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横浜の方言は、標準語から変化したものも多く、知らずに方言を使っていることも多々あります。なかには流行になっている言葉から派生した言葉もあるので、今回はそれらを20個を紹介します。
横浜市は日本の中でも都心部に近いので、昔からある方言に加えて、現代の流行から変化した方言があります。修飾子だけでなく、助動詞を使うことで可愛さや格好良さを演出できたりするので、汎用性も高いでしょう。その一方で周囲の雰囲気や使う相手との人間関係を把握してから使う必要のある方言もあります。よって今回はそれぞれの方言についてどういった物が形容されているか等の情報を掲載しています。なので、友人や恋人の出身地が横浜市の場合は自然と使いこなせるように一つ一つ確認していきましょう。
「かったるい」の起源は平安時代のダユシという言葉にあるといわれています。当時の貴族はかるたや詩で遊ぶことが多く、腕の疲れからカヒナダユシという言葉が生まれていました。それが時代の変化と共にカヒナとダユシがそれぞれ省略されていき、現在のダルイになったと伝わっています。そのため横浜弁の「かったるい」はこれを元に作られたという説が濃厚です。野球などではかっ飛ばすなどの表現が使われていますが、これは行為の気持ちよさを求めるために、濁点を使わずに勢いの良さを表現しています。よって「かったるい」も同じような感覚で、ダルイ状態から脱却したい気分を表すためにあえて濁点を使わない表現にして、ダルイことへの拒絶反応を表現しています。
面倒と感じている時に使う言葉が「かったるい」なので、横浜弁の中でも一部を省略したりする派生言葉が生まれている傾向があります。例えば最後の「るい」は、同じ母音ではないため若干発音しにくい傾向があるため、「かったりいー」という方も一定数存在します。また、皆さんの中で、「こんにちは」などのあいさつを省略する方いませんか?これと同じ要領で「ったりいなー」と使う方がいます。この場合言葉をあえて濁すことで、だるいことへの不機嫌になっている気持ちを隠せていませんよという態度をしめして、よりだるい状態を表現している言葉になります。
「けっぱぐる」は、横浜弁の中でも壮年期の方を中心に使われている言葉です。発祥については諸説ありますが、最も有名なのは、「ぶん殴る」の対になる言葉として生まれてきたことです。「ぶん」と「殴る」は両方とも殴るの派生言葉が合わさってさらに強く「殴る」という意味になりました。そして「けっぱぐる」は、「蹴る」と「張り切る」という言葉を合わせて濁したものが変化したといわれています。元々「けっぱぐる」は、「さぁけっぱぐるぞー」という風に使うなど、感情と動詞を一緒にして使うことが多く、勢いを表現したりもするので、半濁点と濁点をつけて強めの言葉にしたという説が有力です。
「けっぱぐる」の語尾を変化させると、「蹴る」行動に対しての勢いを変えることができます。例えば「けっぱぐんぞー」これは「る」を「ん」に変化させて、競技スポーツ等状況が目まぐるしく変化する状況下でも聞きやすくしています。そのため相手の安全を確認した上でボールを蹴る時等にも使われます。反対に「蹴る」行為が自分の意図する行動とは違った時等、謝罪する必要があると判断した時は、「けっぱくっちゃってごめんなさい」など間に「っ」を挟んで丁寧に言葉を紡ぐようにするのが実用的です。
「うっちゃる」は、大河ドラマのセリフでも使われている有名な方言で、使い方によって複数の意味が含まれる言葉です。横浜弁としてよく使われる状況は、「物を捨てる」と「物を投げる」という意味。「物を捨てる」場合は、「そのままうっちゃって」と使うことが多く、これには「いらないから売ってください」という意味もあります。反対にボール等を持っている時も、「うっちゃる」という言葉を使うので、初めて聞く人は売る意思があるかどうかを再確認することもある方言です。よって最近ではゴミに対してのみ「うっちゃる」を使う事例が多く、物に対しては別の動詞を使って差別化している傾向があります。
