スペイン・アラゴンのムデハル様式の建築物10選!世界遺産に登録された教会・宮殿・大聖堂!

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スペインにはその地理的な理由から、イスラム様式とヨーロッパの様式が混ざった独特な建物がたくさんあります。アラゴン州で世界遺産に登録された、そんな建物をご紹介します。

アラゴンのムデハル様式の建築物

ムデハル様式とは、アラビア語で「残留者」を意味する言葉に由来する、スペインの建築様式です。イベリア半島をキリスト教徒が再征服した「レコンキスタ」のあと、イベリア半島に残ったイスラム教徒の建築様式と、キリスト教徒の建築様式が融合したものです。

建物の壁や天井に幾何学文様の装飾が施されているのが特徴です。1986年に世界遺産に登録され、2001年に建物が追加されました。

サラゴサとテルエルは8世紀にイスラム教徒に占領されましたが、レコンキスタによりアラゴン王国の支配下に置かれます。その際、ムスリムの技術力の高さに、彼らを保護しました。

そんな彼らの技術が活かされたムデハル様式の建物をご紹介します。

サンタ・マリア大聖堂(テルエル)

サンタ・マリア大聖堂、またはテルエル大聖堂とも呼ばれています。アラゴン国王アルフォンソ2世が建設を命じ、ロマネスク様式で造られました。その後13世紀にムスリムからキリスト教徒に改宗した建築家が建て直しました。

時計塔は1257年に完成し、スペインの中でも随一のムデハル様式といわれています。
また、ロマネスク様式だった後陣は14世紀頃にゴシックムデハル様式に改築されました。

その後、16世紀に身廊のドームが作り上げられました。
また、箱型の天井には歴史的、宗教的な人物や動物の絵がゴシック様式で描かれています。

サンタ・マリア大聖堂(Teruel Cathedral/Catedral de Santa María de Mediavilla)
住所:
Pza. de la Catedral, 3. Teruel
アクセス:
テルエル駅から徒歩10分
営業時間:
6月1日~10月31日
 月曜日~土曜日11:
00~14:00、16:00~20:00
 日曜日16:
00~20:00
11月1日~3月31日
 月曜日~土曜日11:
00~14:00、16:00~19:00
 日曜日16:
00~19:00
定休日:
電話番号:
978 61 80 16
料金:
3ユーロ、7歳以下は無料

サン・ペドロ教会

サン・ペドロ教会は14世紀に建てられました。アラゴン・ロマネスク様式とムデハル様式の建物です。

塔はテルエルのムデハル様式としては、最古の13世紀に造られたものと言われています。もともと別の教会がありましたが、今の教会に建て直されました。

隣接する教会は「テルエルの恋人たち」の物語で非業の最期を遂げた、二人の遺骸を収めた教会があります。

16世紀に、地下からこの恋人たちの遺骸を見つけたことから、この教会を捧げ、「恋人たちの教会」と呼ばれています。彼らの物語は、スペイン版のロミオとジュリエットとも。

サン・ペドロ教会(San Pedro Church/Iglesia de San Pedro)
住所:
Calle Matías Abad, s/n. 44001 Teruel
アクセス:
テルエル駅から徒歩10分
営業時間:
夏季 9:
30~20:30
冬季 10:
00~14:00、16:00~20:00
定休日:
電話番号:
+34 978618398
料金:
 教会、恋人たちの教会共通 3ユーロ
 教会、恋人たちの教会、塔、回廊共通 4ユーロ
 7歳以下無料

サン・マルティン教会

サン・マルティン教会は12世紀ごろには既にあったと考えられていますが、現存の建物は17世紀に改修されたものです。

三つの身廊を持つ教会で、天井はかまぼこ型のバレル・ボールトで作られ、身廊の端には半円型の壁面があります。

サン・マルティン教会の塔は、ムデハル様式で14世紀初めに建てられました。他のテルエルにある塔と同じく、見張り台としての役割を持っていました。

サン・マルティン教会(San Martín's Church/Iglesia de San Martín)
住所:
Plaza Pérez Prado, s/n. 44001 Teruel
アクセス:
テルエル駅から徒歩13分
※内部は非公開のため、外観のみ

エル・サルバドル教会

14世紀に建てられた塔は、エル・サルバドル教会に隣接しています。住宅街に建っているため、周りを家屋に囲まれています。
また、塔の形も表面に施された飾りも、サン・マルティン教会の塔と瓜二つです。

