スペインの世界遺産!アビラ旧市街の市壁と、教会群おすすめ観光スポット8選

8,090

views

0

「城壁と聖人の町」とも呼ばれているアビラには、城壁を流用した市壁のほか、沢山の教会があります。ロマネスク様式とゴシック様式が混在する世界遺産をご紹介します!

アビラ旧市街と市壁外の教会群

アビラはカスティーリャ・イ・レオン州アビラ県にある町で、旧市街の周りを取り囲む市壁と、教会群が1985年に世界遺産に登録されました。

ギリシャ神話のヘラクレスが町を作った伝説があるこの町は、レコンキスタで町を取り返した後、防備を高めるために、ローマ時代の城壁などを流用しました。

また、市壁の内外に12世紀から16世紀にかけて建てられた、ロマネスク様式、ゴシック様式の教会が多く残っています。

アビラの市壁

アビラの旧市街は87の半円の塔と、9つの門を持つ、2500メートルの長さのある市壁で囲まれています。
市壁がいつ建てられたかについては、11世紀終わりごろという説と、近隣の軍事施設の年代から考えて、12世紀末から13世紀初頭とする説もあります。

この市壁はローマ時代の石塀が元になっており、その後この辺りを収めていた勢力が改増築したものを、更に花崗岩とモルタルで壁を作り上げて利用しています。

20メートルの高さのある二つの塔に挟まれた瓜二つの門、サン・ヴィンセント門とサン・アルカサル門が一番古いものです。

アビラの市壁(La Muralla De Ávila)
住所:
Pta. Alcázar, Carnicerías y Puente Adaja
アクセス:
アビラ駅からカテドラル広場まで徒歩15分
営業時間:
10月26日~3月26日
 10:
00~18:00
3月27日~6月30日、9月1日~10月24日
 10:
00~20:00
7月1日~8月31日
 10:
00~21:00
定休日:
月曜日(祝日以外)
電話番号:
920 35 00 00
料金:
一般 5ユーロ、子供、学生3.5ユーロ、火曜日14:00~16:00無料(ただし、祝日、祝日前日を除く)
※年により祝日の日程が変わるので、事前に要確認
※アルカサル門階段は17:
30まで。

アビラ大聖堂

教会兼砦として造られたもので、教会の後陣が城壁の櫓のひとつになっています。ですが、この大聖堂がいつ建てられたのかははっきりしておらず、11世紀初頭と言う説もあれば、12世紀と言う説もあります。
この教会の周りには、家や宮殿が取り囲んでおり、それらは王家の門を守る役目を担っていました。

スペインでの最初のゴシック教会で、塔、回廊を備え、リブのある交差ヴォールト天井に飛び梁のある建物です。身廊は同じ幅で3列になっていますが、真ん中の天井が高くなっています。

アビラ聖堂(Ávila Cathedral/Catedral del Salvador de Ávila)
住所:
Plaza de la Catedral, 8, 05001, Ávila
アクセス:
アビラ駅から徒歩17分
営業時間:
 月曜日~金曜日 10:
00~17:00
 土曜日 10:
00~18:00
 日曜日、祝日 12:
00~17:00
電話番号:
+34 920 211 641
料金:
一般 5ユーロ、65歳以上 4.50ユーロ、12歳~18歳、25歳までの学生 3.50ユーロ、11歳以下無料
※最終入場は30分前まで
※開場の時間は時期により異なるため、事前に確認のこと

サン・ヴィンセンテ聖堂

スペインでも最も代表的なロマネスク様式の教会です。聖ヴィンセンテとその姉妹が殉教し、その遺骸が葬られた場所に12世紀に聖堂が建てられました。

身廊と歩廊は交差ヴォールト式天井で作られたゴシック様式です。

サン・ヴィンセンテ聖堂(Basilica of San Vicente/Basilica de San Vicente)
住所:
Calle de San Vicente, 4, 05001 Ávila
アクセス:
アビラ駅から徒歩17分
営業時間:
 5月~10月 10:
00~18:30
 11月~4月 10:
00~13:30、16:00~18:30
 日曜日、祝日 10:
00~14:00、16:00~18:00(礼拝時間)
電話番号:
920 25 52 30
料金:
一般 2.30ユーロ、12歳以上、学生、退職者 2.00ユーロ、11歳以下無料
※典礼時間は入場不可

