ラーメンチェーン店人気ランキング10！おすすめのお店それぞれの特徴をご紹介

ラーメン（拉麺）は、中国発祥の麺料理で、かつては「中華そば」とも呼ばれていましたが、カレーと並ぶ日本の国民食となり、本場中国の味からみるみる進化していきました。そのラーメンの進化は現在でもとどまることがありません。

日本各地には、地域により、スープの取り方や麺の種類が異なっています。そのような環境下にあるラーメン店の中でもおいしさと人気により「チェーン展開」するお店が全国に多数あります。

ここでは日本全国で人気のあるラーメン店10カ所を厳選し、それぞれのチェーン店のラーメンの特徴を見ていきます。

天下一品は、京都市が発祥のラーメンチェーン店です。その歴史は1971年にさかのぼり、当初は屋台営業からスタート。1975年から、初の店舗を構え、一大チェーン店に発展しました。2019年の時点で、北海道から沖縄まで全国38都道府県と、国外のハワイを含め、230を超える店舗があります。

天下一品グループとして、「あがりゃんせ」「華めぐり」「味がさね」という名前のお店も展開しています。国外には、ホノルル以外に店がないことから、他国で類似の名前のラーメン屋をみつけたときは、注意が必要です。

天下一品のラーメンの特徴はこってりスープにあります。これは創業者の「木村勉」氏が4年かけて作り上げたもので、他の追随を許しません。

会社が倒産し、ラーメン屋の屋台を始めた木村氏が、他の屋台のスープがしょうゆ味しかないことに着目し「同じスープではわざわざ来てもらえない」と考え、独自のスープを日々研究し続けました。このスープは口当たりが「こってり」にもかかわらず、後味が驚くほどすっきりしていると、瞬く間に大評判になりました。

こってりスープは、11種類の野菜がベースとなり、麺に絡みつくほどのとろみがあります。そして、もう一つあっさりスープのスタイルもあります。この2種類のスープをまぜた「こっさり」というスープで提供するお店や、スープの濃度を客が調整する「味がさね」というラーメンも登場しました。

麺は通常の太さですが、一部細麺が登場する場合があります。10月1日を「天一の日」として、この日は大々的なキャンペーンが繰り広げられるため、この日に天下一品のラーメンを食べると良いでしょう。

幸楽苑（こうらくえん）は、福島県の郡山市に本部がある、ラーメンチェーン店です。創業は1954年で、開業当初は「味よし食堂」と言う名前でした。その後「幸楽苑」と名前を変え、工場を建設し、全国展開に向けて発展していき、ラーメン店のほかに「アショカ」というカレー専門店もオープンします。一時はタイに現地法人「幸楽苑タイランド」がありました。

2019年時点で22都府県に528店舗を展開しています。また、2017年からはペッパーフードサービスとフランチャイズ契約を締結し、「いきなりステーキ」というお店も始めました。

幸楽苑は、時代や地域にこだわったラーメンを作ります。野菜へのこだわりには、並々ならぬものがあり、東日本を中心に販売を開始した「味噌野菜ラーメン」には1杯300gの野菜を使用しました。

また、地域により好みの味付けが違うことから、日本の地域を6地区に分けて、それぞれの地域に合わせたメニューを提供。さらに、ショッピングセンターのフードコートにも積極的に出店し、気軽に食べられるメニューを用意しています。

ラーメンメニューは幅広く取り扱っていて、味は、「醤油」（しょうゆ）」「味噌」「塩」「つけ麺」から選べます。さらにそれぞれの味から細分化しており、醤油ラーメンは4種類。

もちろん素材にもこだわりがあり、麺の原料である小麦粉は最高品質の「天壇」を使用し、スープは年2万トンの原料から作られる極上の味、オリジナル開発された醤油とラーメンとの相性にも味噌にもこだわりがあります。これらを、全国のチェーンで安定的に供給しています。

博多一風堂は、九州の福岡発祥のラーメンチェーンです。1985年の創業以来、着実に業績を伸ばし、新横浜ラーメン博物館に出店して以降は、全国的に有名になりました。同時にテレビで「ラーメンチャンピオン」として、殿堂入りするなどその存在感をとどろかせ、セブンイレブンとタイアップした商品を販売します。

その後2008年にはニューヨークに出店し、以降アジアを中心に海外展開を続け、2017年には東証マザーズに上場を果たしました。現在は「一風堂」を中心に6つの個性豊かなブランドを駆使し、日本全国と世界14カ国に進出しています。

