スペインの世界遺産「エル・エスコリアル修道院」で美しき図書館や貴重な美術品に圧倒される!

マドリードの近郊にある、エル・エスコリアル修道院。華やかなルネサンス期に建てられたとは思えないほど外見はシンプルですが、中は見所がたくさんあります。

エル・エスコリアル修道院とは

出典:es.wikipedia.org

エル・エスコリアル修道院はマドリッド県の郊外、サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルにあります。ここは修道院ばかりではなく、宮殿、聖堂、図書館などを有する複合施設です。
スペインで最も重要なルネサンス期の建造物と言われ、1984年に「マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地」として世界遺産に登録されました。

出典:cuadernodesofonisba.blogspot.jp

この施設はフェリーぺ2世の命令により、サン=カンタンの奪回勝利、その戦いでの死者への償い、およびカトリック改革のための研究施設として建てられました。ルネサンス最盛期のイタリアで学んだファン・バウティスタ・トレード、16世紀のスペインで最も優れた建築家と言われたファン・デ・エレーラ、画家でもあったイタリア人のジョヴァンニ・バッティスタ・カステッロの3人の建築家によって、1563年から1584年にかけて造られました。

出典:commons.wikimedia.org

建物は幅207メートル、奥行き161メートルもの大きさがあります。
サン=カンタン奪還の日は戦いの守護者でもあった聖ロレンソの加護があったと考えたフェリーペ2世は、聖ロレンソの殉教の姿にちなんで格子状にしたのだそうです。

そんなエル・エスコリアル修道院の見所をご紹介します。

正面入り口

出典:ja.wikipedia.org

左右対称、装飾を排除したシンプルな作りは、エレーラ独特のデザインでエレーラ様式(エレラ様式とも)と呼ばれています。建設が始まった当初は初期ルネサンス期でもあり、銀細工のような装飾で華やかなプラテレスコ様式でしたが、エル・エスコリアル修道院のシンプルで厳格なたたずまいは、フェリーペ2世が推し進めようとしていたカトリック改革の意志を反映したものだったのかも知れません。

王の中庭

出典:es.wikipedia.org

正面には三つの入り口があり、左は神学校、右は修道院への入り口となり、真ん中は王の中庭へと続くものとなっています。
王の中庭の正面が大聖堂への入り口です。入り口の上には、左から、ヨシャファト、ヒゼキア、ダビデ、ソロモン、ジョサイア、マナセと6人の王の像が並んでいます。

修道院

出典:www.flickr.com

修道院は回廊と福音史家の中庭を含む建物で、ファン・バウティスタ・トレードの最高傑作だと言われるほど。上階をつなぐ大階段のドーム状の天井にはフレスコ画が描かれています。

出典:alternativamunicipal.es

福音史家の中庭の真ん中には、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4人の福音史家の彫像が据えられたお堂が建てられています。

図書館

出典:paradoresandpousadas.wordpress.com

この図書館は世界でも最も重要なものと言われています。15世紀から16世紀の45,000冊もの蔵書があり、またアラビア語、ラテン語、スペイン語で書かれた写本が5,000冊あるそうです。
天井はイタリア人の画家ペッレグリーノ・ティバルディによる、文法、論理、修辞、算術、幾何、音楽、天文の自由七科を題材としたフレスコ画が描かれています。一方の床は大理石が敷かれ、美しいデザインの木の本棚が並んでいます。

大聖堂

出典:hotelarosa-historiasdemadrid.com

大聖堂はギリシャ十字のような身廊になっており、正面には一番上にキリスト像を飾った、30メートルもある大きな祭壇があります。赤御影石とジャスパーで作られた装飾壁には、三つの宗教画と金をかぶせた銅像で飾られています。
その左右の壁には、カール1世とフェリーペ2世及びその家族を等身大に作った銅像が、正面の祭壇に向かって祈っています。

出典:es.wikipedia.org

大聖堂のドームは約100メートルの高さがあり、シンプルなロマネスク風のアーチは、四本のシンプルでがっちりしたドーリア式の巨大な壁柱に支えられています。十字になった身廊の天井にはそれぞれフレスコ画が描かれています。

フェリーペ2世宮殿

出典:yourtripideas.com

フェリーペ2世は4月から秋にかけてこの修道院に起居し、政務を執ったと言われています。礼拝堂の後ろに造られたフェリーペ2世の宮殿は、こちらも質素ともいえるほどにシンプルな部屋です。痛風に苦しんでいたフェリーペ2世がベッドからミサに参加できるように、窓が設けられていました。

王家の霊廟(れいびょう)

出典:hotelarosa-historiasdemadrid.com

ここには5世紀もの間スペイン王家の墓所でもありました。フェリーペ2世の父であった、カルロス1世(カール5世、神聖ローマ皇帝とも)、およびフェリーペ2世その人を筆頭として、代々のスペイン国王がここに眠っています。

戦闘の間

出典:en.wikipedia.org

フェリーペ2世によるサン=カンタン奪回の戦いの場面を描いた絵を含む、スペインが勝利した戦争の場面のフレスコ画が一面に描かれています。

王立サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院 Monastery and Site of the Escurial(Monasterio de El Escorial)

住所:
Av Juan de Borbón y Battemberg, s/n, 28200 San Lorenzo de El Escorial, Madrid
アクセス:
マドリッドより車で50分
営業時間:
10月~3月
 火曜日~日曜日:
10:00~18:00
4月~9月
 火曜日~日曜日:
10:00~20:00
定休日:
月曜日
電話番号:
+34 / 91 890 59 03
料金:
一般10ユーロ、5歳以下は無料
※入り口横のチケット売り場は閉館一時間前に閉まります
別名:
Royal Site of San Lorenzo de El Escorialとも

最後に

出典:www.liabeny.es

紹介しきれませんでしたが、聖具室やエル・エスコリアル修道院が所蔵している美術品、修道院の建築に使われた道具などの展示室もあります。中には、ファン・デル・ウェイデンの「キリスト磔刑(たっけい)」やエル・グレコの「聖マウリティウスの殉教」などがここで見られます。
また、キリシタン大名に派遣された天正遣欧少年使節も、マドリードを訪れフェリーペ2世の歓待を受けた際、ここも訪れたとか。
マドリードから日帰りも可能な距離ですので、観光の候補に加えてみてはいかがですか?

この記事を読んだあなたにオススメの記事

このエリアの新着記事