ビジネス面で使われている「うっちゃる」は、「放置されている」という意味になります。例えばさぼって遊んでいる時への注意する言葉として、「仕事をうっちゃってどこに行ってたんですか?」という使い方になります。また、相手がリアクションに困る言動をしたときに、「うっちゃっていいよ」などと適当にあしらう目的で使用する事例もあります。そのため横浜出身の方と話せばほとんどの会話で聞くことが多い方言です。なお、相撲のうっちゃるとは別の言葉なので、スポーツ観戦が好きな方には、標準語で「捨てる」を使った方が伝わりやすくなります。
「こっちかし」は、方向とその程度を表す方言です。有名な説は「かし」は元々「方」という言葉が訛ったものだという考えがあり、「あっち」や「そっち」などにも「かし」という言葉を付けて使うこともあります。皆さんは物事の程度を表す言葉を使う時に、「わりと」と「わりかし」どちらを使うでしょうか?統計上では半分程にわかれることが多く、標準語を使っている方でも「こっちかし」や「わりかし」を使う方がいるので、中には「かし」を方言として認識していない方もいるようです。そのため神奈川の中でも東京よりの出身地の方が使っている事例が多いとの分析も出ており、同じ地域で育った人が「こっち」という言葉を使って会話すると、若干の違いに戸惑うことがあります。
横浜市には観光地も多く、中には交番に聞かないと分からない場所も多いので、初めて行く人は「こっちかし」と「あっちかし」の言葉を覚えておいて損はありません。また、日常的に使われている言葉なので、「かし」をさらに訛らせている方もいるため、聞き取りの際には「こっち」と「あっち」を聞き逃さないようにすれば分かりやすいです。しかし「あっちかし」を使う方の中には、「あ」に濁点を付けて「あんぢかし」という方がいるため、言葉よりもジェスチャーや視線で把握する必要性も留意しておきましょう。
「あるって」は「歩いて」という意味なので、移動手段の発達した現代ではなかなか使うことがありません。しかしこれは言葉そのままの意味ではなく、神奈川県出身のアーティストグループ「いきものがかり」に秘密があります。2012年に発売された「歩いていこう」の中に、恋愛感情とそれを交えた自分の人生の歩みを表現した歌詞が存在します。これを元に告白の言葉として「あるっていこう」という言葉を使う方が多くいます。現代の音楽ですが、神奈川の中では老年期の方でも知っている程有名な曲で、大事な方との時間を大切にしたいという意味も込めて使う人も存在します。
「あるって」は横浜弁ならではの方言ですが、横浜市以外でも特定地域で使われていることが確認できています。例えば山北町や相模原市など、公共移動機関の数が少ない地域では、「あるって」という言葉が使われていることが確認できます。さらにこれらの地域は国道などの大きな道路も少ないので、「あるって行く」方が移動時間も短縮できる事例が多々あります。その一方で横浜市や川崎市などの都心部では、自宅から駐車場までの所要時間が長いことも多々あるので、汎用性という点では「あるって」の方言は使いやすい言葉として多くの人に認知されています。
全国的に知れ渡っている「横入り」の方言は、横浜では比較的新しく作られた方言という説があります。元の読み方は「よこいり」という方言で伝わっており、その後横浜では「よこはいり」の読み方で伝承されています。意味は順番待ちしている列の最後尾ではなく、列の途中に入り順番を横取りしている状況を指します。そのため、怒りや不満の表現と一緒に使われることの多い言葉として有名です。使っている人に聞くといつのまにか小学生くらいから使っていたと答える方も多く、誰からこの言葉を教わったのかを思い出せないことも多々ある、不思議な方言でもあります。
「横入り」のよく使われる状況は、スーパーやスタジアムなど、大規模な商業用施設やレジャー施設が有名です。そのため、最近では列を並ぶ場所を限定して、なるべく「横入り」が発生する状況を防止したり、要所にスタッフ配置したりする対策も行っています。代表的なものだと、遊園地の誘導員が有名で、あと何時間というプレートを用意することで、他のアトラクションに人を分散させるなどの対策をしています。そして最も危険な「横入り」は、道路内で発生する状況です。近年では道路交通法が自転車を含め厳しい罰則なった事実もあるので、この記事をご覧の皆さんは「横入り」をしないことと「横入り」されてもトラブルが発展しないような立ち回りをおすすめします。