一風堂は、それまでの博多ラーメンのイメージを、一新しました。かつては「怖い、汚い、臭い」と若い人から敬遠されていた博多ラーメンでしたが、スタイリッシュで清潔な店舗デザインを意識して、女性が入りやすい店にしました。

伝統的な豚骨スープの臭みを極力排除しつつ、研究を重ねて深みのあるスープを作り上げ、麺についても、オリジナルの自家製麺を完成させ、博多ラーメンに新しい風を吹き込むことに成功しました。豚骨ラーメンだけにこだわらず、みそや醤油ラーメンも提供しています。

一風堂の主力メニューは、大きく2つあります。創業から続く原点の味白丸元味は、18時間の調理と1日の熟成を経たスープに、細麺を合わせて提供します。もうひとつは赤丸新味で、白丸の味を元に進化させた豚骨ラーメンで、コクと深みを追求しました。

さらに、からか麺は、白丸のスープをベースにスパイシーな香辛料・ナッツ・香油を混ぜ合わせた、ピリ辛の憎味噌をトッピングしました。これは香辛料の辛さと、豚骨の味が見事にマッチしており、根強い人気があります。

スガキヤは、愛知県名古屋市に拠点を持つラーメンチェーンです。1946年に創業し、当初は甘党の店でした。3年後にはラーメンを提供するようになり、「寿がきや」の名前でインスタント麺を作る食品会社の設立なども行いました。1969年以降に本格的にチェーン展開を開始し、中部と関西地方に展開しています。

特徴は、フランチャイズではなく、直営でのみ行っている点です。スガキヤのほかにも「ラーメン寿がきや」「博多うどん木村屋」などのブランド店も展開しています。

スガキヤの特徴として価格が挙げられます。最もノーマルな赤丼こと「ラーメン」は、300円台で提供。麺を自社で一括製造するなど、コストを削減して実現できました。そのお得感が名古屋を中心に人気を持つ秘訣（ひけつ）です。

かつては、関東にも出店をしていましたが、不採算に陥りやすく、不採算店と判断するとすぐに撤退。ビジネスモデルの問題も背景にあったため、最終的に黒字店も閉鎖し、2019年3月現在、関東にはありません。

スガキヤは、元々甘党の店としてスタートしたので、ラーメンの他にも甘味のメニューがそろっています。小倉ブレッドクリームやほうじ茶ゼリーのような、季節限定商品を加えると8種類あり、これは他のラーメン店の追随を許しません。ラーメンの後にスィーツが食べられるのも人気の秘訣でしょう。

世代を超えたファミリーでも注文しやすいように「お子様セット」「スガキヤ丸ごとミニセット」など、セットメニューも充実。セットメニューの中には、平日限定として、五目ごはんとラーメンのお得なセットを実施しています。

くるまやラーメンは、東京都足立区綾瀬に拠点があるラーメンチェーン店です。1968年に当日国鉄綾瀬駅前で創業しました。創業当初は「うどん・そば」の店でしたが、2年後には観光バスを改造したラーメン店を駐車場で始めました。1990年代に本社機能を綾瀬駅前に移転してから、本格的なチェーン展開を開始します。北海道や名古屋地区に積極的に、そして、ちゃんこ料理店も出店。ところが、94年には業績不振により、会社更生法を申請する事態となり、最大の危機が訪れました。

200店を一気に閉店しましたが、残存の70店の直営店とフランチャイズ店を残し、更生会社として営業を続けました。その後業績は見事に回復し、更生計画を満了し現在に至ります。現在は青森県から静岡県まで、主に東日本で170店ほど展開しています。

経験を得たラーメンは、原点の味「みそ味」をはじめ、にんにくたっぷり「しょうゆ味」、あっさり仕立ての「塩味」、スパイシーな「カレー味」など多種多様です。みそ味だけでも20種類ものメニューがあり、どれを選んでよいか迷ってしまうほど。

くるまやでは、定番の味の他にも、にんにく抜きのさっぱり味の昔ながらの中華味と、オリジナルの台湾ラーメン、とんこつラーメンがあります。お子様用のラーメンもあるため、ファミリーでも利用しやすいでしょう。ラーメンのほかにも、サイドメニューとして3種類の「ミニ丼」を用意しています。

また、ラーメン店の必須アイテム「餃子」をはじめ、メンマ盛り合わせ、チャーシュー盛り合わせ、野菜炒め、キムチなどは、食前のビールのつまみとしても最適。

ラーメン横綱は、京都市西京区に本社がある、ラーメンチェーンです。1972年に屋台から操業しました。5年後に京都市南区で1号店を開業してから、業績が伸びて行き、10年後には食品工場を設立。現在は、京都・関西地区を中心に、東海・関東にも40店以上出店しています。

