パリから3時間!サン・ナゼールのおすすめ観光スポット&見どころまとめ

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フランスにはいくつかの「サン・ナゼール(Saint-Nazaire)」という街がありますが、今回はパリのモンパルナス駅から高速鉄道TGVで約3時間で到着するフランス西部の「サン・ナゼール(Saint-Nazaire)」をご紹介します。ブルターニュ地方とワインの有名産地ボルドー地域に隣接する街です。実は「お世辞にも人気のある街とは言えない」と聞いていたサン・ナゼールでしたが、行ってみたら予想以上に堅実で素敵な街だったのです。

パリからTGVでひとっ飛び!気軽に行けるブルターニュの玄関口サン・ナゼール

パリからはモンパルナス駅から高速鉄道TGVで約3時間。距離にして450kmの港町が今回ご紹介する街サン・ナゼールです。ロアール川の河口に位置し、大西洋に面したこの街は、過去の戦火で多大な被害を受けました。現在は、ところどころに昔ながらの建築物は残るものの、全体としては復興を遂げた新しめの街。重工業も盛んで、あの豪華客船クイーンメリー2号もここから誕生したのです。

サン・ナゼールの街並み

街を歩いてみると、ヨーロッパ風の建物は見られるものの、古い街並みが多い他の街とはちょっと異なる様子であることに気づきます。それもそのはず、サン・ナゼールは第二次世界大戦中にドイツ、イギリスからの攻撃を受けて古い街並みはほぼ消滅してしまったのです。

攻撃の対象になった理由は当時敵国だったイギリスから400kmの地点にこの街があるということと、当時としては最大規模だった潜水艦の収容施設があったこと、艦船の修理港であったことなどが挙げられています。

激しい砲火にも耐えられる堅牢な潜水艦保護施設は今でも残されており、その一部は博物館になっています。

アトランティック号の寄港(Escal'Atlantic)
住所:
Boulevard de la Legion D'honneur 44600 Saint-Nazaire
営業時間:
10:00~閉館時間は日により異なる
電話:
02 28 540 640
入場料:
大人13ユーロ、子供(4-14歳)6.5ユーロ

海にほど近い場所に静かにたたずむサン・ナゼール教会

1891年に建てられたサン・ナゼール教会です。どっしりとした石造りのこの教会は19世紀後半に好まれたネオゴチック様式の建築物です。

教会にはこの街に古くから伝わる素晴らしい遺産、二つのバラ窓に施されたステンドグラスが今でも輝き続けています。

サン・ナゼール教会(Paroisse de Saint Nazaire)
住所:
5 Passage Henri Soulas、44600 Saint-Nazaire、フランス
電話:
+33 2 40 22 93 34

戦争とその犠牲を忘れまいとする記念碑

第一次世界大戦、第二次世界大戦の記念碑です。大西洋に背を向け、鳥が翼を広げているよう。

記念碑の足元には供花とトリコロールのリボンが手向けられていました。

今の平和はこの時代に命を落とした方々あってのことなのだと思わずにはいられません。大西洋に隣接した土地柄だけに、敵国からの攻撃は避けられなかったサン・ナゼール。戦争がもしなかったら中世の古い街並みが残り、穏やかな浜辺でいつまでも海水浴を楽しむ情景がずっとずっと続いていたことでしょう。

サン・ナゼールの街を深く知るならエコ・ミュゼへ

前出のEscal’Atlanticの向い側にエコ・ミュゼという博物館があります。この博物館は、サン・ナゼールの街の歴史や産業について興味深い知識を与えてくれる施設です。港をぐるりと歩いて回ると美しいサン・ナゼール橋も見えますよ。

波止場にある哀愁漂う倉庫といった外観のエコ・ミュゼではありますがご心配なく。大変充実した展示物を観ることが出来ますよ。

エコミュゼの二階部分です。サン・ナゼールは航空産業と造船業が盛んな街で、エアバス社の胴体部門を製造する拠点になっています。エアバス社の飛行機の各パーツは、ヨーロッパ各地で製造され、フランスのトゥールーズという本社がある工場で合体されます。

エアバス社が製造する航空機各種。一番手前のモデルはベルーガという名前で、航空機のパーツを運びます。旅客サービス用の飛行機ではないため、窓はなく、操縦席の上部から尾翼にかけて大きなスペースが設けられています。

サン・ナゼールは造船の街でもあるため、ここで産まれた大型客船のモデルが数多く展示されています。飛行機がまだ無い時代、航海による贅沢な海外旅行が催されており、その起点がサン・ナゼールでありました。当時の貴重なポスターや写真も見応えがありますよ。

こちらは航海中の船の道しるべとなる灯台の頭部です。

小さなランプを真っ暗な海で如何に効率良く光らせるか、その構造が良くわかる展示となっています。

エコミュゼ(Ecomusee)
住所:
Avenue de Saint-Hubert、44600 Saint-Nazaire、フランス
営業時間:
10:00~18:00(時期により異なる)
入場料:
大人4ユーロ、子供(4~12歳)2ユーロ

エコミュゼのお隣には潜水艦の博物館も

この先には「Sous-Marin Espadon」という潜水艦の博物館があります。第二次世界大戦時に活躍した潜水艦のドックでもあったサン・ナゼールならではの博物館ですね。

潜水艦博物館(Sous-Marin Espadon)
住所:
Avenue de la Forme Ecluse、44600 Saint-Nazaire、フランス
営業時間:
10:00~18:00(時期により異なる)
入場料:
大人9ユーロ、子供(4~14歳)4.5ユーロ

新石器時代のものとされる支石墓

サン・ナゼールの地に人が住み始めたのは紀元前ともいわれており、写真のようなドルメン(支石墓)が残っています。サン・ナゼールより北側に広がるブルターニュ地方にもこのようなドルメンが数多く見られます。

それにしてもこんな巨大な石をどのように移動し、立てたり持ち上げたのでしょう。古代文明への想像が広がりますね。

ドルメン(Dolmen des Trois Pierres)
住所:
Place du Dolmen 44000 Saint-Nazaire, Pays De La Loire, France
上記二つのドルメンは徒歩で周れます

いかがでしたか?

歴史に翻弄されながらも、重工業で名を馳せてきたサン・ナゼール。華やかさはありませんが、堅実に一歩一歩復興の道を辿り、今では重要な工業拠点であることが良くわかります。サン・ナゼールは北はブルターニュ地方、南は有名なリゾート地ラ・ロシェルやレ島に隣接し、更に南下すればワインの有名産地ボルドー地方が広がります。サン・ナゼールから車で15分ほど行けば穏やかな海水浴場サンマルクがあるなど、様々な地域・土地への玄関口となっています。パリからのアクセスも良く、大西洋の海風も素敵ですよ。それでは Bon voyage!
※写真は全て筆者撮影

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