「ひゃっこい」は、標準語の「つめたい」を方言にしたものです。さらに冷たいことを印象付けるために、「ひゃっこいひゃっこい」と複数回つなげて使ったり、「ひゃっこ!」と省略して使う事も多々あります。なお、かき氷で頭が痛くなる現象を「ひゃっこい」、氷に触れたような冷たさを「冷たい」と表現する方もいるので、横浜市内でも使い方が分かれる表現です。
「ひゃっこい」は、人によって若干発音が変わる方言としても有名です。「ひゃ」が発音しにくい傾向があることから、「しゃっこい」と発言する方も多く、冷たさの程度でこれらを使い分けている方も存在します。また、地域によっては氷等の固形物を「しゃっこい」、液体等を「ひゃっこい」と使分ける方もいるので、正しい発音や表現が確立されていないことでも有名。また、一部では感情を表現する方言は、より使い勝手の良い方が継承されていく説もあるので、どちらも覚えておき、話す人によって使い分けられるほうが良いでしょう。
気の置けない友人としゃべる行為を、横浜の方言では「くっちゃべる」と言います。皆さんは職場の先輩から、「くっちゃべってないで仕事してください」などと注意されたことはありませんか?これは仕事中の私語は謹んでくださいという意味になります。40代から50代の方が使うことが多く、どちらかといえばネガティブな状況で使われる傾向が強くあります。それか「友達とくっちゃべっていた」という発言で自分を卑下しながらも、友人との関係が親密であることを誇示するような形で使われています。
「くっちゃべる」は、しゃべっていた時間によっても使い分けることがあります。特に目安はありませんが、長電話していたと感じる程度に話していた時は、「くっちゃべる」と表現します。また、最近ではLINE通話やツィキャス等のビデオ通話で友人と話すことも増えてきているので、より「くっちゃべる」という表現を多用する機会が増えているのも事実です。さらに若年層では、文字によるチャットでも「くっちゃべる」という表現を使っている方がいるので、意思疎通が図れるコミュニケーション全判を横浜の方言で、「くっちゃべる」と覚えておくとよいかもしれません。
横浜は沢山の物に対して、「うんめろ」という方言を使います。ただし、同義語の「沢山」という言葉がある仕様上、地方から横浜に来た方の中には、食べ物を美味しく感じる「美味しい」と勘違いする方もいるようです。特に「うんめー」と「ん」を付ける事で感情に拳を利かす言葉もあるので、差別化を図るべく、あまり使われない方言になっています。一方で横浜の名産品を修飾するときには、「うんめろ」を使う方もいるので、横浜ラーメンやキウイフルーツをお土産として購入する方は覚えておいて損の無い方言です。
一昔前だと、「若いんだからうんめろくいなー」と言って久しぶりにあった孫に沢山食べる事を薦める目的で使われていました。しかし現代ではアナフィラキシーショック等の危険性もあることから、老年期の間でもあまり使われないような言葉になってきました。そのため思いやりという点では進化している方言ですが、過去に使っていたことを懐かしむように「うんめろ」という方言を使う方も一定数存在するようです。また、社員旅行や大人数へのおごりなど、盛大に物をプレゼントするという状況ならば、「うんめろ」を使う方もいます。ただし一気飲み等は危険なので、食事に対して「うんめろ」を使う方はくれぐれも相手の体調と安全を考慮した上で使用することを強くおすすめします。
人の格好良さを表現するとき、横浜の方言では「とっぽい」という言葉を使います。ただしその一方で非常識な人という意味でも使われてもいます。そのため若年層では、格好いいけれども調子乗りすぎている性格だから最低という意味を込めることも多く、相手の格好を評価する行為は神奈川ではあまり歓迎されていない言葉として、認識されているようです。よって過去には恋人に誤って使ってしまい、喧嘩してしまったという事例もあるので、好意を寄せている相手には素直に標準語の格好いいという言葉を使うことをおすすめします。
