マルティニーク首都フォール・ド・フランスの見どころ観光スポット!カリブ海のパリを街歩き

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世界には、「○○のパリ」という呼び方でその街の美しさを表現する観光地があります。南米のパリならブエノスアイレス。北米のパリならモントリオール、といった具合に。今回紹介するマルティニークのフォール・ド・フランスはカリブ海のパリとしばしば称される街。フランス領ということもあり、祖国の花の都を意識した空間デザインが多く見られる街です。

サン・ルイ聖堂(Cathédrale Saint-Louis)

サン・ルイ聖堂はフォール・ド・フランスのシンボル的存在。17世紀に起源を持つ聖堂ですが、現在の外観は1895年に完成したものです。設計をしたのはフランス人の建築家ピエ-ル・アンリ・ピーク。正面から眺めると、シンメトリカルなデザインになっているのがよく分かります。様式は、19世紀後半にフランスで流行していたロマネスク・リバイバルです。

出典: mapio.net

下から聖堂を見上げるとこんな具合。屹立する尖塔がひときわ目を引きます。外観の装飾はとてもシンプルで、窓の上部が半円形になっています。これがロマネスク・リバイバルの特徴。最小限の建築要素で、洗練された空間美を演出しています。

聖堂のなかは天井が高いのでとても広々。新しいスタイルの聖堂だけあって、太い石柱で建物を支えていたゴシックやバロックの教会とは明らかに違った雰囲気。何より、白を基調とした配色が、聖堂内を明るい空間にしていますね。

とりわけ注目は、側廊を飾る豪華絢爛な数々のステンドグラス。画像はそのうちの1枚。精緻を凝らした色鮮やかなデザインは、目を見張るほど華美です。

サン・ルイ聖堂(Cathédrale Saint-Louis)
住所:
Rue Victor Schoelcher
アクセス:
バスターミナル(Gare Routière)から徒歩およそ3分
電話番号:
0596 73 59 78
見学時間:
月曜日~金曜日6:15~11:20、14:00~16:30 土曜日・日曜日6:15~11:20
閉鎖日:
無休

シェルシェール図書館(Bibliothèque Schœlcher)

フォール・ド・フランスの旧市街にあって、ひときわ異彩を放っているのがこの図書館。一見すると宮殿か豪邸のようで、公共の図書館とは思えない瀟洒な建物。名前は、19世紀中頃にこの地で奴隷制を糾弾した運動家シェルシェールに由来しています。

館内は天井が高くて、どことなく厳かな空気が流れています。もともとこの建物は19世紀末のパリ万博でパビリオンだったもの。それを解体して、フォール・ド・フランスに移築したというから驚き。こうした建築物がフォール・ド・フランスに新しいパリの風を吹き込んでいたのですね。

壁一面にずらりと並べられた本の数々。この図書館には、シェルシェールが寄贈した1万冊を越える書物や250点もの楽譜も所蔵されています。こんなおしゃれな空間で、はたして集中して本が読めるのでしょうか。そう思ってしまうほど、ここは洗練された内装が光る図書館なのです。

シェルシェール図書館(Bibliothèque Schœlcher)
住所:
Rue Victor Sévère
アクセス:
サン・ルイ聖堂(Cathédrale Saint-Louis)から徒歩およそ5分
電話番号:
0596 70 26 67
開館時間:
月曜日13:00~17:30 火曜日~木曜日8:30~17:30 金曜日8:30~17:00 土曜日8:30~12:00
閉館日:
日曜日

マルティニーク考古学博物館(Musée d'Archéologie et de Préhistoire de la Martinique)

緑豊かなサバナ公園に面して建つのがこの博物館。スタイリッシュな建物は、統一された窓のデザインが特徴。この博物館の周辺は、旧市街でもとりわけモダンな建物が並ぶエリア。こうした街並みを見ていると、フォール・ド・フランスがカリブ海のパリと呼ばれるゆえんが分かる気がします。

この博物館の開館は1971年。先史時代から19世紀にいたるまでの、考古学的物品や資料が展示されています。画像は先史時代の先住民たちの暮らしぶりを伝える模型。

マルティニークが歴史の表舞台に出るのは、コロンブスがこの島の存在を確認した1502年。でも、それ以前から、先住民たちがこの地で生活を営んでいました。この石のお面は、そうした先住民の文化を今に伝える貴重なもの。

フランスの統治下に置かれたマルティニークには、ヨーロッパからさまざまな習慣やものが持ち込まれました。衣服もそのうちのひとつ。といっても、華麗な衣服は、もっぱらフランス人の統治者たちが身に着けていたもの。先住民たちは独自の伝統を守り続けながら、ヨーロッパの文化を徐々に取り入れていくことになります。

(マルティニーク考古学博物館)Musée d'Archéologie et de Préhistoire de la Martinique
住所:
9 Rue de la Liberté
アクセス:
サン・ルイ聖堂(Cathédrale Saint-Louis)から徒歩およそ3分
電話番号:
0596 71 57 05
開館時間:
月曜日13:00~17:00 火曜日~金曜日8:00~17:00 土曜日9:00~17:00
休館日:
日曜日

いかがでしたか?フォール・ド・フランスの旧市街は、古きよきパリの街並みが色濃く残っているエリア。パリが好きな人は、どこか懐かしい感覚を覚えることでしょう。カリブ海に浮かぶ島では、そうした一昔前のパリの魅力が今も息づいているのですね。

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