アニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地10選！聖地巡礼をして盛り上がろう

響け！ユーフォニアムは、小説家の武田綾乃（たけだあやの）による作品です。これは作者にとって2作目で、2013年12月に刊行しました。その後コミカライズが行われ、2015年4月にテレビアニメ化します。アニメは第1期と第2期、その他映画版があります。内容は京都・宇治にある北宇治高校吹奏楽部が舞台。この部員たちによる青春物語です。主人公の1年生、黄前久美子（おうまえくみこ）の担当楽器がユーフォニアムです。ちなみにユーフォニアムとは金管楽器の一種。姉の影響で初めたユーフォニアムの練習を久美子は続けます。そしてほかの楽器を担当する部員たちとの物語が、宇治の風景を舞台に繰り広げられます。

平等院の裏手にあるベンチは、アニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。これは主人公のマンションのある場所の近くと言う設定。ベンチの横にあるのは「井川用水機場前」です。ここでは友達と一緒にベンチで座って会話を楽しんだり、ときには楽器を吹いたりするシーンで登場します。この場所の裏を見ると、世界的に有名な平等院。このアニメは京都宇治のあらゆるところが出てきますが、その中でもトップクラスに有名な観光地です。また「そのもの」ではなく、さりげなく裏手のベンチが重要な聖地というのは、非常に興味深いところです。

平等院は単立の仏教寺院です。宇治川のすぐ西側で、寺院と川の間に挟まれるように、聖地にあたるベンチがあります。開基は平安時代の摂政と関白を担当した藤原頼通。寺院ですが、むしろ鳳凰堂の建物が有名です。十円玉に刻まれている建物で、平安時代の上級貴族の建物「寝殿造」が残されています。また目の前の浄土庭園も大変美しく、フォトジェニックに一枚撮影してください。敷地内には庭園のほか平等院ミュージアムがあります。また鳳凰堂内部の見学も可能。ただその際の注意点として時間制限があります。あらかじめ受付で時間券を購入して、指定された時間内に見学を済ませましょう。

京阪宇治駅はアニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。ここは宇治駅から京阪電車に乗り込む際のシーンで、駅の様子や電車の内部を忠実に再現しました。駅の構内の建物をはじめ改札、ICをタッチして中に入る様子、ホームで待っている電車と行き先を示す案内板、そして車内のシートの色や窓の大きさなどです。あまりの再現度の高さのためアニメと言うより実写ドラマを見ているようです。実際に宇治駅にくれば、あらゆるところにアニメのシーンと同じスポットがあるので、聖地巡礼時には少し時間をかけて探してみましょう。

京阪宇治駅は京阪宇治線の終着駅。JRの宇治駅がありますが、両者は距離が890メートルも離れているので注意してください。1913年に開業。当初は貨物輸送も行っていました。アニメにも頻繁に登場する現在の駅は1995年に完成します。デザインを重視した特徴ある駅舎で、設計者は京都市生まれの建築家・若林広幸氏の手によるものです。そして1996年に私鉄の駅として初めてとなる、グッドデザイン賞を受賞しました。かつては京都・大阪方面の直通電車も運行されていましたが、現在は中書島駅で乗り換える必要があります。

朝霧橋東詰はアニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。この場所は複数話で登場します。第4話で秀一と久美子が滝先生について話している場面。そこに麗奈がやってきて抗議します。次に登場するのは6話。ここでは橋詰の横にある河川敷に来る場面です。久美子らがユーフォニアムの演奏の練習をします。さらに11話でも登場。学校帰りで久美子あるものを目撃します。それは秀一が自主練をしていたシーン。また橋のすぐ横にある屋根のついた門が見えます。これは宇治神社の船着き場です。特徴的な建物のため、聖地巡礼の目印になり訪問者にはわかりやすいでしょう。

朝霧橋は朱色の橋で宇治川に架かっている橋。宇治川の東側から中州・橘島に行けます。宇治神社から平等院を結ぶルート中にあり、中州からは橘橋で対岸に行けます。1972年に完成。全長74メートルあります。橋の上からは、宇治川本流の流れが見渡せなかなかの絶景。またアニメでは登場しませんが、東詰には宇治十帖モニュメントがあります。これは源氏物語54帖のうち、宇治を舞台にした最後の10の部分。匂宮が宇治に来て浮舟を抱き、小舟で漕ぎだす部分をモチーフにしました。聖地巡礼とセットで訪れましょう。