近年では、「パリピ」という言葉が若年層の間で流行っていますが、これを横浜の方言にすると「とっぽい」になります。人生を全力で楽しむという意味も込められているので、ポジティブな印象を与える言葉ですが、相手によっては騒いでいてうるさい等のイメージを与えるため、全年齢帯で使用には注意が必要な方言として認識されています。また、「とっぽい」をやんわりと相手を否定する時に使っている方も存在します。例えば「とっぽい」という言葉を食事に使うことで、食事マナーができていないという注意喚起にもなります。
「ちょこっと」は、健康志向の食事を考える方が増えた現代において、よく使われている横浜方言です。「少し」という意味がありますが、「ちょっと」という言葉に「こ」を挟むことでより「ちょっと」を細分化した状態を表現しています。そのため女性が「ちょこっと」という言葉を使った場合、一口か二口くらいで終わる程度の量をよそってあげて、そこから調整してあげると喜ばれます。また、感情に対して「ちょこっと」という言葉を使った場合は、人の器量を示す修飾子になるので、その後は節度を持った対応が求められます。
「ちょこっと」は、感覚的な状態を示す言葉なので、若干使い方にコツがいる横浜の方言です。例えば気分や体調の状態に対して「ちょこっと」を使った場合、良い意味なのか悪い意味なのかを顔色を含めて判断することをおすすめします。優れていないことに対して「ちょこっと」を使った場合、状況的に強がっている可能性もあるので、経過観察を含めた判断をくだしましょう。良い状況に対して「ちょこっと」を使った場合、その話題に対して同調するような感覚で話してください。すると相手に「自分は貴方のことを理解している」ということを印象付けられるので、人間関係を発展させる機会をもらったと思って発言や対応を細かく調整してみましょう。
「っしょ」は相手に同意を求める時に使われる横浜の方言です。ただし、この同意はさもあたり前のように問いかけるような口調なので、同調することを強制するような表現として使われることが多い特徴があります。例えば「この漫画面白いっしょ?」と問いかけられた場合、面白いかどうかよりも、同じ気持ちを共有したいという相手の意思表示になります。一方で当たり前の知識を再確認するときにも使われてもいます。例えば「この手順で作業すすめてもいいっしょ?」と聞かれたときは、聞いた相手も同調することを前提に聞いており、聞かれた側もきちんと同調してあげれば、不安をぬぐうことができます。
「っしょ」を使うときに注意したいのは、敬語として認識されていないという点です。同じ立場の人間に対して「っしょ」を使えば、状況によっては同じ仲間としての認識を深められます。しかし上司等に「っしょ」を使った場合、軽く受け止められてしまうため、使用は遠慮した方が賢明です。特にひらがなの「さ」行は、「ございます」などの敬語と比較して、発音にも軽さがあり、同じ立場の人間でも場合によっては軽率な人間だと思われる危険性があります。そのため横浜の方言に馴染みがある人でも上司に問いかけをする際には、「ですか?」などを使うことをおすすめします。
「うそんこ」は、嘘つきの評価を下す横浜の方言です。お子さんが使う方言として有名で、公園等お子さんの遊び場では、「こいつうそんこだー」という声がたまに飛び交っています。一方「うそんこ」は、可愛い嘘を表現する言葉としても知られています。例えば大人っぽく見られたい方や、格好良く見られたい方が、自分の思う姿になろうと努力した結果、相反する印象を周囲に与えてしまった状況です。俗にいう「つんでれ」や「やんでれ」もこれに該当し、人の隠れた人格を言い当てるときにも使われているので、参考にしてみましょう。