サン・ホゼ修道院

アビラの聖テレサによって作られた最初の女性修道院です。

彼女の信条である清貧を体現したつくりで、台所、食堂、回廊、聖テレサの居室、鐘や彼女がかつて転げ落ちて腕を折ったと言われる「悪魔の階段」と呼ばれる設備などが残されています。

サン・ホゼ修道院(Convent of Saint Joseph/Convento de San José)
住所:
Las Madres, 4. Ávila. 05080 Ávila
アクセス:
アビラ駅から徒歩10分
営業時間:
10:00~13:30、16:00~19:00
電話番号:
+34 920 222 127
料金:
1.40ユーロ
※最終入場は30分前

サン・ペドロ教会

12世紀に建築が始まった、ロマネスク様式の教会です。十字型の建物で、3つの身廊に続いて3つの後陣があります。

西側の入り口の上部にはバラ窓が設けられています。

身廊内の天井は交差ヴォールトで作られ、後陣には膨大な量の彫刻が収められています。

サン・ペドロ教会(San Pedro Church/Iglesia de San Pedro)
住所:
Plaza de Santa Teresa, 1, 05003 Ávila
アクセス:
アビラ駅から徒歩13分
営業時間:
 木曜日、金曜日 18:
00~20:00
 土曜日 11:
00~12:00、13:00~14:00、18:00~20:00
電話番号:
+34 920 229 328
料金:
1.50ユーロ

サン・ニコラス教会

12世紀に後期ロマネスク様式で建てられました。教会の奥の方に、その頃の構造が残っています。三つの入り口から三つある身廊に入れ、半円形の後陣があります。

サン・ニコラス教会(Church of San Nicolás/Iglesia de San Nicolás de Bari)
住所:
Plaza de San Nicolas, s/n, 05002 Ávila
アクセス:
アビラ駅から24分
営業時間:
 月曜日~金曜日 19:
30
 日曜日、祝日 10:
00、12:00
電話番号:
+34 920 221 122
料金:
無料
※礼拝時は入場不可

エンカルナシオン修道院

カルメル修道会の女性修道院で、1478年に作られた当初は市壁の中に造られましたが、16世紀に市壁の外へ移されました。

アビラの聖テレサ(イエズスのテレジアとも)が1535年にこの修道院へ入ってから、27年暮らしました。その後、サン・ホゼ修道院を作るためにここを出て、1571年に修道院長として戻ってきました。
テレサの部屋は小礼拝堂とされ、のちに礼拝堂となりましたが、1717年まで閉じられたままだったと言います。

エンカルナシオン修道院(Convento de la Encarnación/Monastery of the Encarnación)
住所:
Paseo de la Encarnación s/n. Ávila. 05005 Ávila
アクセス:
アビラ駅から徒歩20分
営業時間:
10月1日~4月30日
 月曜日~金曜日 9:
30~13:30、15:30~18:00
 土曜日、日曜日、祝日 10:
00~13:00、16:00~18:00
5月1日~9月30日
 月曜日~金曜日 9:
30~13:30、15:30~19:00
 土曜日、日曜日、祝日 10:
00~13:00、16:00~19:00
定休日:
電話番号:
920 211 212
料金:
一般 2ユーロ(博物館の入館料。教会は無料)

サント・トマス王立修道院

1480年に建てられた、ゴシック様式で建てられたドミニコ修道会派の修道院です。

身廊はフランボワイアント様式の装飾が施されています。天井は交差ヴォールトですが、さらにリブで模様が形作られて豪華な印象です。

またこの修道院には三つの異なる回廊があり、またカトリック君主のための夏の宮殿が作られていました。

サント・トマス王立修道院(Royal Monastery of Santo Tomás/Real Monasterio de Santo Tomás)
住所:
Plaza de Granada, 1. CP.05003 - Ávila
アクセス:
アビラ駅から徒歩16分
営業時間:
7月1日~8月31日
 10:
30~21:00
上記以外
 10:
30~14:00、15:30~19:30
電話番号:
920 352 237
料金:
一般 4ユーロ(オーディオガイド込み)