エル・サルバドル教会(the church of El Salvador/Iglesia de San Salvador)
住所:
Calle el Salvador, 7, 44001 Teruel
アクセス:
テルエル駅から徒歩10分
営業時間:
2月~7月、9月~10月
 11:
00~14:00、16:30~19:30
 月曜午後は休館
11月~1月
 11:
00~14:00、16:30~18:30
 月曜午後は休館
8月、聖週間、土日に祝日が重なった場合
 10:
00~14:00、16:00~18:00
定休日:
イースターの火曜日、7月の祭り「Vaquilla del Ángel Festival」、12月24日、25日、1月1日、6日
電話番号:
(0034) 978 60 20 61 / (0034) 619 60 65 63
料金:
一般2.50ユーロ、7歳~15歳2ユーロ、7歳未満、65歳以上無料

サンタ・マリア教会(カラタユー)

サンタ・マリア教会はアラゴン州、サラゴサ県の自治体、カラタユーにあります。
もともと町の中心部にあったモスクの上に14世紀から建てられ、ムデハル、ルネサンス、バロック様式が混在した建物になっています。

後陣、回廊、塔がムデハル様式で造られています。

サンタ・マリア教会(Collegiate church of St Mary Major/Colegiata de Santa María la Mayor)
住所:
Calle de Sta María, 5, 50300 Calatayud, Zaragoza
アクセス:
カラタユー駅から徒歩15分
営業時間:
定休日:
電話番号:
料金:
※カラタユーのムデハル様式の建物を訪ねるツアーあり。
 一人2ユーロ
 24時間前までに要予約
 電話番号:
675695320(受付時間:月曜日~金曜日、9:00~14:00)

サンタ・テクラ教区教会

サンタ・テクラ教会はサラゴサ県セルベラ・デ・ラ・カニャーダと言う町にある、教会兼砦でもあった、ゴシック、ムデハル様式の混在する建物で、14世紀から17世紀にかけて建てられました。

サンタ・テクラ教区教会(Santa Tecla Church/Iglesia de Santa Tecla)
住所:
Calle Cuatro esquinas Cervera de la Cañada, Zaragoza
アクセス:
カラヤユーから車で15分
営業時間:
 月曜日~金曜日 礼拝の時間のみ
 土曜日、日曜日 10:
00~19:00
定休日:
電話番号:
料金:
無料
※カラタユーのムデハル様式の建物を訪ねるツアーあり。
 一人2ユーロ
 24時間前までに要予約
 電話番号:
675695320(受付時間:月曜日~金曜日、9:00~14:00)

サンタ・マリア教会(トベド)

サンタ・マリア教会は、サラゴサ県トベドにあります。14世紀後半にゴシック、ムデハル様式で建てられた、教会と砦を兼ねた建物です。
レコンキスタ後のスペインの状況から、教会敷地内の広場や防御のための欄干など、教会の防御を強化するための原型となりました。

サンタ・マリア教会(St. Mary's Church/Iglesia de Santa María)
住所:
Calle del Chorro Tobed, Zaragoza
アクセス:
サラゴサから車で1時間
営業時間:
 平日は礼拝の時間は入場不可
 土日、祝日、8月、9月は朝のミサから昼まで。
定休日:
電話番号:
+34 97662910
料金:
無料
※カラタユーのムデハル様式の建物を訪ねるツアーあり。
 一人2ユーロ
 24時間前までに要予約
 電話番号:
675695320(受付時間:月曜日~金曜日、9:00~14:00)

アルハフェリア宮殿

アルハフェリア宮殿は、タイファ・サラグスタ王国時代の11世紀前半に建てられたイスラム建築様式の宮殿です。レコンキスタ後のアラゴン王国の宮殿としても使われ、現在はアラゴンの議会の建物として使われています。

宮殿内の漆喰にイスラム様式独特の幾何学模様や草花模様が細かく施されている様子は、ヨーロッパ建築とはまた違った趣きの豪華さがあります。イスラム王朝後にスペインの支配下に入った後もきちんと残されていたため、スペインでも良い保存状態で残された、大きな建築物となっています。