「うそんこ」を使うときに注意したいのは、ネガティブなイメージを植え付けさせてしまう言葉になることです。あだ名として定着する危険性があるので、「うそんこ」を使うときは、気心のしれた人同士で使うことをおすすめします。ただし現代では、上記の様に一見マイナスイメージになりそうな言葉でも、誉め言葉になるような俗称が沢山あります。よって意中の相手に神奈川県出身の方がいるときは、「うそんこ」を効果的に使うことを学んでいき、人間関係の距離を縮めていきましょう。
「だべ」はイントネーションを変えることで、意味の違う言葉にできる便利な横浜の方言です。代表的なものだと「だ↓べ↑」のイントネーションにすると、相手に問いかけるような表現になります。一方「だべ」を同じ音程にすると、「です」や「ます」と同じ感覚で付けられる助動詞に変化します。さらに「だ↑べ↓」のイントネーションになると、断定を強調するような助動詞になるので、初めての神奈川旅行になるひとは、この使い分けと聞き取りに苦労する傾向があります。
「だべ」の発言で注意したいのは、必要性の無い語尾であるという点です。聞きなれない人にとっては言葉の内容を聞き取りにくく感じてしまう方も多く、付けなくても文章として成立する場合が多いので、使用頻度には注意しながら使ってください。例えば発言の終了時のみに付ければ、それほどしつこさを感じない上に、自然に横浜弁の良さを付加できます。またさりげなく使っていれば、周囲の人からは「だべ」を使う人として認識されていくので、人柄に合わせて使い分ける方法も試してみましょう。
解消できない微細なトラブルに遭遇したときは、横浜弁で「うざったい」という言葉を使います。代表的な例だと「虫」にさされてしまった状況で、その場で痒さや痛さを即時に解決できないため、その感覚に対して「うざったい」を使う傾向があります。この他にも夏の熱気や冬の寒さなど、嫌いな自然現象に対しての感想を述べるときに使われる方言としても有名です。
「うざったい」は人の性格に対しても使われている横浜の方言です。意味は現代語の「うざい」と同義語で、面倒な性格や関わりたくない気持ちを表現するときに使われています。代表的な使用例は、吐き捨てるように「うざったい」と発言する方法で、この言葉を人間関係の話題で話しているときは、十中八九別れ話を切り出している最中です。疑問形で使う場合は「うざくない?」など語尾を変化させて使いますが、「うざったい」の場合はその意見に対して介入を許さないという使い方が定着しています。よって感情を表す横浜の方言の中でも注意深く使用タイミングを計る必要がある方言です。
「あんきだ」は、標準語で安心を意味する方言で、単体で使われることはあまりありません。最も多い使われ方は、「あんきだ」の前に安心である理由を付けて使う方法です。安全装置があるから「あんきだ」や、非常口があるから「あんきだ」など、安全確認を言葉に出して再確認の意味でも使われています。その一方で人格に対して「あんきだ」を使う方法もあります。世話好きだから「あんきだ」や男らしいから「あんきだ」など、人格に対しての高評価を言葉で発することで、その人の信頼性を高くするメリットがあります。
「あんきだ」は、漢字の「安気」という言葉から変化した方言という説があります。そのため、安心の他にも「ゆったり」や「気楽」という意味を込めて使うかたもいます。現代では「まったり」という言葉がありますが、それと同義語として使う方法もおすすめ。その一方で「あんきだ」は安心できることを断定するときに使う側面があるので、現在の状態が「ゆったり」しているときに「あんきだ」という言葉を使う事例はあまり多くありません。逆にこれから遭遇する状況に対して客観的な評価として「あんきだ」という方言を使う場合があるので、一般的に使うには高い状況把握能力が必要な方言として知られているようです。
横浜弁の「うち」は、女性が使う一人称の表現として定着しています。メディアコンテンツの中では、強気な女性が使うことの多い言葉として有名ですが、現実では幅広く使われています。他の地域でも女性を中心に使われていますが、現地の訛りが加わることで、独特な個性が生まれるので、それを女性の魅力として挙げる方もいます。反対に男性が「うち」を使う場合は、家を意味している方言になります。例えば「これからうちに来て映画みない?」は、これから自分の家に来て映画を見ないかという誘いをかける意味です。そのため、デートの誘い文句として使う事例も多く、男性が「うち」を主語にして誘ってきた場合は、人間関係の発展を望んていると判断することもできます。
