イタリア定番観光スポット、ポンペイ遺跡!1900年の時を経て遺跡は何を語るのか

5,223

views

0

一瞬にして火山灰の下に眠った古代都市ポンペイ。約1900年前の人々の暮らしが当時のまま残る古代のロマンが詰まった遺跡です。ローマからも日帰り日本語ガイド付きバスツアーが出ているので不安なく手軽に旅を楽しめます。

古代ロマン@ポンペイ

遠くにヴェスヴィオ山を望むポンペイ遺跡。
紀元79年ヴェスヴィオ山の突然の目覚めによって三日三晩噴火が続き、火山灰が降り注いだこの地域の住民の多くは避難も間に合わず死んでいきました。この惨事でポンペイは6m近くの火山灰に埋もれ、噴火瞬間の街の生活ぶりを閉じ込めたのです。

1900年以上の時を経て当時の街が奇跡的に現代に姿を現し、私たちの目に触れることになりました。

入口にあたるマリーナ門は海に向かっていることが名前の由来です。
出土した魚の鱗や魚の壁画から、当時は海が近かったとされています。

アポロ神殿

ポンペイにあるたくさんの神殿の中でも、遠くにヴェスヴィオ山を望むアポロ神殿は代表的なもののひとつ。
遺跡の中で最も古い遺構で、宗教行事が行われたものとされています。

マケルム

マケルムとは食料品取引場のこと。12本の柱の周囲からは数多くの魚の骨や鱗が発掘されており、かつて魚市場だった場所のようです。回廊の壁面には魚や鶏の日常の販売の風景とともに、神話を題材とした場面が描かれていて、活気のある街の雰囲気を感じることができます。

フォロ

フォロは多目的広場。人々はここに集い、憩いの場ともなっていました。
周囲には神殿や市役所、裁判所があり、宗教の中心でもありました。数千年前の街の匂いを感じることができる場所です。

円形闘技場

現存する最古の円形闘技場。街の要人のために設けられた下部座席が残っており、大理石の化粧貼りが施されています。

大劇場

丘の自然なくぼみを利用して造られています。当時の大きな施設は屋根なしだったのですが、最上部に支柱を支えたと思われる穴が残っています。必要なときは可動式テントが張られていたということです。驚くほど生活を快適に過ごすシステムが構築されていました。

アッボンダンツァ通り

住居・店舗・作業所・工場が立ち並んでいて、当時の豊かな生活や暮らしぶりが現れています。なんと、道路標識まで存在していたとか!

横断歩道

石畳の道は馬車の道。雨水や排水が流れていたので歩道は高くなっています。雨で車道が冠水した時にも渡れるようにという配慮。きちんと轍の幅が決められており、石と石の間を馬車がすり抜けていました。人が住みやすい工夫がいっぱい。ここが1900年前の街であることを忘れてしまいそうです。

ファウノの家

ローマから派遣された将軍の甥のために造られた家です。玄関や食堂、衣装タンスや金庫など、現代の生活にも馴染みのある品が残されていて、4つある食堂は四季によって使い分けていました。その奥の談話室からは有名なモザイクの床「アレキサンダー大王とペルシャ王ダリオの戦い」が出土されています。

秘儀荘 

酒の神であるディオニュソス信仰への入信の儀式の秘儀を表しているという壁画。
「ポンペイの赤」で描かれた神秘的な絵が当時の雰囲気を強烈に印象づけてくれます。

テピダリウム

適度に体を温めたり、急な温度変化を和らげる目的で巨大な火鉢で部屋全体を温め、入浴前の準備をする部屋です。アーチの天井は漆喰で装飾されていて、会話を楽しんだり壁の飾りを眺めたりしながらゆっくりくつろぐことのできる空間は、日本の銭湯を彷彿とさせる場所。数千年の時を超え、違う国での共通点に思いを馳せることができます。床の下に水路を造り、温水を流して床暖房にしていたそうです。現代の基になるシステム!ですね。

表情までわかる石膏

火山灰に埋もれた生き物は、土に返ることなく何千年もかけて腐敗し、火山灰に空洞をつくり、発掘後そこに石膏を流し込んで、苦しむ様子や子どもをかばう母の様子を再現しました。その一瞬の出来事が、後世にたくさんの思いを残してくれているのです。

狂犬注意!