食品会社を設立した経緯から、販売開始して30年を迎えた人気の「カンタン麺」は、生麺ですが、ほかのラーメンと違い、別ゆでが不要で、インスタントラーメンのようにして食べられます。

ラーメンの特徴は、とんこつ醤油をベースにしている点です。メニューの一つ「野菜ラーメン」には魚介タレが加わっています。メニューに使う食材は、すべて京都にある工場で仕込みをされ、全店舗に配送しています。

また、客が自由に味付けができるように、テーブルにはいろいろなアイテムが置かれているため、お好みに合わせたラーメンがいただけるでしょう。薬味として用意されているネギは国産のうえ、ありがたいことに入れ放題です。

ラーメンの種類は5種類で、屋台の時代と変わらない味を出しています。オーソドックスなラーメンのほかには、卵がのった「味玉ラーメン」、キムチが加わった「彩ラーメン」があり、チャーシューで器を埋め尽くす「チャーシューメン」は、お値打ちです。野菜を中心とした野菜ラーメンも人気です。

生卵や温玉のトッピングもあるため、自由にラーメンライフを楽しみましょう。サイドメニューには「黒豚餃子」「ぴり辛餃子」「鉄板チャーハン」「鶏もも肉のから揚げ」などがそろいます。

喜多方ラーメン坂内 小法師 （きたかたらーめん ばんない こぼし） は、東京に本社を持つ会津喜多方ラーメンのチェーン店です。福島県喜多方にある、坂内食堂店主の協力により、1987年に東京新橋に喜多方ラーメンの店「くら」を開店したのが始まり。その後、屋号を「喜多方ラーメン坂内」としてチェーン展開を開始しました。

現在は首都圏を中心に、東日本や西日本、そして、海外にもチェーン展開してます。2019年現在、本場福島の喜多方には、出店していませんが、ご当地ラーメンの名を広げた存在であることには間違いありません。

現在は、「坂内」「小法師」「喜多方食堂」の3形態の店があります。坂内と小法師の両者で、味などの大きな違いはありませんが、喜多方ラーメンの知名度が上がり、競合店が増えてきたことにより、新たに喜多方の縁起物「小法師」の名前を使っています。

素材を重視しており、スープは豚肉のうまみだけを煮て作られた透明であっさりした豚骨スープ、麺は客の食べるタイミングに合わせて熟成させた平打熟成多加水麺、それにとろけるようなチャーシューを載せました。

メニューは基本となる喜多方ラーメンを中心に、たっぷりのねぎを載せた「ねぎラーメン」、チャーシューを丼で埋め尽くした「焼豚ラーメン」、それにねぎを多くした「ねぎ焼豚ラーメン」があります。夏季限定の「冷やしラーメン」は、和風と中華風から選べます。

セットメニューも充実しており「餃子セット」「炙り焼豚ごはんセット」「半チャーハンセット」と、いずれも注文したくなるものばかりで、迷ってしまいます。お子様向けの「お子様ラーメンセット」には、デザートジュース、おもちゃがついています。

らーめん山頭火は、北海道旭川に本店があるラーメンチェーンです。明治時代の自由律俳句の俳人「種田山頭火」から屋号の名前が付けられました。1988年に創業し、評判がよかったことから、6年後には東京に進出すると、旭川ラーメンブームに乗っかり一気にチェーン展開していきます。

2019年現在は北海道を中心に、東北や関東地方、そして沖縄の那覇に1店あります。山頭火は、国内にとどまらず海外にも積極的に進出しており、アメリカ、カナダ、シンガポール、台湾、香港、マレーシア、フィリピン、タイ、韓国に店舗があります。

「美味しいラーメンを作りたい」という、創業者の一言で始まったラーメンは、試行錯誤と改良の連続でした。長時間かけて豚骨を煮出して作った白濁スープは、優しいまろやかな味で、うまみと香りを維持するために再沸騰させません。

醤油味が中心だった旭川ラーメンの中で、塩味をベースとした「豚骨ラーメン」を出して好評を得、「最後の一杯まで」という思いを秘めたラーメンは、その後、日清食品とのタイアップでカップラーメンが開発され、知名度の上昇を加速させました。

山頭火のメニューは、細身の女性をイメージした「しおらーめん」、素朴で懐かしい味と評判の「しょうゆらーめん」、豚骨スープに赤みそをブレンドした「みそらーめん」の定番のラーメン、さらに、秘伝の味噌だれと唐辛子三種が加わった「辛味噌らーめん」、チャーシューのボリューム満点「チャーシューめん」もおすすめです。

