリカ)。後の時代と比較するとまだまだですが、それでも40トンの貨物を時速40kmで運べるようになりました。これは当時としては、大変な進歩だったのです。

人気ナンバーワンの車両といえばこちら! 蒸気機関車で世界最速を記録したマラード号 Mallard です。ブルーの車体はまだしも、流線型という点がなんとも斬新。外見を見ただけでは、とても蒸気機関車とは思えませんね。

マラード号に付けられたプレートですが、読めるでしょうか? 1938年7月3日、時速126マイルを達成したと記されています。マイルをキロに直せば、約202kmになりますが……、第2次世界大戦前ということを考えれば、これはかなりスゴイことなのではないでしょうか。

イギリス国鉄 British Railways が製造した最後の蒸気機関車『イヴニング・スター』です。造られたのは1960年。保存車になることが決定していたこともあり、1965年には廃車となっています。

最後に紹介するのは、おなじみの0系新幹線です。2001年にJR西日本によって寄贈されたものですが、イギリスの鉄道ファンにも結構気に入られているようです。車内が休憩コーナーとして利用されており、JRのプロモーションビデオが流されていたりします。

こちらの Great Hall には、ひと休みできるカフェがあります。なにせこの鉄道博物館、機関車100両以上、客車・貨車にいたっては200両ほどもありますから、本気で見て回るには時間が必要です。

The Works

こちらは The Works というセクションの修繕庫です。廃車になった機関車などもここで復元されており、その様子が眺められます。

ちなみに、鉄道博物館への入場は無料ですが、入る際に少額の寄付を求められます。協賛企業からの支援があるとはいえ、修理・復元作業をはじめ、さまざまなことをやろうとすれば、皆さんからの協力が必要だからです。その点だけは、覚えておいてください。

アンティーク・ショップのような Ware House

まるで鉄道関連のアンティーク・ショップといった趣を呈しているのが、ここ Ware House です。「鉄道関連の小物なら何でもござれ」といった感じですので、かなりマニアックな方にも満足していただけるのではないでしょうか。

Ware House は、単にグッズを並べて展示しているだけではありません。鉄道模型を使ってポイントの切り替えを実演しつつ、鉄道の安全性について解説する……なんてこともやっています。実際にそんな役割を担っているのが、上の写真の人たちです。

国立鉄道博物館 (National Railway Museum)
住所:
Leeman Rd, York YO26 4XJ
営業時間:
10:00~18:00
アクセス:
ヨーク駅から徒歩2、3分
 ロンドンからヨークまでは鉄道で約2時間
定休日:
12/24~26
電話番号:
0844-815-3139
料金:
無料

最後に・・・

国立鉄道博物館には、その他にも Search Engine と呼ばれる資料室のようなセクションもありますし、充実したグッズ・ショップも備えています。鉄道ファンはもちろん、そうでない方にも結構人気の施設ですので、ヨーク観光とも合わせて、ぜひぜひ訪ねてみてください。

なお、博物館を見学した後、さらにヨークの町も観光してみたいという場合には(あるいはその逆)、博物館とヨークの旧市街を結ぶロードトレインが便利です。

Caroll

昔からのクラシック音楽ファンということもあって、やっぱりヨーロッパが好きですね。あと歴史も好きなので、「旅と歴史」という視点から、いろいろと書いていければと思っています。どうぞ、よろしく!

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