日本国内でバーチャルツアーができる美術館＆博物館7選！おうち時間を楽しもう

パソコンやスマートフォンが今までよりも普及して、どこにいてもインターネットを使って、様々なことが出来るようになりました。また、ITの技術もより高度なものになり、3DモデルやVR（バーチャルリアリティー）という言葉が多く聞かれます。インターネット上で、実際にそこにないものを、まるでそこにあるかのように見ることが出来る仕組みです。そして、世界全体が予期せぬパンデミックに見舞われた2020年。今まで普通に出来ていた海外旅行や国内旅行、美術館や博物館、映画館の利用などが制限されるようになり、自宅で過ごす時間が多くなった今、この「バーチャル」という言葉が注目されています。

旅行業界では、自宅にいながら旅をする「オンラインツアー」というインターネット上で旅をするサービスが多く配信されるようになりました。美術館や博物館では、インターネット上で館内を動き回りながら、展示物を見学出来る「バーチャルツアー」や「オンラインビューイング」という、以前からあったサービスが注目されるようになりました。どちらも、パンデミックの状況で、自宅にいなければならない状況において、「おうち時間」を楽しむことが出来るサービスです。

今回は、美術館、博物館の「バーチャルツアー」を配信している、Googleのサービス「Google Arts＆Culture(Google Art プロジェクト)」をご紹介します。「Google Arts＆Culture」は、インターネット上の美術館ともいわれています。世界的にも評価の高い数々の美術館や博物館とコラボし、文化遺産や優れた芸術作をオンラインで紹介することを目的として作られたサービスです。その数、2000以上もの施設のバーチャルツアーを提供しています。高画質で施設館内を見学できるだけでなく、代表的な所蔵品の説明なども詳しく掲載されています。その質の高さと充実したコンテンツに対して、無料で利用出来るのもポイントです。自宅にいながら、時間を気にせず、芸術作品を楽しむことが出来るので、ぜひ利用してみてください。

それでは、「Google Arts＆Culture」でバーチャルツアーを楽しむことが出来る、日本国内の美術館、博物館を7つ、ご紹介します。

東京国立近代美術館は、独立行政法人である国立美術館が運営する美術館で、1952年日本で最初の国立美術館として設立されました。東京都千代田区にある本館と、石川県金沢市にある国立工芸館の2つの建物を総称して、東京国立近代美術館といいます。展示スペースの総面積が約4,500平方メートルととても広く、2019年12月末時点での所蔵品の数は13400点以上にもなるとされています。明治40年、21世紀初頭頃からの日本絵画、海外の優れた絵画、デッサン画、版画、彫刻、写真、映像にわたる様々なジャンルを取り扱っています。多くのコレクションの中から選りすぐりの作品を展示する「MOMATコレクション」展は、日常的に美術に関わらない人でも楽しめる人気の展示場です。

東京国立近代美術館のバーチャルツアーは「Google Arts＆Culture」で閲覧可能です。館内のバーチャルツアーに加えて、日本画、素描、彫刻、近代美術など128点の作品が紹介されています。大正時代の芸術運動で活躍した岸田劉生や、高村光太郎の作品なども見学出来ます。その他、東京国立近代美術館では、YouTubeを使って、MOMATガイドスタッフのオススメ作品の解説やアーティスト・トークを配信するなど、現在の状況でも美術館に足を運ぶことなく、その所蔵品を楽しめるように工夫がされています。

国立西洋美術館は東京都台東区の上野公園内にあります。1959年に設立された美術館で、その建物の設計を担当したのが、近代建築の巨匠と称されるル・コルビュジエ氏であったことから、「ル・コルビュジエの建築作品－近代建築運動への顕著な貢献」という名称で世界文化遺産に登録されています。日本の実業家、政治家、そして現川崎重工の前身である川崎造船所の社長の松方幸次郎氏が、ヨーロッパ各地で集めた絵画や彫刻などのコレクション約370点をもとに設立されました。現在では、絵画や彫刻、素描、版画、工芸など所蔵品の数は約6000点あります。

国立西洋美術館のバーチャルツアーは「Google Arts＆Culture」で閲覧可能です。館内のバーチャルツアー以外に、248点の作品が紹介されています。さらに、オンライン展示というコーナーで、キュレーターの解説付きの展示作品を見ることが出来ます。言語は、英語版と日本語版があります。また、印象派を代表するフランスの画家クロードモネの「睡蓮」の映像ガイドも配信しています。「Google Arts＆Culture」の中だけでも、かなりのボリュームなので、自宅でゆっくりと時間を気にせず閲覧できるのは嬉しいですよね。

東京都八王子にある「東京富士美術館」は1983年に、創価学会の会長池田大作氏によって設立されました。「近世フランス絵画展」が一番最初の展示となります。世界的に有名なフランスのルーブル美術館や、国を代表する8つの美術館から集められた優れた絵画が出品されました。現在の東京富士美術館には、日本、西洋、東洋などあらゆる国の絵画や彫刻、版画、ガラス細工、陶器など、14世紀頃のものから現代美術まで、幅広く展示されています。その数、約30000点です。誰でも楽しめる美術館となっています。

東京富士美術館のバーチャルツアーは「Google Arts＆Culture」で閲覧可能です。館内のバーチャルツアー以外に、248点の作品が紹介されています。バーチャルツアー以外に、「中国陶磁名品展」「西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで」「江戸絵画の真髄」をテーマにしたオンライン展示、その他、398点の作品が紹介されています。また、東京富士美術館の公式ホームページでは、所蔵品の中から、選りすぐりのものを紹介しています。スライドによる展示や、閲覧者による投票制のコレクションランキングも掲載しているので、美術館の見所がとても分かりやすくなっているのが特徴です。