JR宇治駅はアニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。京阪宇治駅は通学のシーンでリアリティに描かれていますが、JRの駅も登場します。京阪同様JRの駅も再現度が高く、外観のシーンをはじめ線路と通路の間にある柵の形、8話で登場するインパクトのある時計塔、駅前のセブンイレブンの様子が忠実に再現されました。特に目を引くのが駅前に茶壷の形をした郵便ポストの存在です。これは印象深いこともありアニメのシーンでは何度も登場し、登場人物たちを後ろから穏やかに見つめているように鎮座しています。

JR宇治駅は、奈良線の駅です。1896年に開業しました。近くにユニチカ宇治工場があり、かつては専用線が分岐して化学薬品を輸送していたことがあります。2000年に現在の駅舎にリニューアルしています。外観は平等院鳳凰堂をモチーフにした造り。橋上駅で快速列車も停車します。アニメでも頻繁に登場する駅前の郵便ポストは、駅の南口にあります。これは2001年に宇治市政50年を記念して設置しました。茶所・宇治を意識して茶壷の形になっています。近くには休憩施設を備えた観光案内所があります。聖地巡りで最初にJR宇治駅に来たり聖地巡りで疲れたりしたら、ぜひ立ち寄ってみましょう。

宇治神社はアニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。これは宇治の奇祭と言われているあがた祭りの夜で登場。久美子が麗奈からユーフォニアムを持ってくるように言われ、楽器を背中に背負い、神社の石段を走って上がります。息を荒げながら登っていくシーンが印象的。そして無事に階段を上ると本殿が登場する場面になります。麗奈が待っていて、久美子に一緒に大吉山に登るように言います。このシーンは夜の祭りが行われる場面なので暗い夜道。聖地巡礼で夜は行きづらいですが、昼間でも十分その雰囲気が味わえます。

宇治神社は宇治川の東側、宇治山田地区にあります。正確な創建年代は不明。祭神は菟道稚郎子命（うじのわきいらつこのみこと）で、古事記・日本書紀で登場する応神天皇の皇子です。天皇に寵愛されながら、異母兄の仁徳に皇位を譲るために自殺したとされます。本殿は国の重要文化財。鎌倉時代後期に造営され、三間社流造、檜皮葺です。また2018年9月にに発生した台風21号で神社の大鳥居が土台部分から折れて倒壊する被害がありました。撤去されましたが、すぐに建て直され、同じ年の12月に新しい鳥居が復活しています。

大吉山展望台はアニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。これは上の宇治神社のシーンの続きで登場。神社でユーフォニアムを背負った久美子と合流した麗奈は、一緒に神社からその奥に登山道が続きます。登山道は整備されていますが未舗装。アニメでは夜の登山道をふたりが歩いていきます。ここでも再現性が高く、例えば山道を歩いていくときに映る木の生え方までそっくりです。こうして登りきるといよいよ大吉山展望台が登場。簡易的な東屋があり、その先からは宇治の町が一望できます。そしてアニメではここで「愛を見つけた場所」を演奏しました。

展望台のある大吉山は、別名仏徳山とばれます。宇治上神社から宇治神社と宇治市源氏物語ミュージアムを結ぶ観光道路の途中に登山口があります。ちなみに登山道は、東京の高尾山と大阪の箕面を結ぶ東海自然歩道の一部。未舗装の登山道からは四季折々の蔵花が咲き誇ります。展望台は24時間出入り自由。昼間は宇治市内の絶景、観光スポットの平等院、中州の橘島、宇治川が見えます。夜になればは光り輝く夜景が見渡せます。展望台にはトイレもあり安心。聖地巡礼で夜は厳しいです。とはいえできれば宇治市内で宿泊するなどしてアニメと同じ時間帯に来てみましょう。美しい夜景を望めば、アニメと同じ楽器の音色が聞こえるかもしれません。

宇治市文化センターはアニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。これはアニメでは11話で登場します。外観の全景をはじめ関係者用の通用口のシーン、ホール内の階段と通路などが忠実に再現されています。また聖地巡礼で注意したいのは大ホールの2階と3階のロビーです。このエリアには大ホールのイベントを開催していないと立ち入り禁止。スケジュールをあらかじめ確認しておいてください。文化センターでは入り口のドア付近やホール内のロビーで登場人物たちの会話が繰り広げられます。大ホール利用時に訪問して、ホールでのイベント体験とセットで聖地巡礼を楽しみましょう。

宇治市文化センターは、1984年に完成した宇治市の文化施設です。大小のホールを中心に、別棟で歴史資料館、中央図書館、中央公民館があります。年間を通じて様々な催しを開催。地元の演奏会などで使われます。また1308席ある大ホールや394席となっている小ホールの貸し出しを行っています。そしてアニメの舞台になったことが縁で、例年「響け！ユーフォニアム」の名前を冠したお祭りフェスティバルを開催。聖地巡礼にはまたとないチャンスです。スケジュールをあらかじめチェックしてそのタイミングに行ってみましょう。