最後に

サンタ・マリア・デ・ラ・カベザ修道院、サン・マルティン修道院、サン・セグンド修道院、サン・アンドレ教会は非公開のため、外観のみとなります。
ロマネスク様式とゴシック様式が混在する教会は、幾度も改築され、それだけ長く人々の信仰の場として大事にされてきたのを感じることが出来るような気がします。
それぞれの特徴が現れた箇所、過渡期の様式が変化していく様を見つけてみるのも楽しいのではないでしょうか。

この記事を読んだあなたにオススメの記事
このエリアの新着記事
  • スペインと言えばコレ!スペイン旅行で知っておきたいお土産20選

    スペインは観光スポット満載で人気の国。サグラダファミリアで有名なガウディ作品に、スペイン出身のピカソが描いた有名絵画を多数所有する美術館、南にはイスラム建築が美しいアルハンブラ宮殿など様々。だからこそ、お土産も種類豊富!今回はスペインの玄関口、マドリードとバルセロナで買えるお土産をご紹介します♪。

  • スペインで買いたいお土産TOP25!定番からバラマキ用まで

    フラメンコや闘牛で有名なスペインは、情熱あふれる国として日本人にも人気の渡航先です。今回はそんな魅力あふれるスペインのお土産品25選を、選りすぐりでお届けします。定番はもちろん、進化しつつある人気お土産をショッピングスポット共に一気にご紹介しましょう!

  • スペイン世界遺産バルセロナの「カサ・バトリョ」をお宅拝見...

    目にした途端、中に入らずにはいられない衝動に駆られる「バトリョさんのお家」!「カサ・バトリョ」の「カサ」とはスペイン語で「家」という意味です。お家といっても、かなり不思議な形と色合い…住んでみたつもりになってじっくり「お宅拝見」してくださいね!

  • スペイン・タオビエド観光で行くべき!レコンキスの世界遺産...

    スペインのレコンキスタは、スペイン北部オビエド地区の小さな洞窟から始まりました。その後国土を回復していく中で、多くの教会が建てられていきます。後の西洋建築の基礎ともなった時代の教会をご紹介します。

  • スペイン基本情報 【気候・服装編】

    情熱の国・スペインは暖かい!?スペインに対して、そのようなイメージがある方も多いのではないでしょうか。 夏は差すような日差しのスペインも、実は冬は日本と同じくらい寒いんです。そんなスペインの気候と服装情報をお伝えします。

  • スペイン・バリャドリードの人気観光スポットおすすめ4選!...

    バリャドリードは、日本人にとってまだそれほど知られていない観光地でしょう。なにせ、この街があるカスティーリャ・イ・レオン地方は、アビラ、セゴビア、ブルゴスなど、人気の観光地が集まるエリア。でも、バリャドリードにも旅情気分をかきたてるノスタルジックな街並みが多く残っています。この街を知れば、スペイン観光がより楽しくなるはずです。

  • スペイン・バルセロナの人気ホテル15選!おすすめ厳選特集!

    情熱の国、スペイン。首都マドリードに次いで、2番目に人口の多い町です。過去には、バルセロナオリンピックが開催された場所でもあり、他にもカタルーニャ出身の建築家、アントニ・ガウディがデザインした建物が現在も多く残っています。今回は、そんなバルセロナの人気ホテルを紹介します。

  • スペイン・マドリードおすすめ日本食レストラン3選!とにかく...

    スペイン最大の観光都市マドリード。世界遺産、サッカー、ファッション。滞在の目的は人それぞれですが、おいしいものを食べたいという思いはみんな同じはず。でも、毎食パエリアやスペイン風オムレツでは飽きてしまいますね。そこでおすすめなのが和食。マドリードはレベルの高い日本食レストランが揃う隠れたグルメスポットなのです。

  • ロンダ人気観光スポットまとめ!断崖の上に築かれた街でスリ...

    アンダルシアの山間部に位置しているロンダ。断崖の上に高さ98メートルのヌエボ橋が最も有名ですが、それ以外にも見どころはたくさん。ロンダ観光に欠かせないスポットをご紹介します。

  • スペイン・マドリードのカフェで絶品スイーツ!歴史漂う老舗...

    首都マドリードのカフェは歴史ある老舗が多いのが特徴的。でも折角行くなら美味しいスイーツも食べたいですよね~♪そんな欲張りさんに朗報のカフェをご紹介します!

この記事のキーワード
このエリアの人気記事
今週の人気記事