オリジナルな「特選とろ肉らーめん」は、別盛の具を素ラーメンに載せていただきます。

来来亭は、滋賀県の野洲（やす）に本社がある、ラーメンチェーン店です。もともとは、京都の伏見区に存在したラーメン店が、閉店するにともない、創業者が引き継いだことに始まります。1997年に開店以来、人気が高まり急成長して行きました。

2019年の時点で、関東エリアから九州エリアまで35の都府県に展開。町の中心部よりも郊外のロードサイドで展開されていることが多く、駐車場付のお店が多いのが特徴です。黄色を基調とした店のため、ドライブの途中でも目につきやすいでしょう。

来来亭のラーメンは、京都風の醤油味です。鶏がらスープをベースに、背あぶらをふんだんに浮かせました。すっきりした口当たりとコクが共存しているのが特徴なため、スープを最後まで飲み干せるでしょう。麺は、細麺を採用。スープとの相性が良いので、あっという間に平らげてしまえます。

初めての来店には、しょうゆ味のラーメンを奨励。アレルギーに対しては非常に気を使っており、原材料はもちろんのこと、調理や加工段階で共有する恐れのあるものについても明記をしています。

メニューは「定番ラーメン」や「味玉ラーメン」を中心に、「味噌ラーメン」「こってりラーメン」「チャーシュー麺」があります。これらのラーメンを注文する際には、「麺の硬さ」「醤油の濃さ」「背脂の量」のほか、「チャーシュー」「ねぎ」「一味唐辛子」などのトッピングの注文ができるため、注文時にしっかり伝えましょう。

サイドメニューも充実しており、餃子、唐揚げを筆頭に、コロッケやフライなどの揚げ物、焼き豚を中心とした逸品、蒸しギョーザや小龍包などの点心のほか、食後の甘味も充実しています。

味千ラーメンは、熊本に本店があるラーメンチェーンです。台湾出身の客家、重光孝治こと劉壇祥（リウタンシオン）氏が創業しました。久留米の人気ラーメン店にならい、それに客家料理の揚げにんにくを加えて、屋台で提供したのが始まりです。

現在は日本国内に76店あり、ほとんどが九州の熊本県に集中していますが、北海道から沖縄まで全国の地域に展開しています。海外での進出が著しく、世界各地13カ国、そのうち中国では700店以上も展開し、これは日本発飲食チェーン店で海外店舗数日本一です。

おいしさと体に良いラーメン「医食同源」を意識した創業者により、素材にもこだわりがあります。麺を作る小麦粉は、厳選した複数の粉を安定的な味になるよう、ブレンド。また豚骨の白濁したスープに｢千味油｣という褐色タレを加えることで、うまみを増しています。ナトリウム分の少ない沖縄塩と食後の口臭が抑えられた独自のニンニクを使用。これらの本質を極めたことにより、日本国内と世界で熊本ラーメンの味が認められることとなりました。

メニューは、主力のラーメンだけでも「昭和の復刻ラーメン」「進化形のラーメン」を中心に、つけ麺を含めて10種類以上あります。ほかにも熊本生まれの「大平燕（タイピーエン）」「チャンポン」「バリソバ」などの中華麺メニューがあります。

餃子などのサイドメニューやチャーハンなどのご飯ものも充実しています。店のマスコットキャラクター「チイちゃん」は、創業者の娘「重光悦枝（しげみつよしえ）」氏の、3歳の頃がモデルになっています。

資本関係のあるチェーン店とは違うため番外編ですが、ラーメン二郎は、コアなファンが多いラーメンとして有名です。1968年に東京港区三田に創業したラーメン店で、資本関係のない「のれん分け」方式で同系統のお店が東京を中心に存在します。

直接指導を受けた店とは別に、インスパイアされたお店もあるので、人気の高さがうかがえます。4つのトッピング「ヤサイ」「ニンニク」「アブラ」「カラメ」を無料で提供。コアで熱狂的なファンは「ジロリアン」と表現され、中には独自のルールを勝手に作る人までいます。

ラーメンのチェーン店を数多く持っている店の特徴は、品質が安定していて、多くの人が楽しめる味になっているということ。しかし、チェーン店ごとに、こだわりや味が全く違うものの、いずれのチェーン店においても、おいしいこと間違いなし。

地域により存在しない店もありますが、安定とうまさが保証されているラーメンチェーン店でおいしいラーメンを食べてみてはいかがでしょう。