イタリア定番観光スポット、ポンペイ遺跡!1900年の時を経て遺跡は何を語るのか

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一瞬にして火山灰の下に眠った古代都市ポンペイ。約1900年前の人々の暮らしが当時のまま残る古代のロマンが詰まった遺跡です。ローマからも日帰り日本語ガイド付きバスツアーが出ているので不安なく手軽に旅を楽しめます。

古代ロマン@ポンペイ

遠くにヴェスヴィオ山を望むポンペイ遺跡。
紀元79年ヴェスヴィオ山の突然の目覚めによって三日三晩噴火が続き、火山灰が降り注いだこの地域の住民の多くは避難も間に合わず死んでいきました。この惨事でポンペイは6m近くの火山灰に埋もれ、噴火瞬間の街の生活ぶりを閉じ込めたのです。

1900年以上の時を経て当時の街が奇跡的に現代に姿を現し、私たちの目に触れることになりました。

入口にあたるマリーナ門は海に向かっていることが名前の由来です。
出土した魚の鱗や魚の壁画から、当時は海が近かったとされています。

アポロ神殿

ポンペイにあるたくさんの神殿の中でも、遠くにヴェスヴィオ山を望むアポロ神殿は代表的なもののひとつ。
遺跡の中で最も古い遺構で、宗教行事が行われたものとされています。

マケルム

マケルムとは食料品取引場のこと。12本の柱の周囲からは数多くの魚の骨や鱗が発掘されており、かつて魚市場だった場所のようです。回廊の壁面には魚や鶏の日常の販売の風景とともに、神話を題材とした場面が描かれていて、活気のある街の雰囲気を感じることができます。

フォロ

フォロは多目的広場。人々はここに集い、憩いの場ともなっていました。
周囲には神殿や市役所、裁判所があり、宗教の中心でもありました。数千年前の街の匂いを感じることができる場所です。

円形闘技場

現存する最古の円形闘技場。街の要人のために設けられた下部座席が残っており、大理石の化粧貼りが施されています。

大劇場

丘の自然なくぼみを利用して造られています。当時の大きな施設は屋根なしだったのですが、最上部に支柱を支えたと思われる穴が残っています。必要なときは可動式テントが張られていたということです。驚くほど生活を快適に過ごすシステムが構築されていました。

アッボンダンツァ通り

住居・店舗・作業所・工場が立ち並んでいて、当時の豊かな生活や暮らしぶりが現れています。なんと、道路標識まで存在していたとか!

横断歩道

石畳の道は馬車の道。雨水や排水が流れていたので歩道は高くなっています。雨で車道が冠水した時にも渡れるようにという配慮。きちんと轍の幅が決められており、石と石の間を馬車がすり抜けていました。人が住みやすい工夫がいっぱい。ここが1900年前の街であることを忘れてしまいそうです。

ファウノの家

ローマから派遣された将軍の甥のために造られた家です。玄関や食堂、衣装タンスや金庫など、現代の生活にも馴染みのある品が残されていて、4つある食堂は四季によって使い分けていました。その奥の談話室からは有名なモザイクの床「アレキサンダー大王とペルシャ王ダリオの戦い」が出土されています。

秘儀荘 

酒の神であるディオニュソス信仰への入信の儀式の秘儀を表しているという壁画。
「ポンペイの赤」で描かれた神秘的な絵が当時の雰囲気を強烈に印象づけてくれます。

テピダリウム

適度に体を温めたり、急な温度変化を和らげる目的で巨大な火鉢で部屋全体を温め、入浴前の準備をする部屋です。アーチの天井は漆喰で装飾されていて、会話を楽しんだり壁の飾りを眺めたりしながらゆっくりくつろぐことのできる空間は、日本の銭湯を彷彿とさせる場所。数千年の時を超え、違う国での共通点に思いを馳せることができます。床の下に水路を造り、温水を流して床暖房にしていたそうです。現代の基になるシステム!ですね。

表情までわかる石膏

火山灰に埋もれた生き物は、土に返ることなく何千年もかけて腐敗し、火山灰に空洞をつくり、発掘後そこに石膏を流し込んで、苦しむ様子や子どもをかばう母の様子を再現しました。その一瞬の出来事が、後世にたくさんの思いを残してくれているのです。

狂犬注意!

悲劇詩人の家。この家のアトリウムにはモザイクが残っていて、その中のひとつに公演の準備をする役者のシーンがあります。これがこの家の由来になったそうで、特に詩人の家でも狂犬の家でもないようです。

居酒屋

穴の中には素焼きの壺が置かれ、この中に果実・野菜・木の実などを入れて売っていました。商人の活気ある風景を思い起こさせられる場所です。

パン焼き釜

ポンペイには30以上ものパン屋の跡があります。今でも十分使えそうで、ほかほかの焼き立てパンが出てきそうな窯です。

1900年前のポンペイには、単に生活するということだけでなく、より便利に素敵に楽しく幸福に暮らすための工夫がたくさん施されています。時を越えた歴史の偉大さと人間の無力さに浸る旅♪を堪能してください。

ポンペイ(POMPEI)
住所:
P.za Porta Marina
営業時間:
08:30~19:30
電話番号:
081-8575347
アクセス:
ナポリ駅からヴェスヴィオ周遊鉄道のヴィッラ・ディ・ミステリ駅下車が便利 約30分(駅前すぐが遺跡の入口)
定休日 :
1/1 5/1 12/25
料 金 :
€13
(エルコラーノの遺跡を含む5か所共通券€22、
3日間有効)
umi

北海道在住の旅行大好きな30代女子です。
旅行では主に世界遺産や絶景スポット巡りをしています(*^_^*)
もちろん、ご当地グルメもはずせないポイントのひとつ♪
その中でもわたしのおススメなトコをアップしていきます☆

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