悲劇詩人の家。この家のアトリウムにはモザイクが残っていて、その中のひとつに公演の準備をする役者のシーンがあります。これがこの家の由来になったそうで、特に詩人の家でも狂犬の家でもないようです。

居酒屋

穴の中には素焼きの壺が置かれ、この中に果実・野菜・木の実などを入れて売っていました。商人の活気ある風景を思い起こさせられる場所です。

パン焼き釜

ポンペイには30以上ものパン屋の跡があります。今でも十分使えそうで、ほかほかの焼き立てパンが出てきそうな窯です。

1900年前のポンペイには、単に生活するということだけでなく、より便利に素敵に楽しく幸福に暮らすための工夫がたくさん施されています。時を越えた歴史の偉大さと人間の無力さに浸る旅♪を堪能してください。

ポンペイ(POMPEI)
住所:
P.za Porta Marina
営業時間:
08:30~19:30
電話番号:
081-8575347
アクセス:
ナポリ駅からヴェスヴィオ周遊鉄道のヴィッラ・ディ・ミステリ駅下車が便利 約30分(駅前すぐが遺跡の入口)
定休日 :
1/1 5/1 12/25
料 金 :
€13
(エルコラーノの遺跡を含む5か所共通券€22、
3日間有効)
umi

北海道在住の旅行大好きな30代女子です。
旅行では主に世界遺産や絶景スポット巡りをしています(*^_^*)
もちろん、ご当地グルメもはずせないポイントのひとつ♪
その中でもわたしのおススメなトコをアップしていきます☆

この記事を読んだあなたにオススメの記事
  • イタリアのアウトレットまとめ完全版!買い物大好きな人にお...

    オシャレな町並みも多く歴史的名所も多いイタリアですが、多くのブランドもあるため買い物好きにはたまらないでしょう。最新のブランドやお気に入りのブランドが安く買える場所を紹介します。

  • 本場イタリア人のピザの食べ方・選び方教えます!

    イタリアといえばパスタとピザ。イタリアに旅行に行くなら必ず食べるべきです!それも、RISTORANTE(レストラン)ではなく、PIZZERIA(ピッツェリア)で食べるべきです。そして、是非試していただきたいイタリア人の食べ方と人気ピザ!そこで、本記事では本場イタリア人のピザの食べ方、選び方をご紹介いたします。

  • 南イタリア、ナポリ飯!絶品尽くめのカンパニア料理まとめ

    世界三大美港、世界三大夜景の街の一つとしても知られる南イタリア、ピッツァの街ナポリ周辺のカンパニア地方は、絶品の特産品がいっぱい!トマト、レモンにチーズ!おいしいもの尽くしのカンパニア料理、楽しんでいただけたら嬉しいです!

  • 最高の靴に出会える!イタリアの最高級シューズブランド9選

    イタリアには素敵な靴は素敵な場所に連れて行ってくれるということわざがあります。それだけあって、イタリアは有名なシューズブランドの発祥地です!あなただけの「素敵な靴」を見つけることができるでしょう。今回はそんなイタリアシューズブランドをご紹介します。

  • イタリア・ポルトフィーノのたのしみ方&見どころ!観光でお...

    ポルトフィーノは、ブーツの形をしたイタリア半島のちょうど付け根あたりにある小さな街です。青く輝くリグリア海に浮かぶたくさんの船、カラフルな街並みを見れば、まるで映画や物語の世界に入り込んでしまったよう。今回はそんなイタリアの美しい港街ポルトフィーノについてご紹介します。

  • 南イタリア・サレルノで行くべき穴場観光&街歩きスポット紹介

    カンパニア州の中でナポリに次ぐ湾岸都市「サレルノ」。 ナポリから特急で約30分、アマルフィまでは船で35分とアクセス抜群。物価が安く治安も良いので、南イタリアの旅の拠点にぴったりです。 そんなサレルノの町の見どころをご紹介。【アクセス編】や【レストラン編】と合わせて参考にしてみてくださいね。

このエリアの新着記事
  • イタリアのおすすめお菓子20選!焼き菓子からチョコレート、...

