フィリピン基本情報【治安・情勢編】

投稿者：石塚皓
更新日：2016.08.24
地域：アジア / フィリピン
カテゴリ：TIPS

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セブ、ボラカイなど世界的なリゾート地を有し、近年は語学留学先としても注目される国フィリピン。ですが毎年のように日本人が殺人事件に巻き込まれる危険な国というイメージもあります。今回は、データや実際に滞在した筆者の経験をもとに、フィリピンの基本情報として治安、情勢についてお届けします。

目次 [開く]

1．データから見るフィリピンの治安
2．筆者の実感
3．実際のトラブル

最後に

1．データから見るフィリピンの治安

外務省の海外安全情報

出典： commons.wikimedia.org

日本の外務省からは、ミンダナオ島を中心としてフィリピン全土にレベル1～3の危険情報が出されています。フィリピン国内にはモロ・イスラム解放法戦線やアブ・サヤフなどのイスラム系反政府武装組織や新人民軍などの共産系反政府武装組織が活動しており、テロや誘拐事件も断続的に起こっているようです。

●ミンダナオ地域の一部地域（南サンボアンガ州，北サンボアンガ州，サンボアンガ・シブガイ州，サンボアンガ市，西ミサミス州，南ラナオ州，北ラナオ州，コタバト州（旧北コタバト州），マギンダナオ州，スルタン・クダラット州，サランガニ州，バシラン州，スールー州及びタウイタウイ州）（周辺海域を含む）
：「レベル３：渡航は止めてください。（渡航中止勧告）」（継続）
●ミンダナオ地域のうち上記「レベル３：渡航は止めてください。（渡航中止勧告）」発出地域以外の地域（カミギン州，ディナガット・アイランズ州，カガヤン・デ・オロ市，ダバオ市及びジェネラル・サントス市を除く）（周辺海域を含む）
：「レベル２：不要不急の渡航は止めてください。」（継続）
●パラワン州南部（プエルトプリンセサ市以南の地域）
：「レベル２：不要不急の渡航は止めてください。」（継続）
●上記地域以外のマニラ首都圏を含む全地域
：「レベル１：十分注意してください。」（継続）

出典：http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?id=013&infocode=2016T099#ad-image-0

日本人が最も多く殺されている国

また一般的な治安の点でも、殺人や強盗、窃盗が絶えず、日本人が狙われるケースも多いようです。特に銃規制が軽いため些細なことでも殺人につながるとか。外務省海外邦人援護統計によると、過去10年でも、ほとんどの年で日本人が最も多く殺されている国となっています。

政治的に不安定になる可能性も…

出典： en.wikipedia.org

2016年は大統領選挙があり、そのため政治的に流動的になる可能性もあるようです。

凶悪犯罪に巻き込まれる可能性は？

続いて、2012年度と少し古いデータですが（一部2011年度のデータもあり）、国連薬物犯罪事務所の資料から各国別の人口10万人あたりの凶悪犯罪の発生件数データを引用してみます。

フィリピン：殺人 8.8、強盗 27.9、強姦 4.5
アメリカ：殺人 4.7、強盗 111.7、強姦 26.6
オーストラリア：殺人 1.1、強盗 16.9、（強姦データなし）
カナダ：殺人 1.6、強盗 79.5、強姦 1.4
フランス：殺人 1.0、強盗 193.7、強姦 17.0
日本：殺人 0.3、強盗 2.9、強姦 1.0

数値上、殺人を除く強盗、強姦ではアメリカやフランスより発生率は少なくなっており、意外な印象を受けるかもしれません。なお、発生件数の多い殺人事件については、事件に巻き込まれる外国人の特徴として、暴力団関係者やフィリピンでビジネスを行っている、あるいはフィリピン人と結婚しているといったことがあります。

2．筆者の実感

セブ

筆者は2014年10～12月にかけ、約3か月フィリピンのセブとバコロドに滞在しました。その時の実感としては次のような印象です。

微笑みの町バコロド

セブについては夕方、外を歩いていたら浮浪者に後を付けられるなど、日中でも緊張感がありました。リゾートホテルなどはもちろん安全ですが、セブシティは殺伐とした雰囲気のところもあります。そのため、暗くなってからの外出は極力控えていました。一方、バコロドは暗くなっても危険な感じはあまりせず、そのため複数人で飲みに行ったりもしていました。

また、フィリピン人の特徴の一つとしてプライドが高いことが挙げられると思います。彼らに接してみると、例えば人前で叱責されることに強い嫌悪感を持っているなど、日本人とは異なる文化を持っていることが分かると思います。フィリピンの人々と接する時は、彼らの国民性を尊重する必要があると感じます。

3．実際のトラブル

筆者はフィリピンで事件に巻き込まれることはありませんでしたが、周りで実際に被害に遭った人は何人かいました。具体的な事件を紹介しておきます。

頻繁に起こるスリ

出典： commons.wikimedia.org

最も多かったのがスリの被害です。ショッピングモールや屋台街、ジプニーというミニバンのような車の中など、人が集まるところには必ずスリがいると考えた方がいい印象です。何人もの日本人が被害に遭っていました。数人で囲まれたり手品のように盗られたりするため、その場ではほとんどの人が気付くことはないようです。

出典： en.wikipedia.org

対策としてはチャックなどが付いた開けられにくい鞄を体の前に抱える、マネーベルトなどを使いそもそも盗られないようにするなどがあります。筆者は財布はチェーンで固定し、かつ盗られてもいいだけの金額を入れておき、大きなお金はマネーベルトに入れるといった方法を実践していました。

現地の人でも巻き込まれる強盗

出典： www.youtube.com

また、これはフィリピン人の被害ですが、夜、携帯電話を使いながら歩いていると銃を突きつけられて電話を奪われたそうです。現地の人でもそういった被害に遭うことから、お金を持っていると思われがちな日本人は一層いい標的とされるようです。

出典： gatonegro2551.deviantart.com

強盗に関しては、夜道を出歩かない、もし会ってしまったら命が助かることを最優先にするといったことしか対策はないと思います。フィリピンでは銃規制が緩いため、下手に逆らうと最悪の場合、撃たれる可能性があるということは認識しておく必要があります。

最後に

フィリピンの治安、情勢についてまとめましたが、いかがでしたか？色々とネガティブな情報を書いてきましたが、実際の犯罪件数で見れば、殺人事件を除き、数字上、飛び抜けて危険とは言えないと思います。ですが銃が広く出回っていることから、特に殺人事件の件数は多く、日本人が最も殺人事件の被害に遭っている国だという点には十分留意する必要があるでしょう。

フィリピン共和国（Republic of the Philippines）

アクセス：: 日本からはANA、フィリピン航空などがマニラ、セブへの直行便を運航している。またLCCのジェットスター、セブパシフィック航空なども直行便を運航している。所要時間は約5時間。

石塚皓

2014年7月より、元教師の妻と世界一周の旅を始め、2016年3月に無事、帰国した33歳の元会計士。1年8カ月かけ48カ国を回る中で出会った絶景やオススメのグルメ情報など、旅に関する情報を発信していきます。

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