東京都上野公園にある「東京国立博物館」は、明治5年（1872年）に設立された、日本で最も歴史のある博物館です。文部省主催の日本で初めての博覧会を開催したのがその始まりです。独立行政法人である国立文化財機構が運営する博物館で、国宝89件、重要文化財646件を含む収蔵品の総数は約11000件以上とされています。縄文時代から江戸時代までの日本美術や、中国、朝鮮半島などの東洋の美術と工芸、考古遺物、旧石器時代から江戸時代までの考古遺物など、ジャンルごとに、6つの館から構成されています。

東京国立博物館のバーチャルツアーは「Google Arts＆Culture」で閲覧可能です。館内のバーチャルツアー以外に、111点の作品や、国宝『観楓図屏風』のオンライン展示が紹介されています。その他、東京国立博物館の公式ホームページ内でも、所蔵品の中の選りすぐりのものを約600件閲覧できる名品ギャラリーや、国立文化財機構が持つその他3つの国立博物館（京都、奈良、九州）の所蔵品が検索できるサービス、国宝・重要文化財を高精細画像と解説付きで閲覧できるe国宝というサービスなど、様々な鑑賞の方法を提供しています。

国立科学博物館は、東京都上野公園、東京国立博物館の向かいにあります。明治10年(1877年)に設立され、東京国立博物館に次ぐ、日本で最も歴史のある博物館の1つです。自然史や科学技術史における研究や調査を重ね、大昔の日本を中心としたアジア諸国に関する自然や生物、あらゆる科学における展示物があります。標本やはく製、恐竜やその他生物、自然の化石など、そのコレクションは約400万点以上ともいわれています。そのうち、約1万4000点が展示されていて、見所は満載です。日本列島の歴史や地殻変動による自然、生物への影響を見ることが出来る日本館と、さらにスケールを広げて、地球規模でみる多様な生物や自然、地球の観測などをテーマとした地球館があります。

国立科学博物館のバーチャルツアーは、「Google Arts＆Culture」で閲覧可能です。館内のバーチャルツアー以外に、302点の展示物の紹介と、11のテーマのオンライン展示を見ることが出来ます。高画質の画像は、まるで博物館に訪れて、実際のものを見ているかのようです。また、国立科学博物館の公式ホームページ内に、「おうちで体験！かはくVR」というタイトルで、バーチャルツアーが提供されています。日本館と地球館にわかれていて、3Dでそれぞれの建物の全体像が映され、好きな場所を自由に見ることが出来ます。動きもスムーズで、画質もとてもよく、本当に館内にいるような気分になります。

京都国立博物館は、東京国立博物館を運営する独立行政法人である国立文化財機構が運営する博物館のうちの1つです。明治30年(1897年)に設立されました。京都国立博物館は、平安時代から江戸時代の京都の文化財を中心に展示や研究、調査を行っています。京都国立博物館には、国宝27件、重要文化財181件を含む約12,500件のコレクションがあります。「古都京都の文化財」として、ユネスコの世界遺産に登録されている京都にあるので、京都観光の際には、訪れたい場所ですよね。

京都国立博物館の公式ホームページ内で紹介されている「Google Arts＆Culture」では、館内のバーチャルツアーはありませんが、オンライン展示として、江戸絵画や、雪舟をはじめとする室町水墨画、国宝・病草紙など24個のテーマと、その他200点の選りすぐりの作品を閲覧することが出来ます。解説付きですので、じっくりと時間をかけて鑑賞してみて下さい。

大原美術館は、岡山県倉敷市にある美術館です。岡山県倉敷市といえば、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋や、昔ながらの白壁の景観が特徴的な倉敷美観地区など、観光スポットとしても有名な場所です。大原美術館は、倉敷の実業家大原孫三郎が昭和5年(1930年)に設立しました。近代美術や印象派、象徴主義における、エル･グレコ、ゴーギャン、モネ、マティスを代表とする、ヨーロッパを中心とした西洋美術を取り扱う、日本で最初の私立美術館です。代表作としては、エル・グレコの「受胎告知」、セガンティーニ「アルプスの真昼」などです。その他、日本絵画や彫刻などもあります。

大原美術館のバーチャルツアーは、「Google Arts＆Culture」で閲覧可能です。館内のバーチャルツアー以外に、選りすぐりの42点の作品を紹介しています。日本人としての感覚を大切にして選び抜かれた西洋の優れた美術品たちは、独特で、個性豊かなコレクションの集まりとして、世界的にも知られるようになったそうです。特に西洋絵画の印象派や象徴主義の画家たちの作品を好む方は、大原美術館のコレクションを見るだけで、とてもワクワクするのではないでしょうか。

日本国内の美術館、博物館で、「Google Arts＆Culture」を利用しバーチャルツアーを楽しむことが出来るおすすめのものを7選、ご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。皆さんも、気になる美術館や博物館があったら、ぜひ、「Google Arts ＆ Culture」を試してみて下さい。美術に興味がなくても、高画質のバーチャルツアーは、とても目を引くものです。人が多く集まる場所や、遠くの場所への旅行などに行けないので、おうち時間を充実させる「バーチャルツアー」をぜひお楽しみください。それでは、今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

※美術館や博物館の営業情報やバーチャルツアーの配信状況は、予告なく変更となる可能性がございます。各美術館の公式ホームページでご確認下さい。