「うち」は地域によってイントネーションに違いがあり、訛りもあるので使い方に若干コツがいる方言の一つです。横浜では、同じ音程で「うち」と発しますが、関西地方では「う↑ち↓」というイントネーションが正しい使用方法になります。地域によってはこのイントネーションの違いで生まれがどこなのかを判断する方も多く、自然に使いこなすにはある程度現地で生活する必要があるかもしれません。ただし標準語の地域では、横浜と同じイントネーションで発音することが多いので、生活環境に合わせた使用方法を検討してみるのが良いでしょう。
「でけー」は、物の大きさに感銘したときに使われる横浜の方言です。「でっかい」に棒引きを加えることで、手放しでその大きさを評価しているため、認識を超えた大きさがあるときに使うのが正しい方法。例えば、鶏の卵は大きくても5cmくらいですが、ダチョウの卵はこれの何倍もの大きさになるので、「でけー」と表現できます。このように普段から小さい物をみることの多い方にとっては、頻繁に使用する方言として知られています。
「でけー」にさらに感情を込めたいときには、「でっけー」と使う方もいます。ただしこの場合は建造物等、人間よりもはるかに大きい物に使うことが多いです。その判断基準は、対象物の近くに立ち、その場で見上げて頂上が見えるかどうかで決める方法をおすすめ。見える場合は「でけー」にして、見えないときは「でっけー」と表現し、その大きさの迫力を言葉で表現してみましょう。なお、あまりにも規格外の大きさのときは、「でっっっっっけー」など「っ」の数を多くすることでさらに細かく大きさを表現できます。
「かたす」は、片付けの時に使われている横浜の方言ですが、標準語の地域でも使われている傾向があります。「片付ける」という言葉は濁点を含んでいるため、発音しにくい傾向がありますが、「かたす」ならばスマートに片付けることを表現できるので、ビジネス面でも使われています。例えばハキハキしているような方が、「さっさとかたす!」などといって片付けることを鼓舞するように使うので、この言葉に気持ちが切り替わった人も多いかと思われます。
「かたす」で表現できる片付けの対象になるものは日用品など身近にあるものに限定される傾向があります。例えばおもちゃの場合は「かたす」で片づけることを表現できますが、より大きいものや貴重品などは「片付ける」と表現する方も多く存在します。そのため片付ける環境によって様々な造語が生まれる事例もあり、演劇やテレビで使うセットや舞台上での作業は「わらう」という言葉で片付けを表現しています。なので、興味のある方は様々な環境で使われている「片付け」も調べてみましょう。
「じゃん」は、物事に対して断定の意味を込めて使う横浜弁で、間違いを指摘するときにも使われています。例えば、買った物を開けた時になって違うものだと判明した場合、「●●じゃなくて○○じゃん!」というように使います。またはイントネーションを「じゃ↓ん↑」にすることで、相手から投げかけられた言葉を否定した上で、物事を肯定できます。他の地域でも比較的よく使われている言葉なので、現地の言葉が分からなくても、この様に「じゃん」を発したときの相手の心情さえ把握しておけば、会話が成り立ちます。
「じゃん」は、否定と肯定の両方の意味を持っているので、これに感情を乗せて使う方法もあります。代表的な例だと、「もう食べられないとおもったじゃん」という文章です。この場合食べられないでがっかりしていたところに朗報がきたので、「じゃん」という言葉を自分が喜んでいることを伝える語尾として使っています。そのため、現実の恋愛やドラマなどでも「じゃん」という言葉を使い、自分が不安だったけど、最終的に希望する形に収まったことを言葉で表現しているので、非常に汎用性の高い方言です。
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