スペイン・アンダルシア・バエサ人気観光スポット特集!歴史的建造物の宝庫を巡る旅

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サラマンカやアルカラ・デ・エナーレス。スペインには大学を中心に発展してきた街がいくつもあります。アンダルシアにある人口1万人足らずのバエサもその一つ。かつては名門大学でスペインに名を馳せた小さな街です。旧市街には由緒ある大学や芸術性の高い建築物がたくさん集まるバエサの街を散策してみましょう!

聖母マリア生誕大聖堂(Catedral de la Natividad de Nuestra Señora)

バエサの建築美が凝縮された建物といえば、14世紀から16世紀にかけて建造されたこの教会でしょう。教会が完成したとき、建築設計を担当していたのはアンドレス・デ・バンデルヴィーラ。スペイン・ルネサンスをリードしていた建築家です!

これは正面の出入り口上部にある石のレリーフ。モチーフはこの教会で祀られている聖母マリアの生誕です。豊かな表情、しなやかな身体、きめ細かな装飾などは、どれもスペイン・ルネサンス芸術の特徴。

白を基調とした教会の中はとても広々としていて、厳かな雰囲気。高い丸天井とそれを支える太い石の柱は、ゴシック様式特有の空間美ですね。聖壇も黄金で飾り立てられていて、カトリック教会の権威が示されています。

教会の中にはこんな可愛らしいスペースも。小ぶりのアーチが連なる石造りの回廊とパティオです。静かに流れる時間をゆっくりと肌で感じたいですね。

聖母マリア生誕大聖堂 (Catedral de la Natividad de Nuestra Señora)
住所:
Plaza Santa María, s/n
アクセス:
ポプロ広場(Plaza del Pópulo)から徒歩およそ5分
電話番号:
953 744 157
見学時間:
月曜日~金曜日10:00~14:00、16:00~19:00 土曜日10:00~19:00 日曜日10:00~18:00
閉鎖日:
無休

ハバルキント宮殿(Palacio de Jabalquinto)

宮殿の名前になっているハバルキントは、バエサの近くにある街。その街に暮らしていた貴族によって、15世紀後半に建てられたのがこの宮殿です。ファザードにある2本の太い柱は、扶壁の役割を果たしているそう。

この宮殿の様式はスペイン特有のイサベル様式と呼ばれるもの。簡単に言えば、立体的に壁をゴテゴテに飾るゴシックと幾何学模様が特徴のイスラム建築が融合したスタイル。ハバルキント宮殿では、この融合された様式が見事に調和しています。

もともとは貴族の邸宅でしたが、現在は大学付属の施設になっています。見学できるのはパティオだけですが、そのパティオがまた美しい!とても明るくて開放的。柱やアーチの一部に木も使われているので、温かみがあります。

パティオから2階へと続く階段もまた凝った装飾。王侯貴族の優雅な暮らしぶりが、手に取るように伝わってきます。

ハバルキント宮殿(Palacio de Jabalquinto)
住所:
Plaza de la Santa Cruz, s/n
営業時間:
9:00~14:00
アクセス:
聖母マリア生誕大聖堂(Catedral de la Natividad de Nuestra Señora)から徒歩およそ1分
電話番号:
953 779 982(バエサ市観光局)
休館日:
土曜日・日曜日・祝日

旧大学(Antigua Universidad)

アンダルシアはスペインの中でも、古い大学が多く残っている地域。16世紀にはバエサのほか、セビリャ、グラナダ、オスーナで大学が造られました。バエサの大学は1542年の創設。創設者はローマ教皇の家系に連なる聖職者。そう、この大学は当時のアンダルシアで名門校だったのです!

ここは大学の中にあるパティオと回廊。細い柱に支えられたアーチはハバルキント宮殿と同じ構造。ガラス窓は後世に取り付けられたものですが、1階と2階で同じアーチが寸分の狂いもなく続いています。

名前が「旧大学」となっているのは、19世紀初頭に1度廃校になっているため。その後、ここは高校に改編されましたが、現在ではアンダルシア国際大学の付属施設になっています。

教室の一部は解放されているので見学ができます。昔使われていた黒板や机もそっくりそのまま!パティオから入り込む日射しで教室はとても明るい雰囲気。

外壁に掲げられたこのプレートはスペインの国民的詩人アントニオ・マチャード。バエサで暮らした1912年から7年間、ここで教鞭を執っていました。すでに紹介した教室は、マチャードが実際に授業をしていた場所。マチャードはバエサの住民にとって誇りです。

旧大学(Antigua Universidad)
住所:
Calle Beato Juan de Ávila, s/n
アクセス:
聖母マリア生誕大聖堂(Catedral de la Natividad de Nuestra Señora)から徒歩およそ1分、ハバルキント宮殿(Palacio de Jabalquinto)正面
電話番号:
953 779 982(バエサ市観光局)
開館時間:
月曜日~日曜日10:00~14:00 16:00~19:00
休館日:
無休

いかがでしたか?バエサはアンダルシアの主要な観光ルートからちょっと外れたところにある街。でも、旧市街には、バエサでしか見ることのできない貴重な歴史的建造物がたくさん集まっています。スペインの古き大学都市を訪れてみましょう!

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