【ペルー・クスコ】黄金の神殿「サントドミンゴ教会」を観光！キリスト教とインカ帝国の文化の融合

クスコの観光スポットの中でも、サント・ドミンゴ教会は人気のある建物ですね。ここは教会というだけではなく、インカ帝国時代の神殿としての顔も残しています。このスポットについて詳しく見てみることにしましょう。

サント・ドミンゴ教会は、アルマス広場から徒歩5～10分ほどの距離にある教会です。クスコの観光スポットとしては人気があるのではないでしょうか。それは、ただの教会だからではなく、インカ帝国時代の神殿としての顔も残しているからです。

インカ時代の太陽神殿、コリカンチャはサント・ドミンゴ協会の土台として残っています。
入り口の近くにはフリーの英語ガイドがおり、声をかけられることもあります。ぼったくりじゃないと判断できたら、こういったガイドの案内で中を見た方が楽しいかもしれませんね。

現在のような姿になったのはスペイン侵略後のことです。黄金で覆われていた神殿は、スペイン侵略と共に黄金が略奪され石垣のみが残りました。それまでは地面に砂金が敷かれ、黄金のトウモロコシが内部で植えられており、全体が金で覆われた、まさに光り輝く神殿だったようですよ。

スペイン侵略後は、もともとあった石垣の土台の上に協会が建築されました。神殿部分は修道院や土台として残されたのです。

1950年に大地震が起こると教会部分は崩壊しましたが、石垣の方はわずかにずれたところがあるのみで、きれいに残っていたようですね。このことがきっかけで発掘や考古学的な研究が行われるようになり、現在ではコリカンチャも、復興したサント・ドミンゴ協会も見学できるようになっています。

コリカンチャの方が有名ですが、教会内部も見学が可能です。キリスト像が黒人であると言われるなど、この地方独特の文化も垣間見られるのが楽しい点でしょう。

宗教画の数も多いので、これも時間があればじっくり見学してみましょう。

ただし、宗教関係のものは撮影禁止。コリカンチャや中庭は撮影が可能ですが、宗教画の撮影はできないので、十分に注意するようにしましょう。

コリカンチャの神殿は中庭の南東にありますが、まずは中庭をじっくり見てみることにしましょう。中庭だけを見ていると、教会のイメージの方が強いですね。ですが、中心にはインカ帝国時代の石細工が置いてあるのです。

この中央にあるのは井戸とも噴水とも水瓶のようなものともいわれており、一枚岩をくりぬいて水をためるのに使ったそうです。昔は黄金に覆われていました。

スペインの侵略後に、今の姿になり、中庭に配置されたそうです。

インカ帝国の文化と言えば、多くの人が「かみそりの刃一枚通さぬ」石垣を思い浮かべるでしょう。コリカンチャは神聖な建物であったため、特にこの技術が光っていますね。

中には、穴がたくさん開いた石も残されており、精巧な石組がどのようにして組み立てられているのかをうかがうことができます。穴の凹凸部分を組み合わせたようですが、どのようにしてこれだけ正確なものを作ることができたかは、まだ謎が解明されていないのですよ。

また、コリカンチャの中には、クスコの石組の中でも最も小さな石があります。これは1cm四方ほどのもので、指先ほどですから自分の指と比較してみると良いですよ。

中庭の南東にある4つの神殿は、正確には太陽の神殿ではありません。ここにあるのは月や星、雷鳴などの神殿。この4つの神殿の見どころは、精巧な石組だけではなく神像を置いたと言われる穴やいけにえを置いたと言われる台が残されていることです。

このいけにえの台では、リャマが使われたと言われています。最も、インカ帝国は文字を持たない文明でしたから、本当のところは分かっていません。分かっているのは、いけにえの台もかつては黄金に覆われていたということですね。

神殿の中には、三つの窓が正確に同じ場所に開いているようなところも。石組建築だけでもすごいですが、同じ場所に穴をあけるような技術も持っていたのですね。

太陽の神殿部分は外から見えています。見事なカーブなので、すぐにその部分が太陽の神殿だったと分かるはず。

インカ帝国時代にはカーブしている部分が最も神聖な場所でした。コリカンチャには月や星の神殿もありますが、やはり、太陽の神殿が最も神聖で大事なものだと考えられていたのですね。

これに関しては内側からより、外側から見ている方がずっと分かりやすいかも。外観からもコリカンチャを楽しんでください。

インカ帝国時代の世界観を表現しているのは、残された建物だけではありません。外の芝生にも注目してみてください。

芝生の模様になっているのは、インカ帝国時代の信仰の中で最も大事にされた三つの動物です。

インカ帝国時代の世界観の中では、世界は三層になっていました。最も上、天井部分を象徴するのはコンドルです。

中間、地上の部分を象徴するのはピューマ。クスコがピューマをかたどって建設されたと言われていますが、それは地上部分の象徴である神聖な動物だからなのでしょう。

そして、地下の部分を象徴するのは蛇。芝生ではこれら三つの動物が表現されています。コリカンチャを訪れた際には、この芝生にも注目して見てみたいですね。

そして、この世界観ではレプリカの黄金版でも。残念ながら本物はスペインに略奪されてしまいましたが、レプリカで当時の世界観を確認できますよ。芝生やレプリカにみるインカ帝国時代の世界観も面白いですね。

いかがでしたか？

サント・ドミンゴ協会はかつてのコリカンチャとしての展示も行っており、この地の歴史や、スペインが持ち込んだ信仰との融合の姿を見るには最適ですね。クスコを訪れた際には、ぜひ見学に行ってほしい観光スポットの一つです。