三室戸の水管橋はアニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。これは「響け!ユーフォニアム2」のオープニングで登場します。久美子とあすか先輩が水管橋のちょうど真下に位置する河川敷に腰掛けます。そしてふたりの上から川の対岸に続く、水管橋のシーンが印象的。このシーンは9話で登場し、あすか先輩が練習している場所として登場します。そこに久美子が来て会話を展開します。このときは川側から水管橋の真下で、陣取るふたりや水管橋を横から移す場面。この横からのカットは、いろんな角度からクローズアップされていて、実際に見比べてみましょう。

上水道で途中に川や谷がある場合に設置される水管橋。観光名所ではなく、また人の往来ができないので、Googleマップなどでその場所が出てきません。ただ情報により莵道車田と言う場所は特定されています。行き方は三室戸駅の出口から線路沿いに少し北に進み、最初の道を右に曲がってください。その道をまっすぐ進めば宇治川の河川敷の前に出られ、階段があるので河川敷の中に入れます。そこから右方向を見れば水管橋が見えてきます。またアニメでは「駅前 幸富堂の栗まんじゅう」が登場。これにもモデルがあり、三室戸駅前にある幸栄堂です。水管橋巡礼とセットで回りましょう。

京都駅ビルはアニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。このアニメは基本的に宇治市内のスポットが数多く登場します。しかし一部宇治以外の場所が登場し、京都駅ビルももそのひとつ。アニメでは2の7話「駅ビルコンサート」と言うシーンで登場します。具体的には駅ビルの全景や、京都駅の改札付近、駅を構成しているドームやコンサートの舞台になる大階段など。その中でも特に大階段からステージを見るシーンが必見です。階段から見下ろしたときに見えるステージの角度が忠実に再現しています。京都駅に来たらぜひ大階段から眺めてアニメでのシーンを頭に思い浮かべましょう。

京都駅ビルは、京都駅を改修し4代目駅舎を完成した1997年に完成しました。アニメでも登場する大階段が名物です。高低差30メートル、171段で構成。2月に大階段駆け上がりなどイベントが盛りだくさんです。また年間を通じて大階段の段差を活用したイルミネーションが名物です。これは125段の部分を利用。そこには15000ものLEDを配置しました。京都らしい雅なデザインをはじめ、ハロウィンやクリスマスと言ったシーズンを代表するデザインが毎年登場します。もちろん入場は無料で自由にみられます。京都駅に来る機会があれば、ぜひ立ち寄って堪能してみましょう。

宇治橋はアニメ「響け！ユーフォニアム」の聖地のひとつです。ここはいろんな場面で登場します。最初に登場するのが初回版のオープニング場面。橋の西詰にある時計や橋の欄干をバックに傘を差すシーンがあります。次に第2話では、橋から見る場面でJR奈良線とその奥にあるユニチカ宇治工場の2本の煙突を忠実に再現しています。このほか宇治橋をアップで映し出すシーンが複数存在。これは隣の橘橋から望遠レンズで移せば再現できます。さらに宇治橋の歩道を歩く場面は複数話で登場。登場人物同士が出会ったり、ひとりで川を眺めたりするシーンがあります。

宇治橋は宇治市内の宇治川に架かる橋で、大化の改新の翌年646年に初めて架けられた伝承があります。そのため瀬田の唐橋、山崎橋とともに日本三古橋に数えられました。現在の橋は1996年にかけ替えられたものです。1長さ155.4メートルで、幅が25メートルあります。車も通行できる舗装された橋ですが、高欄部分は檜を使用。これは現存しているもので最古の寛永年間の刻印のある擬宝珠（ぎぼし）に合わせています。アニメでも橋の高欄が頻繁に登場。京阪の宇治駅とJR宇治駅を結ぶ最短距離にあるので、聖地巡礼さいでも比較的行きやすいでしょう。

響け！ユーフォニアムは、高校生の青春物語です。京都が舞台になっていて、誰でも知っている有名な観光地をはじめ、駅、河川敷の水管橋といった地元の人だけが知っているスポットなどが登場。忠実にアニメの世界で再現しています。実際にそれらの聖地に行けばあまりもの精度の高さに驚きます。京都観光に来たらぜひロケ地まで足を延ばし、現場の空気を感じながら響け！ユーフォニアムの世界に浸りましょう。