    イタリアのおすすめのお菓子を案内します。地中海に突き出た半島イタリアでは、意外にも製菓文化が古く、伝統的なお菓子がいくつかあります。また比較的新しいお菓子も存在。そんなイタリアのおすすめのお菓子ばかりを20アイテム厳選しました。

  • イタリアの食べ物おすすめ15選!本当においしいイタリア料理...

    海外旅行に行きたい国ランキングで、常に上位にランクインしているイタリア。風光明媚な景色はもちろん、歴史的価値のある建造物など見所が満載ですが、イタリアグルメがお目当てという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、イタリア料理のメジャーなものを中心に、イタリアの人気の食べ物をご紹介していきます。

  • イタリア・カンパニア州のモッツァレラ工場「ヴァンヌーロ」...

    モッツァレラチーズが名産のカンパニア州。 水牛のミルクから作られるモッツァレラチーズは大変希少価値があり、モッツァレラの中でも最高品質。 地元イタリア人も虜にする絶品のモッツァレラチーズを作り出す工場、ヴァンヌーロをご紹介します。

  • イタリア・サルデーニャ旅行で必食!伝統3選 ≪ドルチェ編≫

    イタリア・サルデーニャ島では砂糖よりもはちみつをよく使います。砂糖の甘さではなく、自然のはちみつの甘さがやさしく伝わるサルデーニャ島のドルチェたち。たくさんある中でもとっておきの3つのドルチェをご紹介します。

  • イタリア・マナローラで愛の小道を歩いてみよう!色彩豊かな...

    イタリアには世界遺産になっている美しい村が集まっている地域があります。その中の一つがマナローラという村で、絵のように美しいカラフルな家々と隣村のリオマッジョーレとマナローラを結ぶところに、カップルに人気の愛の小道などがあり、人気の観光スポットとなっています。そんなマナローラをご紹介します。

  • 北イタリアの世界遺産チンクエテッレの魅力~コルニリア編~

    北イタリア・リグーリア州にある世界遺産に登録されているチンクエテッレ。5つの村を一日で、電車をメインにまわってみました。三つ目の村、コルニリア(Corniglia)編です。

  • イタリア・ポジターノ観光で「アマルフィの宝石」と呼ばれる...

    美しい青い海と、断崖に並ぶパステカラーの家や教会。 そんな独特の景観はポジターノならでは。その美しい海と街並みを求めて世界中から人々が訪れます。そんなポジターノの街の見どころをご紹介します。旅の計画の参考にしてみてくださいね!

  • イタリア・ポルトフィーノのたのしみ方&見どころ!観光でお...

    ポルトフィーノは、ブーツの形をしたイタリア半島のちょうど付け根あたりにある小さな街です。青く輝くリグリア海に浮かぶたくさんの船、カラフルな街並みを見れば、まるで映画や物語の世界に入り込んでしまったよう。今回はそんなイタリアの美しい港街ポルトフィーノについてご紹介します。

  • -南イタリア- サレルノから始めよう!アマルフィ海岸への旅【...

    カンパニア州の中でナポリに次ぐ大きな湾岸都市「サレルノ」。 ナポリから特急で約30分、アマルフィまでは船で35分とアクセス抜群。 旅の拠点にぴったりの町なんです!そんなサレルノの町とアクセス情報をご案内。 【町歩き&教会編】や【レストラン編】も合わせて参考にしてみてくださいね!

  • イタリア・サルデーニャ島まで行く価値あり!地中海で最も遠...

    これが自然が成すものなのかと疑う程透き通る水、照り付ける太陽、遠浅のビーチがイタリアサルデーニャ島にあります。キラキラ輝く砂浜をスタートに海の中を散歩できちゃいます。そんな海に行ったことありますか?どこまで行っても底が見えちゃう海。わざわざ行って損しない、そんな価値あるビーチをご紹介します。

この記事のキーワード
このエリアの人気記事
今週の人気記事