アルハフェリア宮殿(Aljafería Palace/Palacio de la Aljaferia)
住所:
Calle de los Diputados, s/n、50003 Zaragoza
アクセス:
サラゴサ・デリシアス駅より徒歩17分
営業時間:
11月~3月
 10:
00~14:00(木曜日、金曜日以外)、16:00~18:30(日曜日、木曜日以外)
 ガイドツアーは10:
30~12:30、16:30~17:30
4月~10月
 10:
00~14:00(木曜日、金曜日以外)、16:00~20:00(日曜日、木曜日以外)
  ガイドツアーは10:
30~12:30、16:30~18:30
 ※1月、7月、8月は曜日に関係なく開館
定休日:
12月25日、1月1日
電話番号:
+34 976 28 96 83
料金:
5ユーロ、シニア、学生は1ユーロ、12歳以下、日曜日は無料
※ガイドツアーは当日に申し込み可能
※最終入館は30分前まで
※館内は、フラッシュ撮影不可

ラ・セオ(サルバドール大聖堂)

サルバドール大聖堂は、ラ・セオ広場にあるため、「ラ・セオ」とも呼ばれる、ローマカトリック教会です。元々古代ローマ時代の公共広場があった場所に、タイファ・サラグスタ王国時代にモスクが建てられました。

レコンキスタ後はモスクを流用して後期ロマネスク様式の教会へと作りかえられました。13世紀から15世紀までアラゴン王国の国王はこの大聖堂で戴冠式を行ったそうです。
その後、14世紀ごろから行われた改修・増築にはゴシック、ムデハル様式、ルネサンス様式、バロック様式と時代ごとの建築様式が用いられた、建築様式の坩堝のような大聖堂となりました。

1360年、司教が彼自身の礼拝堂(パロキエタ)をムデハル様式で造りました。特に外壁が有名です。

パロキエタの壁に続くのが後陣です。下の壁はロマネスク様式で、その上からがゴシック・ムデハル様式で造られています。幾何学文様の施された壁に、ゴシック様式のトレーサリーが施された尖塔アーチが設けられています。

1498年に柱が壊れたために、新しいドームがムデハル様式で作りなおされました。ドームは長方形の基部の上に八角形の基部が乗り、最終的に八芒星の天井模様になっています。

サルバドール大聖堂(Cathedral of the Savior of Zaragoza/Catedral del Salvador de Zaragoza)
住所:
Plaza de la Seo 2 50001 Zaragoza
アクセス:
プラザ・エスパーニャ駅から徒歩7分
営業時間:
夏季
 月曜日~金曜日 10:
00~20:30
 土曜日 10:
00~12:00、15:00~20:30
 日曜日 10:
00~11:30、14:00~20:30
冬季
 月曜日~金曜日 10:
00~14:00、16:00~18:30
 土曜日 10:
00~12:30、16:00~18:30
 日曜日 10:
00~12:00、16:00~18:30
定休日:
電話番号:
976 291231
料金:
4ユーロ、18歳以下、65歳以上は3ユーロ
※タペストリー博物館と共通
※最終入場は30分前まで
※臨時の礼拝などの場合は入館不可

サン・パブロ教会

サン・パブロ教会はもともとあったロマネスク方式の教会の代わりに、13世紀後半から14世紀初頭にかけて、ゴシック、ムデハル様式で建てられました。
外からは見えませんが、身廊はゴシック様式を代表する、ヴォールトを支える飛び梁方式を使っています。

14世紀にムデハル様式の塔が付け加えられました。

サン・パブロ教会(Church of San Pablo/Iglesia Parroquial de San Pablo)
住所:
Calle San Pablo, 42 Zaragoza
アクセス:
セサル・アウグスト駅から徒歩2分
営業時間:
月曜日~土曜日 10:
30~12:30、19:00~20:30
定休日:
電話番号:
+34 976 28 36 46
料金:
 教会のみ 2ユーロ
 塔と回廊 3ユーロ(ガイド見学のみ)
 共通 4ユーロ
※最終入館は終了30分前まで
※ガイド見学あり。
※教会は特別な礼拝の場合は閉館。(塔は除く)

最後に

ムデハル様式は煉瓦や漆喰、タイルなどを使用して幾何学文様を作るのが特徴で、イスラム様式の細かい装飾を施すスタイルを継承しています。
そのため、あちらもこちらもと見所がたくさんあって、迷ってしまいそうなほどです。
西洋建築様式と混在した独特の建物見学、観光の候補に如何でしょうか?

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